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2017年01月05日

衝動篇〈いばら姫〉三章

一節

道端で、すやすや眠るいばら姫。
そこに赤ずきんが通りがかった。

すやすや、すやすや。
求める眠りに包まれて、
幸せそうないばら姫。

それを見ていた赤ずきん。
にっこり
笑みを浮かべると、

さも当然というように
いばら姫に
殴りかかった


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posted by 白の書 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇

衝動篇〈いばら姫〉二章

一節

とってもとっても眠いのに
いばら姫眠れない
お話の中では100年も、
惰眠を貪る事ができたのに。

もう嫌!
眠るの!眠らせて!

けれど押し寄せるナイトメア。
姫の願いは叶いません。

ああいやだ。
どうして眠らせてくれないの?

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posted by 白の書 at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇

衝動篇〈いばら姫〉一章

一節

ふわあ、と小さな欠伸を1つ。
眠たげな瞳を開いて、
いばら姫は考える。

……眠い
ベッドから出たくない。
ずっとずっと微睡んでいたい。
目覚まし王子は
邪魔なだけ。

――そうだ。
それなら作者にお願いして
ずうっと寝ていられる
世界にしようっと!

その望みに必要な代償
他人の命だとしても。

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posted by 白の書 at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇

2017年01月04日

衝動篇〈グレーテル〉四章

一節

あなたは兄様?
いいえ、違います。
あら、そうですか。死んでください。

あなたは兄様?
はい、そうです。
はやめて。死んでください。

少女は最早、彷徨う凶器
現実逃避の、悲しい狂気

苦しくつらいの中。
ここから連れ出してくれるのは――

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posted by 白の書 at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇

衝動篇〈グレーテル〉三章

一節

ふらふら歩く、の森。
ガサゴソ聴こえる茂みの音。

ねえ、兄様。怖いです。
私に何かお話をして?
……ふふふ、そんなの嘘でしょう?
兄様ったら冗談ばかり。

幸せそうな笑みを浮かべて、
少女は1人でお喋りをする。
闇に覆われたのはの方?
それとも、少女の心
でしょうか?

それは本人さえも、わからない。
暗く深い迷いの森。

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衝動篇〈グレーテル〉二章

一節

ある日、卑劣
妄執が出会った。

いつもの通り、シンデレラは
言葉の刃を投げかける。
いつもの通り、少女は
鳥籠の中の首に話しかける。

一方的な言葉
噛み合わない会話

相手を傷つけて楽しむ、
卑劣を謡う灰かぶり。
けれど彼女は、
珍しくを顰めた。

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衝動篇〈グレーテル〉一章

一節

少女は呟く。
ここはどこ?

ああ――私は私。
愛しい兄様、御機嫌よう。

あら?なぜ武器を持たせるの?
これで殺すの?
誰を?どうして?
作者を復活に必要だからと
言われても、私には何もわかりません。

でも、兄様がそう言うのなら殺します。
絞った贄の甘い血
とろけるお菓子を作りましょう。

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2017年01月03日

衝動篇〈シンデレラ〉四章

一節

純白の正義
黒灰の卑劣
あまりにも相性は最悪で、
笑えるほどに正反対。
スノウの瞳は嫌悪を浮かべ、
シンデレラの口元は
嘲りに染まる。

許せない。殺したい。
ぐちゃぐちゃにしたい。正したい。

作者の復活のために
その欲望を真綿で包み、
二人は視線を交わし合った。

それは決して理解し合う
ことのない嫌悪の同盟

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posted by 白の書 at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇

衝動篇〈シンデレラ〉三章

一節

12時の鐘に
怯える自分はもういない。
魔法をかけた魔女
かぼちゃの馬車も必要ない。

彼女はそれだけの強さを手に入れた。
ああ、それなのに。

この忌々しいガラスのだけ
捨てられないのは何故だろう?

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衝動篇〈シンデレラ〉二章

一節

ある日、卑劣
妄執が出会った。

いつもの通り、シンデレラは
言葉の刃を投げかける。
いつもの通り、少女は
鳥籠の中の首に話しかける。

一方的な言葉
噛み合わない会話

相手を傷つけて楽しむ、
卑劣を謡う灰かぶり。
けれど彼女は、
珍しくを顰めた。

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