2020年08月27日
【実態】魚にまつわる裏事情
持ち帰り弁当やコンビニ弁当には、よく白身魚のフライが入っています。ファミリーレストランや定食屋でも、白身魚フライ定食は定番メニューとなっています。どこでも白身魚とは呼んでいても、魚の種類はほとんど明記されていません。白身魚をタラと思っている人も多く、味や色もよく似ていますが、その正体は大抵ホキという魚です。そのような魚の名前は、聞いたことがないという人がほとんどでしょう。
しかし、どこかでホキを食べているはずです。ホキは南の海にすむ魚で、ニュージーランドやアルゼンチン、チリ沖でよく獲れます。身離れがよく加工向きで、輸入量の90%以上が弁当やレストランなどの業務用として使用されています。
もともと日本では、白身魚のフライといえば、北のベーリング海で獲れるマダラが中心でした。しかし、マダラの収穫量が落ちて値段が上昇したため、その代役として世界中を探し回った結果、白羽の矢を立てられたのがホキでした。
いまでは弁当のお惣菜やレストランで白身魚のフライが食べられるのも、ホキのおかげです。ちなみに世界の海にはおよそ23,000種以上の魚が存在すると推定されています。そのうち日本で食べている魚はわずか400種です。
関アジと書いてセキアジと読みます。寿司屋の壁に関アジ入荷という貼り紙があったり、スーパーの食品売り場で、関アジだけが特別に売られていたりします。
食べた人も多いでしょうが、いってみれば関アジはブランド魚の代表価格です。大分県佐賀関産のアジをさします。魚体を傷めないように一本釣りし、出荷まで手を極力触れないなど、品質管理に細心の注意が払われているアジの王様です。それだけに味と鮮度の良さで抜群の人気を誇っています。
ところが、有名ブランドのバックに偽物が出回っているように、ただのアジが関アジとして売られていることもあるようです。本物の関アジは魚箱にその名が印字されていますが、魚の卸売市場には、ときどき手書きで関アジと書いたものが入荷してくるようです。これは業者がただのアジの魚箱に関アジと勝手に書いたものらしいです。ちなみに同じ大分県内でも、他の港に水揚げされるアジは、一本釣りではなく巻き網で獲ったアジなので関アジではありません。
漁師の網にかかって喜ばれるのは、子持ちのメスシシャモです。オスは選り分けられて廃棄されるか、家畜のエサに回され、取引される値段は二束三文です。子持ちのメスシシャモは、水揚げされたらすぐに値段の交渉が始まります。その場合、交渉の決め手になるのは、身の大きさではなく、あくまで卵の熟度です。交渉の場では、数匹のメスの腹からチューブをしぼるようにデジタル計りの上に卵が押し出され、その卵の目方を計り、元のシシャモに対する目方の割合を計算します。これが卵の熟度の基準になります。熟度とは、そのシシャモの卵が、いかに産卵期に近いかを示す基準です。この熟度が低いと卵が若く、製品としての魅力は乏しくなります。かといって、熟度が高すぎると、干しているときに卵が腹から飛び出してしまいます。両方とも値引きの対象です。
ただし、街中でみかけるシシャモは、かつてのシシャモではありません。北海道の川をさかのぼってくる日本産のシシャモは全体のわずか1〜2%を占めるにすぎません。現在スーパーや居酒屋で見るシシャモは、例外なくカナダやノルウェー、アイスランドなどからの輸入品で、北海道のシシャモとは種類も異なります。北半球の寒帯に広く分布し、川をさかのぼる性質をもたないケーブリンという魚です。いまやこのケーブリンが別名カラフトシシャモと呼ばれ、日本の食卓に登場しています。
銀ダラのムニエル、フライ、塩焼き、西京焼き、みりん焼きなど銀ダラの名前を聞くことが多くなってきました。スーパーやデパ地下でも銀ダラの切り身が売られています。
ところがこの銀ダラは、実はタラの仲間ではありません。南半球でとれるメルルーサという深海魚です。メルルーサは、見かけはタラによく似ていますが、背びれが2つ、尻びれが1つあって、その第2背びれと尻びれの中央がくぼんでいます。また、下あごにひげがないことで、タラとは区別されています。体色は背側が灰褐色、腹側が銀色で、40〜50pになる体型は、日本のスズキに似ています。
このメルルーサが、日本の食卓やレストランに登場するようになったのは、1960年代のことです。日本の漁船が南アフリカ共和国の沖合で操業していたころ、メルルーサが豊富に獲れることを確認し、味がタラに似ていることから持ち帰るようになりました。
そして、この魚の日本名がなかったため、銀ダラの名前で売られはじめました。現在メルルーサは、南アフリカやオーストラリア、ニュージーランド周辺で漁獲され、日本には頭と尾、内臓を取り除いた状態、あるいは3枚おろしの冷凍フィレとして輸入されています。
持ち帰り弁当やコンビニ弁当には、よく白身魚のフライが入っています。ファミリーレストランや定食屋でも、白身魚フライ定食は定番メニューとなっています。どこでも白身魚とは呼んでいても、魚の種類はほとんど明記されておらず、その正体は大抵ホキという魚です。
関アジはブランド魚の代表価格です。大分県佐賀関産のアジをさします。魚体を傷めないように一本釣りし、出荷まで手を極力触れないなど、品質管理に細心の注意が払われており、それだけに味と鮮度の良さで抜群の人気を誇っています。
街中でみかけるシシャモは、かつてのシシャモではありません。北海道の川をさかのぼってくる日本産のシシャモは全体のわずか1〜2%を占めるにすぎません。現在スーパーや居酒屋で見るシシャモは、例外なくカナダやノルウェー、アイスランドなどからの輸入品で、北半球の寒帯に広く分布し、川をさかのぼる性質をもたないケーブリンという魚です。いまやこのケーブリンが別名カラフトシシャモと呼ばれ、日本の食卓に登場しています。
銀ダラは、タラの仲間ではありません。南半球でとれるメルルーサという深海魚です。味がタラに似ており、この魚の日本名がなかったため、銀ダラの名前で売られはじめました。
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10150714
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。