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2024年09月12日

1181番:ピエールとジャン(3)


ピエールとジャン(3)
PIERRE ET JEAN


−−−−−−−−−−【3】−−−−−−−−−−−−

−−Eh bien !... eh bien !... Gérôme !
Le bonhomme furieux répondit:
  −−Ça ne mord plus du tout.
Depuis midi je n'ai rien pris. On ne
devrait jamais pêcher qu'entre hommes;
les femmes vous font embarquer toujours
trop tard .


−−−−−−−−−−⦅訳⦆−−−−−−−−−−−−

 「何?どうしたの、ジェローム.」
 激怒した男は答えた:
 「もうさっぱり食いつかないんだ.正午以来
何も釣れやしない.男同士以外で釣りに来ちゃい
けないってことよ.女連中はいつでも乗船を長々
と遅らせてくれるからね.」 


−−−−−−−−−〘語句〙−−−−−−−−−−−−

eh bien:なんだって?
Gérôme:(人名) ジェローム
bonhomme:(m) ❶人、男、やつ;❷坊や、❸亭主、
furieux, se:(形) 激怒した、怒り狂った、激昂した、 
répondit:(直単過/3単) < répondre (他)
répondre:(自/他) (à に)答える
ça mord. 食いつく、齧りつく:<mordre (自/他)
mordre:(自/他) 噛む;ここでは(自)
   (魚が)(餌に)食いつく;
   Un poisson a mordu à l'appât. /
魚が餌に食いついた.
ne...jamais:決して…でない
ne...que:…しかない、…だけである
ne ... jamais pêcher qu'entre hommes:
   男同士でしか決して釣りをしない
ne devrait jamais pêcher qu'entre hommes:
   男同士でしか決して釣りをすべきでは
   なかった.
les femmes vous font embarquer toujours trop tard.
女連中がいつもみんなの乗船を遅らせる. .
* vous:ここでは「あなた」ではなく一般論で
   「人」を指す.「人」「みんな」「我々」


−−−−−−−−−≪文法≫−−−−−−−−−−−−−−

mordre:(噛む) 曲用
❶直説法現在
mords−−−mordons
mords−−−mordez
mord −−−mordent

❷直説法半過去
mordais−−−mordions
mordais−−−mordiez
mordait −−−mordaient

1180番:「湖畔」(48)(シュトルム作)


湖畔(48)
IMMENSEE(48)


−−−−−−−−−−【48】−−−−−−−−−−−−−−−

Es war im Juni; Reinhard sollte am
andern Tage reisen. Nun wollte man noch
einmal einen festlichen Tag zusammen begehen.
Dazu wurde eine Landpartie nach einer der
nahe belegenen Holzungen in größerer Gesell-
schaft veranstaltet.


−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−

6月でした.ラインハルトは翌日旅立つことにな
りました.さてそこで、みんなはもう一度行楽の日
を共にしようと思った.そのために、かなりの人数
で近隣の森にハイキングに出かけることになりまし
た.


−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−

am andern Tage:翌日に、次の日に;
   ander には「次の」「第二の」という意味も
   あります.
nun:(副) 辞書では「今」「今や」、などですが、
   物語では「さて、そうなると」などの意味
   にしばしば拡張されます.翻訳機が越えら
   れない壁ですね.
festlichen:(en = 弱男4格語尾) < festlich
festlich:(形) 華やいだ、祝祭の、にぎやかな、
   テキストでは「行楽の」となっています.
begehen:(他) (記念日などを)祝う、(祝典を)催す
テキストでは「行楽の日を」を受け持つ動詞
   となっているので意味は弱く「する」
dazu:(副) そのために
die Landpartie:(-/-n) (田舎への)遠足、ピクニック、
  テキスト訳は「ハイキング」です.ピクニック
  とハイキングがどう違うのか私にはわかりません
  ので、テキストに合わせておきます.
nach einer der nahe belegenen Holzungen:わかりにくい
  のでまず...einer をはずしましょう.
nach der nahe belegenen Holzungen:近くにある森に
  森は1つだけではないので、その1つein を
  つけますが、nach は3支配、einer とします.
  そのあとは2格で連結されるので先ほどの
der nahe belegenen Holzungen は複数2格、
  これでnach einer der nahe belegenen Holzungen
  は、「近隣にある森のひとつに(遠足に行った)」
  となります.実は2格でも3格でもいいと思いま
  す.その場合は並列で読みます.
  nach einer Holzungen / ある近くの森へ
  nach der nahe belegenen Holzungen近くにある森に
  をまとめて言ったものと解釈します.
  ドイツ語は冠詞と名詞との間がかなり自由なので
  いろいろ放り込めます.倉庫みたいです.
belegen:(形) ある、存在する
die Holzung:(-/-en) <まれ> 森
in größerer Gesellschaft:かなりの人数で
die Gesellschaft:(-/-en) 一行、仲間、一座の人々
veranstaltet:(過去形) < veran/stalten (他)
   催す、実施する、とりおこなう、おこなう


