おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Dead Rising」、通称デッドラのレビューです。
このゲームは知る人ぞ知る超有名タイトルです。日本でのXbox360の知名度を押し上げた立役者と言っても過言ではないくらいに、当時としては衝撃的なタイトルであり、このゲームをやりたいがためにXbox360を購入した人も少なくありません。また、XboxONEの発売に合わせて最新作Dead Rising3が発表され、その人気っぷりは想像に難くありません。
想像を絶する数のゾンビが押し寄せ、それら全てをあの手この手で料理できる(つまり背景に描かれた誤魔化しや、見えない壁の向こうにいる水増しなどではない)という次世代機ならではの世界観が、日本だけでなく世界で愛される傑作です。
公式サイト
しかし正直に申しますと、私はこのゲーム、あまり好きではありません。 理由はごく個人的なものでして、客観的に分析すればやはり面白さというのは際立っているように思います。
久しぶりに使いますが、まずは「ゲーム作りの四本柱」が確立されている点が、このゲームにブレを与えず、安定した面白さの土台になっているのだと感じます。
主人公はフリージャーナリストという設定(大抵の推理もの、サスペンスものにフリージャーナリストが起用されるのは、「大人としての分別」を持ち合わせつつ、「ジャーナリスト」として各登場人物に突っ込んだ話を聞け、一般人よりも情報を入手しやすいという職業性、そして「フリー」である、つまり勤め人ではないので動かしやすい、という物語創作において非常に使いやすく、知名度もある職業だから、というわけです。私みたいなひねくれ者は、フリージャーナリストと聞いただけで「またか」などと思ってしまいますが)で、……含みが長くなりました。
改めて、フリージャーナリストである主人公フランクが、鍛え上げた(笑)体とカメラを武器に、今回のアウトブレイクの真相を探っていきます。
序盤の台詞にさらっと「フリーなので戦地にもどこでも行く」のようなことを言いますが、とりあえずこの言質でフランクが武闘派カメラマンなのはわかりますね。
そしてこのようなゾンビゲーに一見似合わない「カメラ」という小物が、ストーリーでもゲームプレイでも、しっかりと活用している描写やシステムがあり、やはり全ての設定は利用するために作られたのだと納得できます。
さらに面白いのが、このゲームのシナリオには二本の軸が設定されている、ということです。
また創作に触れるのですが、お話を作る場合、メインとなる軸以外にもいくつかのサブの軸を設定することで、物語に深みと広がりを与え、面白くすることができます。
「勇者が魔王を倒しに行く」ただそれだけの物語でも十分に面白いのですが、そこに「勇者と囚われのお姫様の恋模様」だとか、「旅の途中で出会った仲間との三角関係」などを取り入れれば、お話としての「惹き込み」「盛り上がり」などが活きてくるわけです。たまにこのメインとサブの軸を絡み合わせたりして、普段ならなんでもないような魔王の奇襲も、仲間との三角関係からのギクシャクが原因でうまく撃退できなかった……などと展開すると、どうでしょう?
