2020年10月15日
【便利さと美味しさ】丼料理の誕生と進化
親子丼をはじめたのは、東京人形町の鶏鍋の老舗「玉ひで」と言われています。5代目当主の奥さんとなる山田とくさんが考案し、明治24年から始まりました。
この親子丼が人気を呼び、その評判に乗って、東京で親子丼を売る店舗が増えていきました。関東大震災直前の大正12年には、そばが1杯10銭ほどであったのに対し、親子丼は50銭で売られていたそうです。人気の理由は、美味しさや簡便さもさることながら、当時としては高級食材である鶏卵を使っているということもありました。
関東大震災以降になると、特に東京のそば屋でご飯類を扱うことが増え、それに伴い親子丼を提供する店舗も多くなります。しかし、親子丼の元祖「玉ひで」では、お店で親子丼を出すことはせず、専ら近所への出前のみでした。お店で食べたいという要望が根強くありましたが、5代目当主が、一膳飯を高級店で出すことは馴染まないとの遺言から、出前のみで出していました。やっとお店で提供することになったのが、昭和50年代半ばです。5代目当主の遺言を貫いた6代目当主が亡くなり、親類からも了承を得ることで可能となりました。以来、「玉ひで」の親子丼を求めて、行列は絶えることがありません。
親子丼の名店は多々あります。一方で、そば屋であるのにもかかわらず、親子丼が人気というお店も多くあります。これは、なぜなのでしょうか。
その理由は、味付けにそば用のつゆを使用しているからです。親子丼専門店の場合、味の決め手は、割り下ですが、そば屋では割り下の代わりにそばつゆを使用します。そばつゆは、たっぷりのかつお節でとっただしにしょう油や砂糖を加えて、数日間寝かせて味を馴染ませた「かえし」を加えて作ります。そのため、格段にだしの効いた味付けとなります。
また、そば屋では種物として良質な鶏肉と卵を常備していることも、そば屋特有の親子丼の美味しさの理由です。そばがおいしいそば屋は、親子丼も美味しいということになります。
親子丼を提供するお店の厨房を覗くと、変わった形の鍋で親子丼をつくっていることに気づきます。鍋が皿のように薄い形で、柄が垂直に付いています。親子丼をつくる鍋なので、親子鍋と呼ばれているこの鍋は、なぜこのような形になったのでしょうか。
これは必要に応じて開発されたものです。いわば、料理人が厨房で作業しやすいように計算されてつくられたものなのです。鍋の部分が薄く小さい親子鍋は、厨房の中で柄の部分を引っかけて、鍋がひっくり返ることが多くありました。そこで、柄が引っかからないように改良され、柄が現在の形になりました。
柄が垂直になることで、丼に盛りやすいということはありません。これは柄の部分が普通の鍋のように水平に付いている親子鍋があることからも明らかです。
牛丼は、かつては牛めしとも呼ばれ、元々は牛鍋の残り汁をかけた丼でした。明治の文明開化と共に巻き起こったのが、牛鍋ブームです。当時、牛鍋を食べた後、シメとして鍋の中に残った汁をご飯にかけて食べる人が多くいました。
そこで、初めから牛鍋をご飯にかけた丼、牛丼が牛鍋屋の別メニューとして考案されました。これは、牛鍋ブームに乗って、東京や横浜を中心に瞬く間に広まりました。当時は、決して上品な食べ物とは、認識されていなかったようです。汁をかけることから、牛めしぶっかけとも呼ばれていました。
しかし、丼の気軽さで牛丼は親しまれ、東京の下町で主流だった、アサリやハマグリ、アオヤギなどの貝類とネギなどの野菜を煮込んだ深川めしの人気が下火になるほどでした。
味付けは、今と異なりみそ味でした。牛鍋の味付けがもともとみそ味だったことから、牛丼もみそ味となりました。ところが、ご存知のように現在の牛丼はすべて甘辛いしょうゆ味です。いつから変わったのでしょうか。今の牛丼は、牛鍋というよりもすき焼きの残り汁に由来しているのかもしれません。
丼もので人気の高いメニューに中華丼がありますが、本場中国ではこの中華丼がありません。確かに中華丼のように、調理した具材をご飯にのせて食べるあんかけご飯がありますが、お皿に盛られて出てきます。
日本には、大正時代から中華丼がありますが、中国には存在せず、真相は日本人が中国の料理をアレンジしてご飯にのせたものを考案し、それを中華丼と呼んだそうです。もともとは、日本で生活している華僑の人たちのつくる賄い料理や家庭料理からヒントを得たようです。そもそも中国語に「丼」という文字はありません。
親子丼をはじめたのは、東京人形町の鶏鍋の老舗「玉ひで」と言われています。5代目当主の奥さんとなる山田とくさんが考案し、明治24年から始まりました。この親子丼が人気を呼び、その評判に乗って、東京で親子丼を売る店舗が増えていきました。
そば屋であるのにもかかわらず、親子丼が人気というお店も多くあります。その理由は、味付けにそば用のつゆを使用しているからです。そばつゆは、たっぷりのかつお節でとっただしにしょう油や砂糖を加えて、数日間寝かせて味を馴染ませた「かえし」を加えて作ります。そのため、格段にだしの効いた味付けとなります。
親子鍋は、厨房の中で柄の部分を引っかけて、鍋がひっくり返ることが多くありました。そこで、柄が引っかからないように垂直に改良されました。
牛丼は、かつては牛めしとも呼ばれ、元々は牛鍋の残り汁をかけた丼でした。そこで、初めから牛鍋をご飯にかけた丼、牛丼が牛鍋屋の別メニューとして考案されました。当時の味付けは、みそ味でした。
中華丼は大正時代からありますが、中国には存在せず、真相は日本人が中国の料理をアレンジしてご飯にのせたものを考案し、それを中華丼と呼んだそうです。
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