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2017年01月08日

衝動篇〈ピノキオ〉二章

一節

空を見つめるかぐや姫の前に
素敵な若者が現れました。

私を虐めて
みてくださいな?
と願うかぐや姫に、
ピノキオは顔を赤らめてうろたえます。

僕は作者を復活させようかと。
まあまあ、実は私もそうなのです。

目的の一致を見た2人は、
とりあえず、
一緒に行動する事にしました。


虐めを願う月の姫と、
誰かに頼りたがる元人形。
互いに互いを遠慮して
何にもことは進まない。


Normal

  • 【 かぐや姫 】かぐやと申します。お願いしますわね。
  • 【 ピノキオ 】あ……僕はピノキオ、です。
  • 【 かぐや姫 】あの、まずはどこに行きましょう?
  • 【 ピノキオ 】ええと、かぐやさんに決めていただければ。
  • 【 かぐや姫 】私は命令される方が好きなのですが……
  • 【 ピノキオ 】僕は誰かに決めて貰う方が楽なんですが……

Hard

  • 【 ギシン 】被虐のかぐや姫と依存のピノキオ。
  • 【 アンキ 】コイツらの会話は苛々しますデス。
  • 【 ギシン 】ピノキオがかぐや姫ヲ虐めるとは思えナイ
  • 【 アンキ 】かぐや姫がピノキオヲ導くとは思えナイ。
  • 【 ギシン 】さてハテ、二人の行きつく先ハ?

二節

ピノキオという殿方は
とても見目は良いけれど、
何だかとても頼りない……

三節

かぐやさんは
とても美しい人だけれど、
引っ込み思案で困ります。

四節

私は命令されたいのです。
その為に、強い人を求めているのです。

五節

僕は、誰かに決めて貰いたいんです。
その為に、強い人を求めているのです。

六節

ピノキオさんは強いけれど、
私が求めるご主人様には程遠い。

七節

かぐやさんは強いけれど、
私が求める対象には程遠い。

八節

ピノキオさんと私は桶。
水を入れられるのを待つだけの桶。

九節

かぐやさんと僕は皿。
料理を盛られるのを待つだけの皿。

十節:前半

ピノキオさんが
決めてください。
いいえ、かぐやさんが。
ここはどうしましょう?
あっちはどうしよう?

被虐の姫と、依存の人形。
お互い意見を言わないのだから、
足が進むはずなどありません。

だから、ほら。
強そうなナイトメアが現れても、
二人は譲り合ったままで動きません。

早く誰かが決めないと
殺されてしまう
というのに。


どうぞ、どうぞと譲り合う。
そんな間抜けな事をしていると、
背後の敵に食べられちゃう。


Normal

  • 【 ピノキオ 】た、戦いますか?かぐやさん。
  • 【 かぐや姫 】戦った方がよろしいのなら、戦います。
  • 【 ピノキオ 】僕は、かぐやさんが戦うなら……
  • 【 かぐや姫 】私は、ピノキオさんが決めるのなら……
  • 【 ギシン 】じめじめグチグチ、アーッ、ウザい!
  • 【 アンキ 】2人でサッサと戦えバーカッ!

Hard

  • 【 ギシン 】二人を見てるトいらいらイライラ。
  • 【 アンキ 】正義のスノウでも投入シチャウ?
  • 【 ギシン 】スノウの胃ニ穴が開くので止めマショウ。
  • 【 アンキ 】じゃあ赤ずきん?
  • 【 ギシン 】私達の胃ニ穴が空くので止めマショウ。
  • 【 アンキ 】ハぁァ、みんな揃って問題児!

十節:後半

かぐや姫とピノキオは
力を合わせて強い敵を倒しました。

けれども2人は視線を外し、
よそよそしく離れます。

被虐依存
受身の2人。
一緒にいても全く無意味
きっと最初から気付いていたのでしょう?

ご武運を。
幸運を。
2人は短く会話を交わし、
互いの求めるモノを探しに行きました。


被虐と依存は相性最悪。
だってどちらも相手を待っている。
それなら、ここで別れましょう。

posted by 白の書 at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 衝動篇
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