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2019年01月09日

川端康成の「雪国」から見えてくるシナジーのメタファーとは−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ  9

 表1は、駒子が三味線の稽古をしている場面である。駒子と島村は、やり取りをしている間に、お互いに気持ちの整理がついてきた。三曲目にもなれば、いつもの稽古の様子を体が覚えているし、聞き手にもそう聞こえてくる。新曲浦島を引いたところで駒子の目的は達成された。
 データベースのセカンドのカラムの設定は、分析をさらに詳細にする効果がある。例えば、振舞いのカラム(直示と隠喩)の焦点を絞って、特に登場人物の顔の表情というジェスチャーについて調べながら、これが脳の信号の伝わり具合とどのように関連しているのか考えることが作者の執筆脳との関係を解き明かしてくれる。表1のカラムの要素を確認していこう。

花村(2018)「川端康成の『雪国』から見えてくるシナジーのメタファーとは」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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