ペルル嬢(103)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant
−−−−−−−−−−【103】−−−−−−−−−−−−−−−−
Mon père reprit, pensant tout haut:
≪ Quelque enfant d'amour dont la pauvre
mère est venue sonner à ma porte en cette
nuit de l'Épiphanie, en souvenir de l'Enfant-
Dieu. ≫
−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−
父は考えていることを口に出してさらに言いました.
「きっと不倫か何かの子だろう.だからこの子の母
親が公現祭の夜だというもんだから、神の子イエスに
あやかって、わが家の門の鐘を鳴らしに来たんだろう.」
−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−
tout haut:声に出して、口に出して、はっきりと、
率直に; dire tout haut ce que les autres pensent
tout bas / 他人が密かに考えていることを
はっきり口に出して言う.
enfant d'amour:辞書不掲載語
enfant de l'amour:私生児;
再度 enfant d'amour:(推定)ててなしご;
情事の果ての子、男が逃げていった女の子供、
シングルマザーの子
Épiphanie:(f) 公現祭、主の公現
en souvenir de ~:〜の思い出に、〜の記念に
−−−−−−−−−−−≪解釈≫−−−−−−−−−−−−−−−−
en souvenir de l'Enfant-Dieu:「神の子の思い出に」 では
変です.ここは辞書以外の意味が発生していると
思います.「神の子にあやかって」としてみまし
た.時として辞書がカバーしきれない訳語が必要
になることもあるでしょうね.サードもショート
も取れない三遊間の球があるように.
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