2015年05月04日
発電コスト:原発「最も安価な電源」 経産省の試算
GW突入直前に発表されましたネ(ブログ記事タイトルのニュースはこちら→2015/4/27毎日新聞ニュース)。
さて注目の原発の発電コストはというと、10.1円/kWh〜ということです。
ちなみに事故前は5.3円/kWh。
2011年末修正時は68%上昇して、8.9円/kWh〜。
今回はさらに13%(事故前からは91%)上昇して、10.1円/kwh〜ということのようです。
おしりに付いてる「〜」がボッタクリバーの非明朗会計っぽくて少しウザいですが、まァ一応数字として提示されてきましたので有権者の責務として、この評価についての妥当性を検討しなければなりません。
上記ニュースは各社一斉に報道していますから皆さんも目にしておられると思いますが、各社報道のニュアンスが微妙に違うので、発表元の経済産業省資源エネルギー庁の資料掲載ページのリンクを貼っておきましょう。
→資源エネルギー庁基本政策分科会の該当ページ
(このページの「資料1、長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告案」ってところをクリックすれば閲覧できます。)
↑上記、報告中の各電源属性ごとの1kW時あたり発電コスト比較のページがこれです。⇓ ⇓ ⇓
グラフ中の政策経費っていうはこの報告書によれば「国内の発電活動を維持する上で必要となる費用」と「エネルギーセキュリティーを目的とする費用」とのことであります。簡単にいうとその電源を維持するために不可避的に発生する税金負担分の費用ですね。自然エネルギー買取制度に使われる税金もIRR相当分っていう項目で算入されています。やっと当たり前のコスト試算に近づいた感じですね。
ところで、グラフ眺めると地熱がやたら高い感じしますネ。それに、ガスコージェネと石油コージェネも熱価値控除の矢印が分かりにくいんですが…。っていうか、コージェネなんで熱価値控除した分で比べないとコージェネの意味が無いような気もするんですが…。
と、少し文句をつけたところで、そういえば去年ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(以下BNEF)の試算結果(参考までに→共同通信のニュース)とかなり違うような気がしたので総自研的評価妥当性分析をば…。
↑上記の共同通信ニュース中に掲載されているBNEFのデータをグラフ化して該当する今回の経産省データと比べてみました(BNEF他電源のデータも調べたんですが投資家向け情報サービスとのことでもしかしたら有料なのか見つけられませんでしたので、今回はニュース発表のデータだけでつくりました。また、小規模水力と大規模水力の区分けも不明なのでこのデータは除外しております)。
さて、管理人の感覚通りBNEFの試算と経産省のコスト試算は逆相関グラフと見間違うほど逆転した結果となっております。あまりに乖離しているので乖離率も折れ線でいれました。今回の経産省の試算は、原発についてはBNEFの60%程度とひじょうに安く、地熱は逆に2.5倍と恐ろしいまでに高額に見積もられております。
家のリフォームを計画する時、3社に見積もらせて妥当価格を判断するのが基本っていうのをどっかで聞いた記憶があります。そして、妥当な市場価格のイメージを掴んだらあまりに安いところは手抜きの恐れがあるし、逆にあまりに高ければボッタくり業者の可能性があるというような話だったと思います。
それじゃ、もう一個見積もりしてもらうことにしますか。
グラフ中薄緑の棒グラフは電力会社が原発設置許可申請時に経産省電源開発調整審議会に提出した資料のデータです。ソースは時事ドットコムの記事を元に、主要な原発の1kWhあたりの単価を並べてみました。一番右端の濃い緑色の棒グラフがこれら各原発コストの平均値です(参考→時事ドットコムの新潮社ニュースマガジン)この記事にもありますように、全原発のデータではなく一部のサンプルであることはお断りしておきますが、それでも傾向は掴めると思います。3社見積もりを眺めるとBNEFがボッタくり業者でもないように見えます(ついでにお断りしておきますと、BNEFのプレスリリースによると、この原発コストは建設予定の英国Hinkley Point C原発の試算で既存の原子力ではないとのことです。新設の原発の見積もりなので福島の事故を機に安全対策費用を従来より大きく試算しているとのことです。ただし、これには経産省の試算のように事故処理費用は含まれていません)。
