おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Dragon Sinker 〜竜沈めの末裔〜」のレビューです。
Kemcoゲー全般に言えることだけど、今回も面白くはないけど楽しい作品でした。
前回の記事でも言ったけど、やっぱりサクサク爽快快適やり込みKemco流RPGは、クリックゲームやアイドル(放置)ゲームに通ずる快感というものがあって、お話に目を瞑ってもこの部分は普遍的に変わらないのが良い所ですよね。更に言えば、数字を伸ばした先のゴールも短いので、スマホで遊ぶガチのタップゲームなんかよりよっぽど爽快な気分のまま終われます。
ま、そんな数日でコンプできる駄菓子ゲーを何十本と1000〜2000円出して遊ぶのもどうかと思いますが……。
本作はドット、というより昔懐かし感を押し出したゲームで、非常に粗いドットの感じやピコピコ音を楽しむのがコンセプトのゲームです。
個人的には最新の3Dゲームが好みなので、ドットゲーや、なんなら8-bitファミコン音源とかまったく興味ないんですけど、Kemcoで出たならやるしかないです、はい。
ファミコンというよりゲームボーイカラーくらい1ドットが大きいので、しばらく遊んでからXboxのホーム画面に戻ると解像度の差で目がチカチカしました(笑)
有名ゲーム作曲家を招いてのBGMはさすがに良いとは思いますが、曲の数自体は非常に少なく、街、ダンジョン、戦闘の三種類の曲をゲーム攻略の9.5割は聞き続けることになります。圧の強い電子音は聞いているうちに、それがどんなに名曲だろうとうるさく、ストレスに感じることもありました。
私が古典ゲームにそれほど興味がないこともあるとは思いますが。
また、サブクエストに関してはくっそシンプルな内容のクセに三度も同じセリフを繰り返してくるのがデフォルトで結構ストレスでした。
たとえば街に困ってるNPCがいたとして、話しかけると、「うーむ、どこそこのマップにスライムが居て困っているんじゃ、誰か退治してくれんかのう。そこの人、ちょっと頼みを聞いてもらえんか」ときて、はいいいえを問われます。はいを選ぶと、「実はどこそこのマップにスライムが棲みついて、薬草を集められないんじゃ。助けてくれ」とサブクエを依頼されます。そして了承すると、「ありがとう、助かるよ。どこそこのスライムを何匹倒してくれ、頼むぞ」……なんて塩梅です。
さて、こういったドットゲー、ドットゲーを愛するがゆえにあえてのドットゲーには、毎回思うことがあるのですが、これって、情報として必要なテキスト部分までドットで表示する意味ってあります?
インディーの新作のドット系RPGのPVとか見ても、キャラドットやチップセットが良く出来ていてヌルヌル動いて綺麗だな、やってみたいなと思っても、テキストや文字までドットだと「うげ」って思うことよくあるんですが。こういう考え方って邪道なのかな。
あえて古い感じにして懐かしさを呼び起こしつつ、戦闘ややりこみに関しては倍速やオート、ショートカットなどでストレスを与えないことを売りにしてるなら、つまりこの部分は現代チックな思想なら、テキストやモーションの滑らかさに関しては現代ベースで考えてもいいと思うんですよね。
最近のスクエニのピクセルリマスターとか、オクトラとか、ドットなのにすげぇじゃないですか。金は掛けずともアイデアで楽しくなること、いっぱいあると思うんですよね。それこそがドットゲーの本分じゃないですか?
総評ですけど、本作は戦闘に関してはJobなどの存在によりガンガン強くなっていく数字の楽しさがありつつも、ストーリーや世界観部分に関しては懐かしさとともに知能まで退化してしまったので退屈の極みでした。
子供の頃に夢中になったゲームの雰囲気を出したいからって、キャラクターの個性やストーリーの質まで子供のレベルに落とさなくていいんですよ?
それでも、たとえ何かが究極につまらなくても、その部分はあと一日頑張ればコンプできるから、とかゴールが容易に見えて無視できるのでやっぱ楽しかったですね。
興味深い、奥深い、ストーリーに味や幅がある、そんな面白さはないけど、シュッと、シュシュっと「アゲ」てくれる楽しさはちゃんとある。そんな作品でした。
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