チュンダ* 八 三 鍛冶 工* の 子 チュンダ が いっ た、「 偉大 な 智慧 ある 聖者・目ざめ た 人・真理 の 主・妄執* を 離れ た 人・人類 の 最上 者*・優れ た 御者 に、 わたくし は お たずね し ます。 世間 には どれ だけの 修行者 が い ます か?
どうぞ お 説き ください。」
八 四 師( ブッダ) は 答え た、「 チュンダ よ。 四種 の 修行者* が あり、 第 五 の 者 は あり ませ ん。 面 と 向っ て 問わ れ た* の だ から、 それら を あなた に 明かし ましょ う。〈 道 による 勝者*〉 と〈 道 を 説く者*〉 と〈 道 において 生活 する 者*〉 と 及び〈 道 を 汚す 者*〉 と です。」
八 五 鍛冶 工 チュンダ は いっ た、「 目ざめ た 人々 は 誰 を〈 道 による 勝者*〉 と 呼ば れる の です か? また〈 道 を 習い 覚える 人*〉 は どうして 無比 なの です か? また お たずね し ます が、〈 道 によって 生きる〉 という こと を 説い て ください。 また〈 道 を 汚す 者〉 を わたくし に 説き明かし て ください。」
八 六 「 疑い を 超え、 苦悩 を 離れ、 安らぎ( ニルヴァーナ*) を 楽しみ、 貪る 執念 を もた ず*、 神 々 と 世間 とを 導く 人、 その よう な 人* を〈 道 による 勝者〉 で ある と 目ざめ た 人々 は 説く。
八 七 この世 で 最高 の もの を 最高 の もの で ある と 知り、 ここ で 法 を 説き 判別 する 人、 疑い を 絶ち 欲念 に 動かさ れ ない* 聖者 を、 修行者 たち の うち で 第二 の〈 道 を 説く 者〉 と 呼ぶ。
八八 みごと に 説か れ た〈 理法 に かなっ た ことば*〉 で ある〈 道〉 に 生き、 みずから 制し、 落ち着い て 気 を つけ て い て、 とがの ない ことば を 奉じ て いる 人 を、 修行者 たち の うち で 第三 の〈 道 によって 生きる 者〉 と 呼ぶ。 八 九 善く 誓 戒 を 守っ て いる ふり を し て*、 ずうずうしく て、 家門 を 汚し、 傲慢 で、 いつわり を たくらみ、 自制心 なく、 おしゃべり で、 しかも、 まじめ そう に ふるまう 者、 かれ は〈 道 を 汚す者〉 で ある。 九 〇 (かれ ら の 特徴 を) 聞い て*、 明らか に 見抜い て 知っ た* 在家 の 立派 な 信徒* は、『 かれ ら( 四種 の 修行者) は すべて この とおり で ある』 と 知っ て、 かれ ら を 洞察 し、 この よう に 見 ても、 その 信徒 の 信仰 は なくなら ない*。 かれ は どうして、 汚れ た 者 と 汚れ て い ない 者 と、 清らか な 者 と 清らか で ない 者 とを 同一視 し て よい で あろ う か。」
中村 元. ブッダのことば−スッタニパータ (岩波文庫)
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