原発コストの比較をしましたが、経産省の試算では地熱がなんでBNEFの2.5倍になってしまうのか、ちょっと内訳を覘いてみましょう。
↑経産省の発表資料からですが、んー、初期投資が高いのは解るんですが、ランニングコストが安いのが地熱の特徴なのにグラフからはそれが感じられません、なんでだろう。燃料費が0で、無人運転が可能な電源なのに…。
ちなみに、原発の内訳はこれです。⇓ ⇓ ⇓
先ほど述べいた10.1円〜の「〜」の部分をグラデーションを使って表現してますネ。でも損害費用は増える可能性があり今回「下限」を提示したっていうのであれば、グラフの先っぽのグラデーションの消え方が早すぎるような気がしますが…。ただし今後、定価安全対策全体の効果が明らかになれば低減する可能性あり、っていうことで差し引きしたんでしょうが、それにしてもグラフのグラデーションの入れ方が薄すぎる気がします(←ここひつこい目、一応webデザインやってるんで…)。
グラデーションが気に食わないので管理人自作グラフで原発と地熱の内訳を並べてみました。⇓
んー、地熱のランニングコストが高い。地熱のコストがBNEFの2.5倍。解せないのでまた今度分析してみましょう。今日んとこはボチボチ疲れてきましたんでデータ比較しただけで今回は一旦終了しておきましょう。
後世から墓に唾吐かれるのだけは勘弁なので自分なりに消化しようとはしますが専門家ではないんでこういう分析って結構疲れますね。
面戸臭がり屋の人なら、「3社見積もり出したけど1社安すぎてここは信用ならん。だいいち、ついこないだまでBNEFの7割引きでやるとかいってた業者だ。ここはパスろう。」となりそうなところですが、エネルギーミックス議論の重要な前提になるので面倒くさいですがしっかり調べるようにしましょう。
さて注目の原発の発電コストはというと、10.1円/kWh〜ということです。
ちなみに事故前は5.3円/kWh。
2011年末修正時は68%上昇して、8.9円/kWh〜。
今回はさらに13%(事故前からは91%)上昇して、10.1円/kwh〜ということのようです。
おしりに付いてる「〜」がボッタクリバーの非明朗会計っぽくて少しウザいですが、まァ一応数字として提示されてきましたので有権者の責務として、この評価についての妥当性を検討しなければなりません。
上記ニュースは各社一斉に報道していますから皆さんも目にしておられると思いますが、各社報道のニュアンスが微妙に違うので、発表元の経済産業省資源エネルギー庁の資料掲載ページのリンクを貼っておきましょう。
→資源エネルギー庁基本政策分科会の該当ページ
(このページの「資料1、長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告案」ってところをクリックすれば閲覧できます。)
↑上記、報告中の各電源属性ごとの1kW時あたり発電コスト比較のページがこれです。⇓ ⇓ ⇓
グラフ中の政策経費っていうはこの報告書によれば「国内の発電活動を維持する上で必要となる費用」と「エネルギーセキュリティーを目的とする費用」とのことであります。簡単にいうとその電源を維持するために不可避的に発生する税金負担分の費用ですね。自然エネルギー買取制度に使われる税金もIRR相当分っていう項目で算入されています。やっと当たり前のコスト試算に近づいた感じですね。
ところで、グラフ眺めると地熱がやたら高い感じしますネ。それに、ガスコージェネと石油コージェネも熱価値控除の矢印が分かりにくいんですが…。っていうか、コージェネなんで熱価値控除した分で比べないとコージェネの意味が無いような気もするんですが…。
と、少し文句をつけたところで、そういえば去年ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(以下BNEF)の試算結果(参考までに→共同通信のニュース)とかなり違うような気がしたので総自研的評価妥当性分析をば…。
