一方、急増しているのは、米アマゾン・ドット・コムなどのネット通販や米ネットフリックスなどの動画配信サービス、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズなどのビデオ会議サービスなどだ。
「Windows 10」の利用時間75%増
これらに加え、急速に伸びているのがパソコンだという。米CNBCは、米アップルの「iPhone」や米グーグルの「Android」搭載モバイル機器の普及によって人気を失ったパソコンは、人々が移動しなくなった今、利用者が増え、販売も好調だと報じている。
米マイクロソフトのパノス・パネイ最高製品責任者(CPO)は5月4日付のブログ記事で、「Windows 10」の過去1カ月間の延べ利用時間は4兆分(666億時間)を超え、1年前から75%増加したと述べている。
米調査会社のネットアプリケーションズによると、Windowsの今年4月の市場シェアは約87%。マイクロソフトは3月、Windows 10搭載機器の世界利用台数が10億台に達したと述べていた。
Macの利用台数が過去最高に
Windowsに次いでシェアが高いパソコン用OSはアップルの「macOS」。その今年4月のシェアは約10%だった。同社のルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は、1〜3月期の決算発表の電話会見で、パソコン「Mac」の利用台数が過去最高を更新したと述べていた。4〜6月期は、売上高の伸びが加速すると同氏はみている。
4月半ばのパソコン販売50%増
米調査会社のNPDグループが3月31日に公表したレポートによると、米国では3月にパソコンと周辺機器の販売が急激に伸びた。
新型コロナウイルスの感染拡大で自宅待機する人が増え、在宅勤務や自宅学習に必要なパソコンとその関連製品の需要が高まったという。3月1〜2週におけるパソコン用モニターの販売は、1年前の同じ時期からほぼ2倍の8万台。ノートパソコンの販売は1年前の同じ時期から10%増え、マウスとキーボードもそれぞれ10%増加した。
(参考・関連記事)「新型コロナの感染拡大対策でパソコン販売好調」
CNBCによると、NPDグループはその後、パソコンの販売台数が4月半ばの1週間で53%増加し、それ以外の週でも少なくとも30%増加したと報告している。Windows搭載機は3月最終週と4月第4週までの各週で36〜45%増加した。グーグルの「Chromebook」は同期間のすべての週で100%以上増加したという。
マイクロソフトの1〜3月期、「WindowsとSurfaceの需要高まる」
マイクロソフトは今年1〜3月期の決算発表で、新型コロナウイルス感染拡大によるマイナスの影響が最小限にとどまったと報告した。
Windowsの販売は前年同期比横ばい、タブレットパソコン「Surface」の販売は同1%増にとどまった。ただし、これは中国のサプライチェーン(供給網)の混乱が主な要因。在宅勤務や遠隔学習の広がりでWindowsとSurfaceの需要が高まっている。また、クラウドサービスも好調。これらにより、売上高は前年同期比15%増の350億2100万ドル、純利益は同22%増の107億5200万ドルとなり、2桁の増収増益を達成した。
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