おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Ghost Sync」のレビューです。
以前プレイした竜頭蛇尾の微妙ゲー・ロストドラゴンと同じ絵柄の作品なので、そこはかとなく警戒していたのですが……。
ええ話やぁ、ええやないかぃ!
特に引っかかる設定や展開などもなく、堅実に作られたストーリーラインは読み心地が良く、尖りすぎないキャラの個性もとても好感が持てました。その上で各キャラにはそれぞれ複雑な秘密があり、それらがメインストーリーと絡みながら少しずつ紐解かれていくカタルシスのバランスはすごく良かったです。
そして私がここまで本作に好印象を抱いた縁の下の力持ちとして、BGMの存在が欠かせません。
すごく良かったんですね。
特に街中でのBGMは非常に落ち着かせてくれ、大好きでした。実績コンプしてから、ゲームデータを消すまでに、もう一度起動して聞きに行くほどです。
最近、鬼門となりつつある歩数実績ですが、今回は気づいたらいつの間にかってレベルです。
その理由は、魔物図鑑の存在にあります。
本作にはロストドラゴンと同じく、モンスターを一定数倒すとご褒美(めっちゃしょぼいけどコレクティブル要素とか好きならやるしかないよな)がもらえるシステムがあるのですが、これを埋めるためにはやはりマップ上をひたすら歩き続けることになるんですね。恒例の魔物呼び寄せの装置もあるのですが、無いダンジョンやフィールド上でもしっかり埋めていく必要があり、こういった場所でかなりの時間と労力を食われることになります。
で、ここでしっかり足元を見られてるので、本作には魔物呼び寄せシステムがない場所での、エンカウントを楽にするようなアイテムが登場しません。オプション欄にしっかりエンカウント調整の項目があるので、楽したかったら追加料金払ってね、ってことですね(一歩歩くごとにエンカウントするアトラクトリング、これも恒例のアイテムなので、こいつの登場はまだかまだかと待っていたのですが、ついに登場せず)。
結果的に楽しく全項目埋めることが出来ましたが、もう少し多かったらどこかで糸が切れてたかもしれない。ちょっとウゼーと思いました(笑)
ちなみに図鑑埋めの作業は実績解除に一切関係ありません。
もう一つ物申したいのは、最近存在感を強めているスキルツリー制度についてです。本作以外にも何度かスキルツリーという成長システムが登場したのですが、んー、これはなぁ。
ぶっちゃけKemcoゲーとは相性が悪いと思うんですよね、個人的に。
というのも、スキルツリー自体は私も大好物なんです。レベルアップして見えない場所で自動的にステータスが上がったり、勝手にスキルを覚えるよりも視覚的に成長したことが実感でき、ツリーを眺めることで自分がどれだけ強くなったか、視覚的に確認することが出来ます。
その上で、上位のスキルを覚えるには下位のスキルを覚えなければならないなど、スキルツリーシステム上の制約が発生し、これがゲーム的な面白さや成長の方向性の選択の面白さに繋がっているので、私はツリーシステム自体は大好きなんですよ。
ただね、そこには注意点があります。
自分がどれだけ強くなったか視覚的に楽しむためには成長速度に比して、何度もそのツリーを目にする機会がなければなりません。
上位のスキルを覚えるために下位のスキルを覚えなければならない、その制約を有効に活用するためには、上位のスキルを覚えたいけどまだ我慢しなければならないストレスを溜めねばなりません。
そして、スキルツリーが枝状に分かれている必然性は、最終的にすべて覚えることはできないからこそ、どの枝を伸ばしていくのか選択しなければならないという心理的ジレンマを利用している点にあります。
こういったスキルツリーシステムの本来のゲーム性というのが、Kemcoゲーには合わないんですよね。だってスキルを覚えるためのポイント簡単に稼げますし、我慢する必要も無くがんがん伸ばしていけるし、結局全部覚えられる上にまだ余っていくし。
と、こうなると、スキルツリーの良い所ってのは全部死んじゃって、本来ならレベル上げるだけで勝手に覚えていくはずだった様々なスキルを、いちいち指定して、覚えて、さらにそのレベルを上げて、っていう作業感だけが募って虚無に陥っていくと思うんですよね。
別に字面の圧力ほどクソつまらんシステムってわけではないんですが、ほとんどの戦闘をオートに任せているとスキルツリーいじるのめんどいなって、感じちゃうんですよね。個人的に。
だからといって全員分のスキルツリーとにらめっこして役割を考え、バランスよく配分して試行錯誤してってなると、そりゃもうKemcoゲーじゃないですし……。そろそろKemcoゲーならではの、こういうゲームだからこその成長システムが欲しいところですね。
と愚痴が長くなりましたが、全体としてはちゃんといつもの、そしてアスデバシリーズよりも最近のツールというかエンジンというか最新のシステムなので、非常に遊びやすいです。レイヤーをふんだんに使っていて、ダンジョンはかなりの迷宮でしたけど(笑)
なによりキャラが可愛く、ストーリーとBGMが良いので、普通に感情移入してじっくり遊べると思いました。お勧めですよ(話者を示す"ふるふる、ぴょん"は可愛いけどテンポが悪くなるのが悩みどころよね)。
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