2019年06月12日
心理学統計の検定を用いて川端康成の「雪国」を考える4
2.3 「雪国」の驚きの度合
「雪国」は、都会の人島村と温泉芸者の駒子や車中で出会った少女葉子とが織りなす雪国での生活ぶりが描かれている。ここでは、この小論の研究テーマ、性別による驚きの度合の違いについて、作成したデータベースを基に考察していく。
解答 性別による驚きの度合
具体度1
三曲目に都鳥を弾きはじめた頃は、その曲の艶な柔らかさのせいもあって、島村はもう鳥肌たつような思いは消え、温かく安らいで、駒子の顔を見つめた。そうするとしみじみ肉体の親しみが感じられた。
驚き度島村1 驚き度駒子0
細く高い鼻は少し寂しいはずだけれども、頬が生き生きと上気しているので、私はここにいますという囁きのように見えた。驚き度島村1 驚き度駒子0
あの美しく血の滑らかな脣は、小さくつぼめた時も、そこに写る光をぬめぬめ動かしているようで、そのくせ唄につれて大きく開いても、また可憐にすぐ縮まるという風に、彼女の体の魅力そっくりであった。
驚き度島村2 驚き度駒子0
粉はなく、都会の水商売で透き通ったところへ、山の色が染めたとでもいう、百合か玉葱みたいな球根を剥いた新しさの皮膚は、首までほんのり血の色が上がっていて、なによりも清潔だった。
驚き度島村2 驚き度駒子0
しゃんと坐り構えているのだが、いつになく娘じみて見えた。最後に、今稽古中のをと言って、譜を見ながら新曲浦島を引いてから、駒子は黙って撥を糸の下に挟むと、身体を崩した。
驚き度島村1 驚き度駒子1
花村嘉英(2019)「心理学統計の検定を用いて川端康成の『雪国』を考える」より
「雪国」は、都会の人島村と温泉芸者の駒子や車中で出会った少女葉子とが織りなす雪国での生活ぶりが描かれている。ここでは、この小論の研究テーマ、性別による驚きの度合の違いについて、作成したデータベースを基に考察していく。
解答 性別による驚きの度合
具体度1
三曲目に都鳥を弾きはじめた頃は、その曲の艶な柔らかさのせいもあって、島村はもう鳥肌たつような思いは消え、温かく安らいで、駒子の顔を見つめた。そうするとしみじみ肉体の親しみが感じられた。
驚き度島村1 驚き度駒子0
細く高い鼻は少し寂しいはずだけれども、頬が生き生きと上気しているので、私はここにいますという囁きのように見えた。驚き度島村1 驚き度駒子0
あの美しく血の滑らかな脣は、小さくつぼめた時も、そこに写る光をぬめぬめ動かしているようで、そのくせ唄につれて大きく開いても、また可憐にすぐ縮まるという風に、彼女の体の魅力そっくりであった。
驚き度島村2 驚き度駒子0
粉はなく、都会の水商売で透き通ったところへ、山の色が染めたとでもいう、百合か玉葱みたいな球根を剥いた新しさの皮膚は、首までほんのり血の色が上がっていて、なによりも清潔だった。
驚き度島村2 驚き度駒子0
しゃんと坐り構えているのだが、いつになく娘じみて見えた。最後に、今稽古中のをと言って、譜を見ながら新曲浦島を引いてから、駒子は黙って撥を糸の下に挟むと、身体を崩した。
驚き度島村1 驚き度駒子1
花村嘉英(2019)「心理学統計の検定を用いて川端康成の『雪国』を考える」より
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