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2015年05月30日

教習所で出会った女性

19歳、2浪目の夏。夏期講習の帰りに午後から教習所に行くのが日課だった。
いつも1人でいる俺に28歳のちょっとケバい姉さんが話しかけてきて
喫煙所でタバコ吸いながらよく話すようになった。
ノリのいい話しやすいお姉さんで、本来は根暗でキモメンの俺も、明るく普通に話せた。
ある暑い日、教習所近くのマックに2人で飯を食いにく道すがら
映画の話題を話していたと思うが、俺はファーストキスもまだなんですよーって話になった。
お姉さんが暫く沈黙した。ん?と思っているとグイッと腕を引っ張られ
通りかかったマンションの駐輪場の奥へ連れて行かれ、いきなりキスされた。
ディープキスは想像以上のもんだった。こりゃ凄い、もう死んでもいいと思った。
夢中になって頭がおかしくなって10分ぐらい、本当は2分ぐらいなんだろうけど
長い間口を吸いまくっていた。香水の匂いが気持ちいくて、マジな話、チンコ勃った。
「ファーストキスも〜らいw」とお姉さんはいたずらっぽく笑って言った。
その前の日ぐらいに、彼女は風俗嬢であると聞いていたのでやっぱ軽い女なのかな?
とも思ったけどそんなことはどうでもよかった。本気で惚れていた。
お姉さんに惚れて、同時にもしかしたら何かの間違いで童貞捨てれるかも知れないと俺は考えていた。
さすがに俺みたいなブサイクに本気で惚れる女がいるわけないことぐらい承知していたけど。
それから1ヶ月も経たないうちに、親父の経営する工場が倒産、
俺は地元を離れ地方都市で就職することになった。

友達ゼロの俺に見送りなどあるわけないのは解かっていた。
就職は嫌だし社会に出るのが不安でしょうがない。
そんなことを考えながら駅に着いて目を疑った。お姉さんが一人で来てくれていた。
俺は舞い上がってしまい、泣きながら、貴女が好きだ、一緒に来てくださいと言ってしまった。
今思えば無茶苦茶な告白だった。キョドりながら人生初の告白だった。
答えは勿論NO。お姉さんは風俗嬢などではなく、ごく普通の会社員の、ごく普通の人妻であった。
キミが本気になったら勉強できないと思って風俗嬢ってウソついてたんだよ、
ゴメンね、私は行けないけど、応援してるから頑張れ、と
俺を抱きしめながら優しく言ってくれた。
人生最初で最後の幸せの瞬間であった
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