というようにメインシナリオや生存者たちのエピソードもよく練られており、大どんでん返しというほどではないものの、楽しめると思います。
そういうわけで、本作デッドライジングにも、「アウトブレイクの真相を究明する」というメイン軸以外にも、「生存者を助ける」というサブ軸が絡んでくるわけです。
これによって、三日間生き延びる、というシンプルな目的がとても忙しいスパイスに変わり、「生存者を助けつつ」、それゆえ助けられ「アウトブレイクの真相」へと近づくきっかけになり、またゲームプレイとしても「アウトブレイクが引き起こされた」からこそショッピングモールはゾンビで溢れかえっており、それらをうまく押しのけながら東奔西走することになる、と。
なるほど評価が高いのも納得なわけです。
ですがやはり私には合わない部分がありました。
たとえば時間の概念です。
平たく言えばこのゲーム、クリアまでに時間制限がある、ということです。ぼーっとしていても時間は刻々と進み、期を逃すと真相に辿りつけなくなってしまいます。
実際にプレイしたところ、wikiを熟読し、チャートに沿って効率よく進めれば時間はむしろ余ってしまい、ついでにPPステッカー激写作業も並行できるんじゃないかと思いましたが、やっぱり制限時間がある、と念頭にあると集中を欠いてしまいます。
どうしても気持ち的に焦ってしまいますし、だからこそチャートに頼ってプレイしたのですが、「膨大な数の組み合わせや自由度があるのに、制約によって堪能しきれない」という仕様が、私には強迫観念的に合いません。
ですので、タイムアタックやコンマ1秒を争うレース、タイムリミットや、搦め手でリソース管理が肝のサバイバルなどがとても苦手です。それから自キャラ以外の要因でゲームオーバーになる仕様も大っ嫌いです。一例を挙げれば「○○を守れ」とかですね。
そうです、このゲーム、私の嫌いな要素もふんだんに詰まってるんです(笑)。
・三日間で真相を究明しろ(タイムリミット)
・インベントリが少ない、武器の耐久力(リソース管理)
・生存者をゾンビから守れ(プレイヤーの能力が影響しにくい負け要素)
腐っても20年以上コントローラーを握ってきましたのでゲームプレイはそれなりにうまいと自負していますが、やっぱり精神的にとっつき辛いのです。
下手だからうまくできない、というわけではなく、何かを切り捨てなければいけない精神的圧迫や、何でもかんでも気の済むまで出来るわけではない制限、このもどかしさがとても苦手なんです。
どんなゲームも、初め厳しそうに見えても実際やりこむと結構な余裕があって、リソース管理ゲーといえども終盤は物が余りがちになったりと、ホントのところ、「案ずるより生むが易し」なんですけどね。
あとは「ゾンビゲーム」であることや、主人公が「パパラッチ」(ちょっと差別入ってます)とか、ゲームの中身そのものよりも、外側の部分で毛嫌いしている部分があります。
そんなこともあって、本作は面白いゲームであると知りつつも、自分としてはそこまで楽しめたというわけでもなく、鬼畜実績を除いてぱぱっと実績解除を済ませちゃった作品でした。
公式サイトに行ってみると、当時の製作チームの裏話なんかが掲載されていて、サイト自体も遊び心が詰まっていますし、今思うと「ちょっともったいない遊び方だったかな」と思ったりもしますが、じゃあ2以降もプレイするかとなると、やっぱり考えてしまいますね。
私、時間って嫌いなんです(笑)。
ではでは、愚痴が多くなりましたが今日はこの辺で。
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ロックバスターを手に入れたことでゾンビの処理は半ば作業感覚になっていた気がしますので、やっぱりこれももったいなかったかな、と。
私にとって「ゾンビ」という単語は、あまり効果的な言葉ではないんですよね。飽きたというか、インパクトがないというか。
何だかんだ言って私も結構ゾンビゲーをやりますが、ゾンビが登場することそのものに惹かれて手を出したゲームはなかったりします。他にも人が変異したクリーチャーとか、なんとかハザードとか(笑)。
もしこのショッピングモールが、中世ヨーロッパ風や、北欧神話系のモンスターで溢れていたら、きっと私は涎を垂らして狩りに走ったことでしょう(クラッシュオブタイタンは未プレイですが)。
箱を買うきっかけとなったゲームであり、
そして同時に、実績厨になったきっかけでもあります(笑)。
このゲーム、ゾンビ映画好きなわたしにとって、
最も好きなゾンビ映画、『ゾンビ』と同じように、
ショッピングモールでサイバイバルするというところが
これ以上なく魅力的に感じました。
最近の若い人達には『ドーン・オブ・ザ・デッド』
といったほうが分かりやすいかもしれません。
まあ、この映画は『ゾンビ』のリメイクなのですが。
わたしにとっての最大の不満点は、
物資もゾンビも無限リスポーンというところなのですよ。
サバイバーモードをちょこっと作り直せば
わたしのドストライクゲーになっていたかもですね。