2013年11月16日
映画『ペルシャ猫を誰も知らない(No One Knows About Persian Cats)』
【TSUTAYA DISCAS】配架確認済
(TSUTAYA DISCAS 無料お試しキャンペーン中!)
『ペルシャ猫を誰も知らない』、音楽ドキュメンタリー映画のなかでも、一番お気に入りの作品です。
舞台はイランの首都、テヘラン。雑居ビルに集う若者たち。救急車のサイレン・・・。
イランでは、イスラム教の名のもとにポップミュージックをはじめとした欧米文化が厳しく規制されています。
ちょっとでもイスラームについて勉強したことのある人なら、そんな教義はない、とすぐに気がつく、というか近代以降イラン(に限らずどこの国でも)で「享楽的」な若者文化を取り締まっているのは、宗教でなくて、国家だってわかりそうなもの。
逮捕したり、尋問したり、命を奪ったりするのも国家です。
でもなぜ私たちは、イランとかシリアとかきくととっさに、「イスラム」を思い浮かべてしまうんだろう。
なにかに洗脳されているのかな(笑)
『ペルシャ猫を誰も知らない』は、抑圧されたテヘランの日常から逃れ、自由に音楽をやるためにアメリカへ、そんな若者たちの姿はどこの国にもいる「体制に反抗する若者」となんら変わらりません。
むしろ、そういう不満って誰しもが経験するだけに、どうしてこの子たちばかり、こんな辛い思いをしなきゃいけないの?と思わずにはいられない。
ただ音楽がやりたいだけの若者を、そこまで抑圧しなきゃいけない理由は一体・・・。
国ってそんなに偉いもの?
一方、そんな、無力感に襲われるなかでも、音楽ドキュメンタリーだけあって、主人公のつくるハッピーな音楽と美しいイランの風景に興奮している自分がいます。
ペルシャ語の歌詞はわからないけど、きっと明るくておバカな青春ロック。
実際、ストーリーの大部分はテヘランの情景や人間関係を描いたドキュメンタリーですから、クスっと笑える場面も少なからずあったりなかったり。
それでも、警察当局に踏み込まれ、主人公がビルの窓から逃げだすラストから、冒頭と同じ救急車のサイレンに収束するラストは、やっぱり涙が溢れます・・・。
さて、アメリカ人の友人曰く、「戦争相手の国のことはあまりおおっぴらに褒められないから、僕らはイランの文化について話すとき、"Iranian" じゃなくて "Persian" を使う。」んだそうです。
そしてこの映画のタイトルは "No One Knows About Persian Cats" 。
もし主人公が望みどおり渡米できたとして、アメリカでどんな景色を見るだろう、何を感じるだろう。
自分たちがテヘランで受けた窮屈な経験は、実はアメリカのせいだったって思うかな。
命がけで脱出した故郷でも、戻りたいと思う日が来るかな。
→Amazonでイラン映画を探す
→楽天市場でイラン映画を探す
→ネットオフでイラン映画を探す
タグ:イラン映画
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/2427806
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック