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2021年05月28日

個人事業主も福利厚生費計上出来る?

「福利厚生」とは、従業員のために

事業主が用意している制度ですね。

給与以外の面で従業員の生活を支えます。

この福利厚生の制度

法人だけでなく個人事業主でも

設けることが可能な場合があります。

また、福利厚生費は必要経費として

計上できるので、その分納める

所得税を少なくすることができます。

★福利厚生費とは

そもそも「福利厚生」とは、従業員を

雇用する上で、給与とは別に従業員や

その家族のために用意するサービス

のようなものです。

福利厚生には、法律で定められたもの

と事業主が独自に用意するものの

2種類があります。

法律で定められたものとしては

雇用保険や労災保険

健康保険や厚生年金保険

といったものがあります。

これらの保険料は事業主と従業員が

それぞれ負担することと法律で

定められています。

このうち事業主負担の部分が

法律で定められた福利厚生

となります。

法律で定められた福利厚生ということで

特にこの金額を

「法定福利費」

と呼びます。

それ以外の事業主が独自に

用意しているものを単に

「福利厚生費」

として区別しています。

一口に福利厚生費といっても

さまざまな種類があります。

例えば、従業員が仕事中に

飲食するために用意した

ドリンク・お菓子の購入費用や

残業時の夜食、出張に行った際

の出張日当といった日々発生

するものです。

それから、従業員が結婚したとき

などの慶弔費や社員旅行費

従業員の歓送迎会

事業主が用意した保養所の利用

といったスポットで発生する

ようなものまであります。

★福利厚生を導入するメリット

福利厚生の制度を導入するメリット

として、従業員が

「自分たちは大切にされている」

と感じることで働く意欲が向上する

ことが考えられます。

従業員から事業主の顔が見えやすい

個人事業主や小規模な企業において

このメリットは大きな効果があります。

そのほか、採用活動をする際に

福利厚生が充実しているということを

打ち出せれば、プラスに働くでしょう。

また人事面のほかにも、福利厚生費

として認められれば事業主にとっては

必要経費として計上できるという

メリットもあります。

さらに、福利厚生の恩恵を受ける

従業員にとっては、所得税が課税されない

という点があります。

例えば慶弔費として従業員がお金を

受け取っても、そのお金には所得税が

課税されないのです。

★事業主本人とその家族に福利厚生費
 は認められない

福利厚生費は、給与以外で従業員の

生活の支えとして事業主が負担する

ものです。例えば、個人事業主が

青色事業専従者などの家族従業員と

旅行に行ったからといって

それは単なる家族旅行であって

経費にはなりません。

福利厚生費は、家族以外の従業員の

ために支出する経費を計上するもの

であり、家族従業員への支出に

ついては認められません。

もちろん、個人事業主1人だけの場合も

福利厚生費というものは成り立ちません。

個人事業主がいずれ法人成りした

場合であっても、社長一人の会社で

あれば福利厚生費を計上できません。
(例外的に旅費日当については
 社長一人の会社でも規定していれば
 認められます。)

それでは、家族経営の個人事業主が

法人成りした場合はどうでしょうか?

この場合でも、個人事業主時代と

同様に、基本的には福利厚生費は

成り立たちません。

「法人格は社長とは別の人格だから
 法人から見れば家族もその他の
 従業員も同じ立場のはず」

という理屈も考えられますが

実態は会社のお金を通して

家計のお金が移転しているだけです。

ただし、もし家族以外にも

従業員(パート、アルバイト含む)が

いて、その人と同じ福利厚生の制度を

適用するというケースであれば

家族従業員への福利厚生にも適用の

余地があります。

★福利厚生費として認められる条件は?

福利厚生費を必要経費として計上する

には以下2つの条件を満たしている

必要があります。

★全従業員に平等に適応されること
★社会通念上妥当と思われる金額の
 範囲内であること

1.全従業員に平等に適用されること

「慶弔費は正社員にしか出さない」
「社員旅行は特定の従業員のみ」

といったようなケースは

福利厚生費と認められません。

特定の従業員にのみ支給する場合は

福利厚生費ではなく給与として

慶弔費や旅費などの費用を計上し

本人に所得税として課税する

必要があります。

話は多少それますが、福利厚生費が

必要経費として認められるか

どうかという税務的な側面のほかに

同一労働同一賃金も考慮する

必要があります。

福利厚生制度も同一労働同一賃金の

対象です。例えば、食事補助などを

正規雇用の従業員のみに支給し

有期契約のアルバイトなどには

支給しない場合、税務だけではなく

同一労働同一賃金の法にも抵触する

可能性があります。

福利厚生制度の対象となる従業員

金額や算定方法について

しっかりと就業規則などで

文書化しておきましょう。

全ての従業員に平等といっても

働き方や役割の違いなど合理的な

理由があれば、金額に差を設ける

ことについては問題ありません。

例えば、慶弔費について

フルタイムは5万円
アルバイトは1万円

といった決め方でも問題ないです。

2.社会通念上妥当と思われる
 金額の範囲内であること

福利厚生費としてあまりに高額すぎる

金額は認められません。

ただし、金額の上限が明示されている

わけではないので、どのくらいの

金額までであれば認められるのか

ということは、はっきりしません。

とはいえ一つ目の要件である

「全従業員に平等に適用されること」

という条件も合わせて考えれば

そこまで過大な金額にはならない

はずです。

設定する金額は、全従業員に適用する

という条件のもとで事業主が支払える

範囲内になります。

その結果設定された金額であれば

それは「社会通念上妥当」と

考えてよいでしょう。

福利厚生費が必要経費として認められる

ためには条件があります。

その条件を満たしていても

福利厚生費に該当するのか

別の勘定科目を使用すべきなのか

迷うこともあるでしょう。

そこで、どのようなケースが

福利厚生費に該当するのかに

ついて、いくつか具体例で確認して

みましょう。

★福利厚生費と交際費や会議費の違い

よく処理に迷うポイントとして

挙げられるのが、福利厚生費と交

際費や会議費の違いです。

福利厚生費とは従業員のための

支出です。同じような支出をした

としても、相手によって処理すべき

勘定科目が変わります。

例えば、同じお店に行ったとしても

従業員の歓送迎会のために支出を

したのであれば福利厚生費になりますし

取引先との食事であれば会議費や

交際費として処理することになります。

同様に慶弔費も、取引先の結婚祝いや

香典であれば交際費として処理します。

★福利厚生費と通勤費

次に通勤費です。通勤費といえば

定期代を支給するケースや1日ごとの

往復交通費を支給するケースがあります。

支給方法も、給与の一部(通勤手当)

として支給する方法と、経費精算で

支給する方法があります。

支給の方法にかかわらず、通勤費は

「旅費交通費」として処理します。

勤務するための支出なので

福利厚生費とは言えません。

★健康診断費用

毎年発生するのが健康診断の費用です。

事業主には、雇用している従業員に

年1回健康診断を受診させる義務が

あります。

その費用も、法律の定めで受けさせる

以上は事業主が負担すべきです。

健康診断は法律で定められている

ものですが、経費で計上する勘定科目

としては、法定福利費ではなく

福利厚生費として計上します。

繰り返すようですが、この場合も

個人事業主本人、家族従業員の

健康診断費用は、福利厚生費には

できません。

あくまで従業員の検診費用のみ

福利厚生費として計上できます。

なお、個人事業主本人の健康診断は

セルフメディケーション税制を

適用する場合に必要な

「疾病予防の取り組み」

要件の一つです。

取り組みを行ったことの証明に

なるので、健康診断を受けた記録は

とっておき、節税の手段として

検討してみてください。

★健康診断の勘定科目と注意点
【経費にできない場合も】

・スポーツクラブの利用料

スポーツクラブについては

従業員全員が利用できる契約形態であり

かつ事業主が契約主体となれば福利厚生

の一環として認められるので

福利厚生費として計上します。

従業員がそれぞれ契約して精算する

形をとると、現物給与として従業員に

対して所得税を課税する必要が出てきます。

また、事業主や家族従業員の利用分

については、従業員分と一緒に契約した

としても経費では計上できないことにも

注意しておきましょう。

なお、スポーツクラブの利用を福利厚生の

一環として計上する場合には

事前にスポーツクラブに契約形態を

確認しておきましょう。

★従業員の慰安旅行

従業員との慰安旅行が福利厚生費として

認められるためには、しっかりとルールが

定められています。

以下の要件をすべて満たす場合であれば

福利厚生費として扱うことができます。

★旅行の期間が4泊5日
(海外旅行の場合は、機内を除く海外での
 滞在日数が4泊5日)以内であること
★従業員全体の50%以上が参加すること
★従業員全員が参加できること

上記の要件を満たして福利厚生費として

扱う場合でも、事業主やその家族の分の

旅費は必要経費として認められません。

★食事代

残業時間中にお弁当やデリバリーの

食事を支給したり、外食費を負担したりする

場合、その全額を福利厚生費として

必要経費にすることができます。

賄いとして食材を購入した場合は

その購入代金が福利厚生費となります。

金額や人数に制限はありません。

なお、いずれの場合も事業主自身や

家族の分は必要経費には入れることが

できません。

福利厚生の制度は、うまく活用することで

従業員の雇用維持につながるという

人事的な面でのメリットがあります。

それだけでなく、税金面でも事業主に

とっても必要経費で計上でき

かつ従業員にとっても所得税が

課税されず、両者にとってメリットの

大きな制度です。

しかし、個人事業主1人だけの場合は

福利厚生費というものは成り立ちません。

個人事業主が法人成りした場合や

家族経営の法人の場合も福利厚生費は

計上できません。

福利厚生費は、家族以外の従業員のために

支出する経費を計上するものであり

家族従業員への支出については認められない

と覚えておきましょう。

また、給与との線引きがルールに

よってしっかりと決められています。

決められたルールをしっかりと守った上で

福利厚生の制度を最大限に活用しましょう。

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★独身(奥様会社員やパート・専従者給与
 130万以上)
 「事業所得250万以上」

*事業所得とは申告書B左中段
 又は損益計算書右下の数字

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思います。お気軽にご相談下さい。

連絡先:t.yokoi@imple.net
担当:横井
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