暇つぶしに読める話のまとめ

146:水先案名無い人 02/06 01:02 rDz6mtAI0
俺さ、２年ほど前に仕事がうまくいかずイライラして結構精神的に参っちゃった時期があったんだよね。で、胃潰瘍と軽いうつ状態になって休職。病院で胃潰瘍 は治してもらったけど、なかなか気分がすぐれず毎日毎日自宅でTVボ〜っと見るか、ゲームするか、ネットするかそんな生活だった。
でも自分でもこのままじゃいけないっていう気持ちはあって、とても外出したくなるような気分じゃなかったけど、ちょっと頑張って、近くの公園に行ってみようって思ったんだよ。缶コーヒー１本飲む時間だけでいいから外に出てみようってね。

で、公園のベンチで缶コーヒー飲んでたんだけど、ちょうどそのとき母子がカラーボールで遊んでたんだ。のんびりそれを見ながら色々自分の人生について考え てたら、子供が思いっきりボールを投げちゃって、木の枝にボールを引っ掛けちゃったんだよ。子供は半ベソかきながらお母さんに「取って！取って！」とせが んでた。ボールの高さはちょうど女の人にはジャンプしても届かないくらいの高さでお母さんも何度か挑戦していたんだけど無理だった。

自分でも考える前に行動に移してた。
歩いてその親子に近づいていって、思いっきりジャンプしてそのボールを取った。不自然な笑顔でその子にボールを渡すと、その子は 「スゴーイ！スゴーイ！」と連発してはしゃいでた。ホント普通の男なら誰だって取れるような高さだったんだよ。でもその子はまるでヒーローでも見るかのよ うな目で俺のことを見ていた。

それで吹っ切れたような気がした。
「もいっかい頑張ってみるか」って。