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2016年04月13日

私的怪談シリーズ9 東京出張 木林博喜

私、木林がまだ教育産業で教材の販売の仕事をしていた時のお話しです。
当時私は、大阪本部に所属していましたが東京支店のある池袋に3日間
応援としてかけつける事となりました。
そして大阪には無いのですが、東京支店には社員寮があり私もその時は
空いている社員寮の部屋で3日間過ごす事とし、寝るのは二泊ですがたった3日間の事なので
深くは考えていませんでした。
当時大阪で居ても毎晩、綺麗なお姉さまの居るお店に飲みに行っていた私は
どうせ夜は仕事を終えたら東京のおなごはどないなもんやろ?と飲みに行く事
ばかり考えていたのでその後の事などはどうでも良かったのです。
そして1日目の仕事を終え、当時の東京支店の支店長は私の1期後輩で表彰式などで
顔を合わせては飲みに行く仲間でもあったので私も仕事を終えた後
「さあ城戸さん!東京のべっぴんさんのお店に案内するべし!」
と勇んで飲みに行きました。
それはそれは楽しい夜を過ごし2件ハシゴした後、東京の美味しいという評判のラーメンも
堪能し、後は寝るだけなのでなじみのない寮に行きました。
寮といえど2階建ての全10室のハイツを会社が買い取り、管理人を設置しており
十分1人暮らしなら生活に困らない設備の整った住居スペースなので3日過ごすには全く
問題ないという感じでした、そしてその日寮に来たのは2回目で午前中に東京に到着し
着替えなどのバッグを置いて、管理人さんに挨拶してから東京支店へ向かったので本日2回目です。
管理人さんの天野さんという60歳くらいの男性が私が3日間空き室の205を使う事を申し出た時に
「本部長、本当にあの部屋使われるのですか?私はあまりおすすめできませんが・・・」
と言われ私は気にすることもなく
「なんでですか?天野さん」
と聞くと
「いやね・・本部長がかまわないなら良いのですが・・・いえ・・本部長なら
ホテルとか泊まられた方が良い思いましたので」
と部屋の待遇面を気にして下さってるのだと思い
「いえいえ・・・旅行じゃないんですから、それに本当に風呂があって寝れるだけで十分ですので」
と笑いながら気遣って下さった天野さんに礼を言うと荷物だけ部屋に運んで頂けるようお願いして預けました。その時に受け取っていた鍵で今、夜の繁華街で同志の城戸支店長と豪遊してきて心地良い気分で初めて
寮に入りました。
部屋は2室とキッチン浴室トイレがあり、当時はまだ実家住まいだった私よりもよほど良い暮らしをしてるなぁ東京の独身男性社員は・・・
と思いながら風呂に入り酔いも醒め、テレビをつけたが東京のチャンネルもわからないうえに深夜2時
こんな時間に見ても仕方ないなと思いそのまますぐに寝る事にしました。
そして程よい疲れと飲酒の為すぐに眠りにつきましたが、尿意を感じすぐに目覚めてしまいました。
時計を見るとまだ深夜3時、1時間しか寝ていないのかと思いまたベッドに入ると寝ようと目を閉じた
時に何か圧力?プレッシャーのようなものを感じるのです。
私はそもそも霊感など全くなく、子供の頃に1度水着の女性を見ましたがそれは子供故の感性によるもの
かとも思いますし、そもそも成人してからは心霊スポットに行ったり、ここ出るでと噂されているような
場所に行ったり、周りの人が何かを感じているのに私は全く何も感じず
「仲間外れのニオイがプンプンするぜ」
状態でした。
しかし、この時に感じた圧力は間違いなく【その類】のものだと直感しました。
霊感の無い私でもビンビン【何か】を感じるのです。
その時私は、ここで怪談話や霊体験話し通りだと金縛りが来るんやろうなぁ
と思いながら来るなら来いと身構えていました。
来い!来い!来なさい〜来たまえ〜と念じていますが金縛りは来ず、しかしベッドに横たわる
私へ対する圧力は依然無くなりません。
なんやこれ・・・と思うと音は聞こえないのですが確かにベッドの上を歩かれている気?
感触ははっきりと無いのですが何故か私を踏みつけ私を横断する人たちが居る気がするのです
確かに腹の上を歩かれている・・・しかも1人や2人じゃないなこれはと思いながら
しばらくそのままにし様子を見ていました。
苦しくも無く金縛りに合うわけでもないのですが寝ている私を横断するかのように人が次から
次へと歩いているのが【解る】のです。
感じると言った方が表現が適切でしょうか・・・
そうすると何も見えないし、何も聞こえないのにただ腹を踏まれて歩かれている感覚だけが
強くまだ何かが見えれば怖かったりするのでしょうが、ただ寝ている私の腹の上を運動会の
行進のように歩かれているだけではただの安眠妨害で、心霊話のネタにもなりません。
しばらくそのまま寝ようと試みましたが、その時に
ああ、天野さんが言っていたのはこの事か・・・しかも205に入る新入社員はすぐに気が病んで
辞めるって城戸さんも言うてたな、これが原因ね。なるほど・・感じる奴にはもっと何かが見えたり
怖かったりするのかも・・・と考えていました。
しかし寝れません・・・こいつらええ加減にせえよ!
とだんだんこの腹の上をドタバタ(実際に音は聞こえませんが感じるのでそういうイメージは湧きます)歩き続ける輩達に腹がたってきて
「お前ら〜!そんなに入場行進が大事か〜!!昼にせい!昼に!」
と深夜にもかかわらず叫んでしまいました。
するとピタッと腹に感じるふまれる感触は無くなり、私はその後も中々寝付けませんでしたが
その日はもう何もなくそのまま朝を迎えました。
そんなに怖い目に合ったという自覚はないものの安眠妨害の腹を踏まれまくるのは心地よいもの
でもなく管理人の天野さんに事情を説明し翌日はやはりホテルに泊まる事にしました。
天野さんは
「いや〜私も話しておくべきだったのですが・・・」
と言いながら説明してくれた内容が、この寮が出来て3年経つが寮の前は末期患者の診療所で
その診療所も閉鎖して10年以上経ち、放置されていた建物を今の寮に立て直したとの事で、
205号室に住むウチの社員は理由を言わずに辞めて行くものもおれば大勢の人が寝室に群がってきて
寝ているその子を毎夜囲むと天野さんに相談しそのまま病んで辞めて行った子も居るみたいで、人により
感じる感じないはあるのだろうがあまりにも酷いので天野さんは天野さんの知り合いのお坊さんに相談し
お祓いをしてもらった時に、あの205号室は霊道になっているので人によっては災いを及ぼす聞いてから
あまり社員を入れないようにしていたらしいのです。
ただそういう事は感じない人もいるし信じない人もいるので住んでいる他の部屋の社員には話さないように
していたとの事でした。
私も先言えよ!と思いましたがお坊さんの説明と205号室に過去入居した数名の社員の証言だけで
何も確信的な事はなく自分から進んで人に話すのは避けていたとの事でした。
しかしあの真夜中の行進は確かに見えたり音が聞えたりしたら病む人も居るのは仕方ないと思います。
私にもっと感じる力があれば凄く貴重な体験になったのでしょうが・・・・
終わり






posted by kaidann at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談
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