近頃、コラーゲン配合の化粧品や健康食品が人気を呼んでいます。コラーゲンは世界的にかなり古くから研究がつづけられているものの、一般的には20年程前までは、あまり知られていない存在でしたが、その多面的な優れた働きが解明されるにつれて食品から医療用材料までさまざまな分野から注目を集めています。そこで今回は多方面から注目を集めるコラーゲンについて特集を組みました。
コラーゲンの主な働き(1)体のありとあらゆる箇所に存在し、細胞と細胞をつなげる接着剤として働く
(2)皮膚や臓器、骨などをつくる構造タンパクとなる
(3)細胞ヘ栄養や酸素を搬入し、細胞から老廃物や二酸化炭素を排出する経路となる
(4)水分やカルシウムなどを皮膚や骨の組織に定着させる
コラーゲンをたっぷり含む料理●鳥の手羽肉スープ
●カレイの煮つけ
●スジ肉の煮込み
●鳥や魚の煮こごり
●フカヒレスープ
●スッポン料理
●カレイの煮つけ
●スジ肉の煮込み
●鳥や魚の煮こごり
●フカヒレスープ
●スッポン料理
繊維状のタンパク質・コラーゲン
細胞の接着剤
コラーゲンとは、人間はもちろんのこと、あらゆる動物の体内に存在するタンパク質の一種。人間の場合、全体重のおよそ20%がタンパク質と考えられ、そのタンパク質の1/3をコラーゲンが占めているといわれています。
コラーゲンは、細胞と細胞の間を埋め合わせるセメントのようなもので、細胞をうまく働かせる役割を果たしています。皮膚真皮の繊維成分の約90%がコラーゲンであり、骨・軟骨・腱をはじめ胃・腸・血管壁等もコラーゲン抜きには成り立ちません。それは体内で『細胞の接着剤』として細胞と細胞をつなぎ合わせ、細胞が活動しやすい環境をつくり出すのがコラーゲンの主たる役割だからです。もしコラーゲンがなくなれば、人間の体はガタガタになってしまうのです。
コラーゲンは、タンパク質の中でも極めて異質な存在で、一般のタンパク質と比べて、次の3つの違いが挙げられます。
(1)多くのタンパク質が球状であるのに対して、コラーゲンは細長い繊維状をしています。その様子を電子顕微鏡で見ると、3本の鎖が絡み合った三重のらせん構造になっています。
(2)多くのタンパク質が水に溶けた状態であるのに対し、コラーゲンは決して水に溶けた状態ではなく、繊維状か膜状になっています。
(3)多くのタンパク質は細胞の中に存在しますが、コラーゲンは細胞の外に存在します。コラーゲンは細胞と細胞のすき間を埋めるように存在し、レンガの壁に例えるならばレンガとレンガをつなぎ合わせるセメントのようなものです。
コラーゲンの種類
コラーゲンは存在する箇所によって構造に違いが見られ、それぞれ体内で重要な働きをしています。
どのタイプのコラーゲンも、基本的には三重らせん構造をとっていますが、型によっては三重らせんをつくっていない大きな部分が頭や尻尾の部分にあったり、三重らせんが中断されていたりと、構造に若干の違いがあるとされています。
コラーゲンI型は皮膚や骨、腱などあらゆる臓器の主成分となっており、比較的古くから知られています。これと似たような分布をするのがIII型やV型です。これらは結合組織の繊維を構成し、その繊維は臓器を支えたり、補強するのに役立つことから、強度だけではなく、しなやかさや柔軟性が求められます。
コラーゲンII型は軟骨の主成分として、関節部に広く分布し、このコラーゲンが不足すると軟骨がすり減り、弾力が失われて、関節が噛み合わなくなります。
コラーゲンIV型は基底膜の主成分であり、繊維状のコラーゲンとは違い、網目状の構造をしています。これこそ基底膜に打ってつけの構造です。例えば腎臓の糸球体の基底膜もこのコラーゲンから成り立っており、網目などの働きによって老廃物が濾過される仕組みになっているのです。
コラーゲンは可溶性コラーゲンと不溶性コラーゲンに分けられます。可溶性コラーゲンは皮膚の繊維形成細胞を刺激し、新鮮な細胞の生成を促進します。歳を重ねると、可溶性コラーゲンが減り、不溶性コラーゲンが増えます。不溶性コラーゲンが増えると、皮膚の繊維形成が促されないので、新鮮な細胞が形成されにくくなり、弾力性や水分保持能力がなくなって、シワやたるみが生じます。
コラーゲンとともに摂取したい栄養素
ビタミンC
体内に摂取されたコラーゲンは、一度アミノ酸に分解されて、アミノ酸→プロコラーゲン(未熟なコラーゲン)→成熟コラーゲンという順でつくり変えられますが、ビタミンCはプロコラーゲンから成熟コラーゲンがつくられる段階で、その合成を促す役割を果たします。
ビタミンCの欠乏した状態が長くつづくと、コラーゲンの生成が円滑に進まないため、細胞と細胞のつなぎ目がもろくなり、ついには血管が破れて皮下出血や内臓出血が生じます。これが壊血病です。
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カルシウム
骨は生涯を通じて再構築が繰り返され、活発な新陳代謝により、若く硬い骨がつくり出されています。そのためにはカルシウムやリンとともにコラーゲンの働きが欠かせません。
骨の構造を鉄筋コンクリー卜に例えるなら、鉄筋に当たるのがコラーゲンで、そこヘ流し込むコンクリー卜がカルシウムやリンに相当するといわれます。骨を丈夫にするには、コラーゲンとともにカルシウムやリンの補給も大切なポイン卜です。コラーゲンが不足すると、骨のカルシウム分が定着しにくくなって、骨粗鬆症になりやすくなります。
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