「ピグマリオン」「マイ・フェア・レディ」ではコックニー訛りと容認発音の2種類が見られます。
イライザが話している英語がコックニーで、ヒギンズ教授が使用しているのが容認発音です。
これらの発音がどのようなものか書きます。
コックニー
これはロンドンの労働者階級、下層階級で話されている訛りです。
伝統的にこの発音は下品な英語だと言われることが多かったです。
「ピグマリオン」の中でもヒギンズが、イライザの英語は英語に対する侮辱だとか言うセリフがあったと思います。
コックニーの特徴
・二重母音・長母音の発音が違う
具体例 [eɪ]が[aɪ]になる。 waitだったらwéitではなくwaɪtと発音します。
「マイフェアレディ」のJust You Waitという曲ではウェイトではなくワイトと聞こえるはずです。
Wikiには
"単語中の[h]を発音しない(half → [a:f])。不定冠詞はanとなる(a hand → [ənænd])。
コックニーを矯正しようという意識のある話者は逆に[h]を不要なところに付加してしまうケースもある(hardly ever[hɑːdli hevə])。
無声歯摩擦音[θ]の"th"を無声唇歯摩擦音[f]と発音(think[fɪŋk])。
有声歯摩擦音[ð]の"th"を有声唇歯摩擦音[v]と発音(father[fɑːvə])。
母音に挟まれたり後ろに歯茎側面接近音[l]が続く、強勢のない無声歯茎破裂音[t]は声門破裂音[ʔ]に変わることがある(father get off[geʔɒːf])。
音素/r/に歯茎接近音[ɹ]ではなく唇歯接近音[ʋ]を用いることもある(right → "wite"[ʋɒɪt])。
母音と母音の間にrの挿入が行われることがある(father America is→America-ris)。
強勢のない歯茎側面接近音[l]の円唇後舌母音・半母音化(father little[lɪʔʊ]、able[eɪbl] → [aɪbɪ])。"
と書かれています。
音声学の話になって難しいので割愛。
コックニーは発音が違うだけではなく、独特の言い回しがあります。
・am not, are not, is not, have not, has notの短縮形としてain'tを使用
これは結構使われてますね
・myの代わりにmeを使用
・Isn't itの短縮形としてinnnitを使用
・以下のようなスラングを使用
Adam and Eve ⇒意味 信じること(believe)
Bacon and Eggs ⇒意味 足 (leg)
Butchers ⇒ 意味 見ること (look) etc.
容認発音 (Received Pronunciation)
容認発音は伝統的な標準発音
BBCアナウンサーの発音でもあり、王族も使用。
Queen's Englishという別名も。
外国人学習者が習うのはこの発音。
ただこの発音の話者はイギリスでも少なくなっています。
英語の音声学を習う人なら、この発音について詳しく習うと思います。
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