1179番:ロンドリ姉妹(43)


ロンドリ姉妹(43)


−−−−−−−【43】−−−−−−−−−−−−−−−

Comme le train s'arrêtait encore, un employé
se mit à courir le long du convoi en lan-
çant un Valence sonore, un vrai Valence
avec l'accent, avec tout l'accent, un Valence
enfin qui nous fit passer de nouveau dans le
corps ce goût de Provence que nous avait
déjà donné la note grinçante des cigales.


−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 列車が再び停車しかけた.駅員が、声を上げながら
列車の外を走り始めた.響き渡る「ヴァラーンス」
という音声だった.アクセントも本当の南仏のアクセ
ントだった.ヴァラーンス、この地方なまりを聞いて
またもやプロヴァンスの趣きが体内に送り込まれるの
だった.その趣きについてはすでにさきほど蝉の音で
聞いていたのだが.


−−−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−−

convoi:[コンヴォワ](m) 列車
en lançant:(ジェロンディフ) < lancer (他)
❶投げる、❷(音、光などを)発する、
   ❸(声を)上げる
Valence:[ヴァランス](固有) ヴァランス(南仏)
sonore:(形) よく響く、
accent:[アクサン](m) (国や土地の)なまり
fit passer:(直単過/3単) < faire passser
   通過させる
de nouveau:またもや
corps:[コール](m) からだ、身体、
dans le corps:
goût:(m) 味、風味、味覚、趣味、センス
note:(f) 音符、音、調べ
grinçant, e:(形) こすれていやな音をたてる、軋む
   < grincer (自) (こすれて)いやな音を立てる;
   La porte grince. / ドアがきしむ.
cigale:(f) 蝉


1178番:イヴェット(3)


『イヴェット』(3)
Yvette



−−−−−−【3】−−−−−−−−−−−−−−−−

Une cohue agitée grouillait sur le bou-
levard, cette foule des nuits d'été qui
remue, boit, murmure et coule comme un
fleuve, pleine de bien-être et de joie.


−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−

 大通りは落ち着きのない人混みがうごめいて
いた.夏の夜の群衆だ.彼らは揺れ動き、酒を
飲んでできあがり、ぶつぶつつぶやき、川が流
れる如く、満足と喜びに溢れ、通り過ぎていく.


−−−−−−⦅語句⦆−−−−−−−−−−−−−−−

cohue:[コユ](f) 雑踏、混雑
agité, e:(形) 動揺した、不安な、興奮した、
grouillait:[グルイエ](直半過/3単) < grouiller
grouiller:(自) ❶うごめく、うようよする、群がる;
   La foule grouille sur la place. /
広場には群衆がひしめいている.
   ❷[de で]一杯である、
   La plage grouille de baigneurs. /
浜辺は海水浴の客で一杯だ.
   ❸急ぐ
boulevard:(m) 並木のある大通り
foule:[フール](f) 群衆、人混み、雑踏
remue:(直現/3単) < remuer (自) 動く、
   動き回る、ゆれる
boit:(直現/3単) < boire (自) 飲む
murmure:(直現/3単) < murmurer (他) ささやく
murmurer:(自) つぶやく、不平を言う
coule:(直現/3単) < couler (自) 流れる
fleuve:(m) 河、(大きな)川
pleine de:〜で一杯の
bien-être:(m) 満足、満足感、幸福、幸福感
joie:(f) 喜び、

1177番:ペルル嬢(10)


ペルル嬢(10)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


−−−−−−−−−【10】−−−−−−−−−−−−−−−−−−

Ainsi mise en garde contre la famine, Mᵐᵉ Chantal
passe l' inspection des restes, en prenant des notes
sur un calepin.

.
−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−

こうして食糧危機に対する警告を受けると、シャンタル
夫人は残りの食糧の視察に回って、手帳にメモを取るの
である.



−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−

famine:(f) 飢饉、飢え
mise en garde:警告、警戒令
se mettre en garde contre ~ :〜に対して用心する
calepin:[カルパン](m) 手帳、メモ帳

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