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2024年09月24日

島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の執筆脳について−自然や文化の観察者の立場から8

 大山・中島(2012)によると、日本文化は全般的に人間関係の中での感情的なつながりを重視する。世の中には様々な情報が氾濫しており、目標を定めて情報を取り扱い合理的に判断できれば効果は上がる。こうした判断の土台となる思考が批判的思考である。批判的思考の認知プロセスは、使用判断→批判的思考の適用→表出判断の3項目からなる。

(2)批判的思考の認知プロセス
状況変数(目標、文脈)→1状況解釈→2使用判断(1と2使用判断プロセス)→3批判的思考スキルの探索・選択→4批判的思考スキルと適用(問題の明確化)→5表出判断→6批判的思考行動の構成(5と6表出判断プロセス)→7批判的思考のパフォーマンス(大山・中島2012)

 「千曲川のスケッチ」によると、長野は、学問を尊重する土地柄である。師範学校の応募者数が多く、小学校の教師も報酬が良く、新聞記者による講演会もある。無論、学者も尊重の対象であるため、長野を訪れた名士たちを歓迎する勉強会は多い。

花村嘉英(2020)「島崎藤村の『千曲川のスケッチ』の執筆脳について−自然や文化の観察者の立場から」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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