おはようございます。あるへです。
本日はこちら「タングルタワー」のレビューです。
タングルタワーと呼ばれる奇妙な屋敷を舞台に殺人事件を捜査するポイント&クリックミステリーとして、どこか逆転裁判みを感じたので遊んでみました。
たかがインディーゲームと侮っていたのですが、世界観づくりに驚くほど拘っていていい意味で期待を裏切られました。
まずキャラクターアニメーションがぬるぬる動く。
これはストアのPVでも感じたことですが、魅力的なフルボイスで演出される登場人物たちは生き生きとよく動き、印象付けてくれます。お話の都合上、登場人物たちはほとんどが血縁関係にあり、名前も似通っていてわかりにくいのですが、愛称などを用い、一人ひとりはっきりした個性立ちがあるので、一度会話をすればすんなり記憶に定着する骨太なキャラクターを持っていました。
一通り全員との会話をすませると、どの人物にも愛着が湧き、この中に殺人犯がいると考えるのが嫌になったほどです(笑)
二つ目はそのキャラ一人一人になんと専用BGMが割り当てられていることですね。これもキャラクターを印象付けるのに非常に強力に働いています。それ以外の汎用BGMにもほんのりコーラスが用いられていたりして、これがたかがインディーゲーと侮っていた私にもたらした大きな驚きでした。
ポイント&クリックアドベンチャーの何が面白いかって、怪しいところをクリックすると関係あることないこと様々な掛け合いを楽しませてくれることですよね。
本作にも調べられる個所はたくさんあり、本当に面白いです。
逆転裁判のような推理もの、というよりはやっぱりミステリといったほうがしっくり来、終盤の展開はあまり腑に落ちない人が多かった印象ですが、それを抜きにしてもそこに至るまでの捜査や容疑者との会話、ちょっとしたアクセントではあるものの解き応えのあるパズルはちょっと息抜きにプレイするのにすごく心地よかったです。
タイトル画面やシーン切り替わりでの演出からなんとなくホラーな感じも受けますが、本作はアートギャラリーでも述べられている通り、グロやショッキングな想像を極力させない親切設計になっています。
そのお陰で、主人公到着時には既に亡くなっている被害者の人となりでさえ、存命している容疑者たちと同列に考えることが出来ます。
ストーリー自体の深みや作り込み(特にトリックや動機、それに掛かる細かい齟齬)は改善の余地がありますが、スタートからエンディングまでコンパクトなボリュームを保ちつつ、キャラクターそのものの作り込みは素晴らしく、またその省エネ設計のためか判明している事実をもう一度主人公の口で語らせて確認を取るような遠回りがなく、テンポが良いです。このテンポの良さが、バックログが無い仕様と相まってセリフを見逃すと混乱のもとになったりもしそうですが、私は理解しながら進められたので高評価としています。
(特に、重要なポイントはパズルにもなっているので、よくわかんないけど総当たりでなんとなく解けちゃったってなると、もやもやが解消されず引きずるかもしれませんね。ちゃんと理屈をつけて解いていきましょう)
実績も楽で、ストーリーと寄り道を楽しみながら一周で集まるので、普通に楽しさしか残りません。
まあ、ラストの展開は、自分なりに解釈してみたもののやっぱりしっくりこないですけどね。本編のみで完結していますが前作があるようだし、続きもありそうだし、ちょっともやもやしちゃうのは……仕方ないね、大人の事情だね。
本編のトリックや犯人、被害者について語りたいことも多いですが、語れないのがもどかしいです(笑)
全ての操作をポイント&クリックで行うのは、ほんの若干、ストレスでした。
たとえば捜査メモを開いて手に入れたアイテムの詳細を開いたときとかですね。Bボタンでキャンセルしたいところ、わざわざポイントを左上に持って行って、Xボタンをクリックしないと戻れない仕様です。
また、一度取得したアイテムポイントを調査すると、セリフに続いてアイテム詳細を開いてしまうのも不便でした。この時もポイントを左上にいちいち持って行かなければならないので。
ままま。全然、万人にお勧めできるすっごく良質なゲームだったことは確かです。
買え。
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