↑上記の共同通信ニュース中に掲載されているBNEFのデータをグラフ化して該当する今回の経産省データと比べてみました(BNEF他電源のデータも調べたんですが投資家向け情報サービスとのことでもしかしたら有料なのか見つけられませんでしたので、今回はニュース発表のデータだけでつくりました。また、小規模水力と大規模水力の区分けも不明なのでこのデータは除外しております)。
さて、管理人の感覚通りBNEFの試算と経産省のコスト試算は逆相関グラフと見間違うほど逆転した結果となっております。あまりに乖離しているので乖離率も折れ線でいれました。今回の経産省の試算は、原発についてはBNEFの60%程度とひじょうに安く、地熱は逆に2.5倍と恐ろしいまでに高額に見積もられております。
家のリフォームを計画する時、3社に見積もらせて妥当価格を判断するのが基本っていうのをどっかで聞いた記憶があります。そして、妥当な市場価格のイメージを掴んだらあまりに安いところは手抜きの恐れがあるし、逆にあまりに高ければボッタくり業者の可能性があるというような話だったと思います。
それじゃ、もう一個見積もりしてもらうことにしますか。
グラフ中薄緑の棒グラフは電力会社が原発設置許可申請時に経産省電源開発調整審議会に提出した資料のデータです。ソースは時事ドットコムの記事を元に、主要な原発の1kWhあたりの単価を並べてみました。一番右端の濃い緑色の棒グラフがこれら各原発コストの平均値です(参考→時事ドットコムの新潮社ニュースマガジン)この記事にもありますように、全原発のデータではなく一部のサンプルであることはお断りしておきますが、それでも傾向は掴めると思います。3社見積もりを眺めるとBNEFがボッタくり業者でもないように見えます(ついでにお断りしておきますと、BNEFのプレスリリースによると、この原発コストは建設予定の英国Hinkley Point C原発の試算で既存の原子力ではないとのことです。新設の原発の見積もりなので福島の事故を機に安全対策費用を従来より大きく試算しているとのことです。ただし、これには経産省の試算のように事故処理費用は含まれていません)。
原発コストの比較をしましたが、経産省の試算では地熱がなんでBNEFの2.5倍になってしまうのか、ちょっと内訳を覘いてみましょう。
↑経産省の発表資料からですが、んー、初期投資が高いのは解るんですが、ランニングコストが安いのが地熱の特徴なのにグラフからはそれが感じられません、なんでだろう。燃料費が0で、無人運転が可能な電源なのに…。
ちなみに、原発の内訳はこれです。⇓ ⇓ ⇓
先ほど述べいた10.1円〜の「〜」の部分をグラデーションを使って表現してますネ。でも損害費用は増える可能性があり今回「下限」を提示したっていうのであれば、グラフの先っぽのグラデーションの消え方が早すぎるような気がしますが…。ただし今後、定価安全対策全体の効果が明らかになれば低減する可能性あり、っていうことで差し引きしたんでしょうが、それにしてもグラフのグラデーションの入れ方が薄すぎる気がします(←ここひつこい目、一応webデザインやってるんで…)。
グラデーションが気に食わないので管理人自作グラフで原発と地熱の内訳を並べてみました。⇓
んー、地熱のランニングコストが高い。地熱のコストがBNEFの2.5倍。解せないのでまた今度分析してみましょう。今日んとこはボチボチ疲れてきましたんでデータ比較しただけで今回は一旦終了しておきましょう。
後世から墓に唾吐かれるのだけは勘弁なので自分なりに消化しようとはしますが専門家ではないんでこういう分析って結構疲れますね。
面戸臭がり屋の人なら、「3社見積もり出したけど1社安すぎてここは信用ならん。だいいち、ついこないだまでBNEFの7割引きでやるとかいってた業者だ。ここはパスろう。」となりそうなところですが、エネルギーミックス議論の重要な前提になるので面倒くさいですがしっかり調べるようにしましょう。
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