アルルの女(26)
L'ARLÉSIENNE
−−−−−−−−−−−【26】−−−−−−−−−−−−−−−
Vint* la fête de saint Éloi, * patron des ménagers.
Grande joie au mas...Il y eut du châteauneuf* pour
tout le monde et du vin cuit* comme s'il en pleuvait.
Puis des pétards, des feux sur l'aire, des lanternes de couleur
plein les micocoulier ...Vive saint Éloi ! On farandola
à mort. Cadet brûla sa blouse neuve ...
...
−−−−−−−−−−−(訳)−−−−−−−−−−−−−−−−−
地主たちの守護神、聖エロワ祭がやってきました。
このエステーヴ農家でも喜びで賑わいました。 シャトー
ヌフがみんなに振舞われ、葡萄シロップも湯水の如く出されま
した。それから爆竹が鳴らされ、麦打ち場には焚火が燃やされ、
榎には色提灯がいっぱいに吊るされました...
「聖エロワ万歳!」 みんなはくたくたになるまで、ファラン
ドールを踊りました。 ジャンの弟などは真っ新のシャツまで
焦がす始末でした。
−−−−−−−−−−−《語句》−−−−−−−−−−−−−−−−−
ménagers: (pl) < ménager,ère 企業の管理者、
(古風)財産管理者
ここでは「地主」の意味(第三書房版解説欄)
※ 仏和辞典では扱われていない単語です。ネット検索では
財産、所有地等の管理農家ということですが、南仏方言を
調べることはできませんでした。
vint:(単純過去3単) <venir 来る
(主語が長いので倒置されています)
* du châteauneuf: アルルに近い Châteauneuf de Pape 地方に
産する葡萄酒
du vin cuit: ブドウのしぼり汁を煮詰めて加工した飲み物、
「葡萄シロップ」
pétards:(pl) <pétard (m) 爆竹
aire:(f) 区域、場所 (古風表現)麦打ち場
−−−−−−−−−《テキスト註釈》−−−−−−−−−−−−−−−−
Vint la fête de saint Éloi:「聖エロワの祭りの日がやって来た」.
文章語では、venir、arriver、entrer、rester などの動作を表す動詞
は倒置を行うことが多く、これらの動詞は voici、 voilà に近い意味
をもつ.
saint Éloi:Noyon-Tournai の司教 (641-660).金銀細工商
の出.金銀細工師と鍛冶屋の守護聖人.祝日は 12 月1日.
du châteauneuf: 有名なぶどう栽培地 Châteauneuf-du-Pape
産のぶどう酒.
comme s'il en pleuvait: 「大量に」(俗語的成句)=beaucoup.
cf.Il ramasse comme s'il pleuvait.
彼は多額のお金をため込んでいる」.
plein: 「〜のいたるところに、一杯に」.前置詞.
cf.Il y a des clients plein la boutique.
「店一杯に客が来ている」.
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