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2016年04月24日

私的怪談シリーズ 14 悲鳴 冨田武市

ゴリラが二十代前半の頃、当時勤めていた会社の労働組合の青年部で地元のキャンプ場に一泊のキャンプに行った。
皆でカレーを作ったりバーベキューしたりと、多いに楽しんだ。
そして夜には、キャンプファイヤーを行った。
お酒を飲みながら皆でワイワイ騒ぎ、先輩がギターを弾きながら歌を唱ってくれたりして盛り上がりは最高潮に。
そして、それは始まった。
『怪談大会』である。
嫌がる人もいたが、みなテンションが高い為、ノリで始まってしまった。
本当に怪談NGの人はバンガローに逃げた。
キャンプファイヤーを囲み、みな一話ずつ話を披露していく。
もちろんゴリラも一話披露した。
そして、霊感の鋭い心霊体験豊富な奥さんがいるYさんが、今我々がいるキャンプ場にまつわる話を始めた。
『このキャンプ場にも出るらしいで…何かだいぶ昔にここで若いおんなのひ人が殺されるという事件があってな…』
先輩がそこまで話した時、ゴリラの耳に

キャアアアアー!!

という若い女性の悲鳴がきこえた。
バッと声が聞こえた方を向くと、そこは深い森であった。
しかし、みなは先輩の話に耳を傾けている。
気づいていない?
あれだけハッキリ聞こえたのに…
ゴリラだけに聞こえたのか?
と皆の顔を見ると、私の向かいに座っているT君の挙動が不審である。
私はT君を見た。
それに気づいたT君と目があった。
私は
『今、何か聞こえた?』
と、アイコンタクトを送った。
するとT君、目を丸くして何度も頷いている。
これは二人とも同じ声を聞いたなと、テレパシーのようなもので確認しあった。
すると、我々二人の様子に気づいたYさんが
「どうしたん?」
と話をやめて聞いてきた。
私は今聞こえた声についてYさんはじめ、皆に報告した。
「Tも聞こえたんか?」
YさんはT君に尋ねた。
何度も頷いて
「絶対に空耳とちゃいます。聞こえました。」
と答える。
するとYさん、
「アカン、寄ってきてるわ!はい、ほな夜も遅いからお開きや!」
と、手を叩いて皆にバンガローに帰って寝るように促した。
みな、立ち上がりキャンプファイヤーの火を消して後片付けをした後、それぞれバンガローに向かった。
私はT君に
「ハッキリ聞こえたよなあ?」
と尋ねた。
するとT君、
「はい…でも何か男のこえも聞こえたような…」
と答える。
夜の森の中で男性に襲われる女性のイメージが頭によぎり、ゴリラは身震いした。
翌朝…
顔を洗おうと洗面所にいくと、まだ眠たそうなYさんがいた。
「おはようございます」
と声をかけると、Yさんは
「お前等があんな話するから金縛りで寝れるか〜よ!あ〜眠た〜」
と笑った。
どうやら霊感が強いのは奥さんだけではなかったようである。
終わり




posted by kaidann at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談
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