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2022年06月06日

自ら命を縮めた母

蘇生は見るに耐えないものだった。

痩せ細り 骨と皮だけと言って良いほどになってしまった母。

病院のスタッフが救急隊員から引き継ぎ 蘇生の為の心臓マッサージ。
肋骨が折れるのがわかった。

"アカン!もう良いです。
これ以上 母に傷つけることは我慢できません。"

"はい。分かりました。"

蘇生の為のマッサージはストップされた。

"お母さん、ゴメン!許してや!痛かったやろ?!"

我慢しすぎた母。
若くして亡くなった 私の弟に会いたい。と言うのが 口癖になっていた母。

"頑張ってや。もうちょっと、長生きして、私の孫のけいじ君に会ったってや!"

"そやね。もうちょっと、頑張らなアカンね。"と母

しかし、愛する息子より長く生きている罪の意識が強かった母。

"朋幸より、40年も長生きしてる。
もう、充分や。
もう、な〜んも要らん。"

と度々言うので、強く怒ったこともあった。

"何で?!何でそんなこと言うの?
僕が頑張って お袋の介護してるのは、早く、つい半年ほど前のように歩けるようになって、欲しい物の買いに行って、大好きな温泉と大衆演劇を見に行けるようになって欲しいからやで!

大好きなパチンコもして、長生きして欲しいからやで。"


"朋幸に会いたいのは分かるけど、まだまだ元気でいて欲しい。自分から命を縮(ちぢ)めるようなことはせんとって!"
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独り身で気楽に過ごしていた私がある日突然、父と母ふたりを ほぼ同時に自宅介護することになった
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