おはようございます。あるへです。
本日はこちら「キングダムハーツ2 ファイナルミックス」のレビューです。
本作は日本版Kingdom Hearts -HD 1.5+2.5 ReMIX-内に収録されたタイトルのひとつで、KH1を経て、チェインオブメモリーズ、358デイズで展開された新たな物語に決着を付ける、キンハーシリーズ堂々のナンバリング作品です。
今作は、前作のように和気あいあいとした三人旅の雰囲気は残しつつも、全体に「切なさ」をまとったお話だったのが印象に残りました。
まぁね、本作だけでも十分に感動できるお話なんですけど、チェインオブメモリーズと358デイズでかなり引っ張ってきましたから、そこから考えると感動は一入(ひとしお)で、長かったくせに十分良くまとまっていて、素直に良いお話だったと納得できます。
ただね、これはチェインオブメモリーズあたりから感じ始めていたことですが、だんだんとディズニーとの温度差を感じ始めました。
本シリーズは再三言っているように、ディズニーありきの作品で、ディズニーとのコラボが無ければここまで有名な作品にはなり得なかったとさえ思っています。
しかし、ディズニーといえばその世界観を非常に大事にし、これらの作品の世界観や夢を壊すような発言や表現、果てはメタな表現さえタブー視されるほど監督の厳しい企業として有名です。
なんかね、自由な発想でゲームを面白くする方向に、持って行きづらいのかなぁって感じるんですよね。
各ワールドの二度目の来訪からオリジナルなストーリーが展開していき、少しだけ面白くなってきたりするのですが、特に初来訪時は原作のお話を端折って5分でダイジェストにまとめたかのような無味乾燥なストーリーに、ソラ達がなんとなく介入するような構成で、正直つまらなかったです。
KH1の時点ではまだ手探り状態であり、クリエイターもプレイヤーも、そこを織り込んでの意識の補完が出来ていた分、今作に当たってはそのような甘えは通用せず、このディズニーストーリーについてはあまり褒められるものはありません。
と、このように辛口になってしまう評価の裏には、実はどうしても仕方のない事情があるんですよね。
それは。
ソラ達自身のメインストーリーが面白過ぎるという問題です(笑)
ロクサスって誰? XIII機関って何者? 新しい敵ノーバディ? リクはどうなったの? カイリ可愛すぎひん??
などなど、お子様にはやや難しい哲学的な「心」の解釈から、端々に見えるロクサスとアクセルの友情や、一枚岩ではないXIII機関の面々の個性的な魅力など、こっちのお話の方が断然面白く、先や続きが気になって仕方ないくらいなんですよね。
最初に述べた「切なさ」のオーラというのは、ここにかかっていて、美しくも儚いロマンティックな展開と演出に涙が止まらないのです。ソラも罪作りな男よのう。
XIII機関のメンバー全員、黒い装束を来てフードを被っているとはいえ、その細部は十人十色であり、非常に安定感があり、安心感すら抱く大御所名声優たちの演技が相乗効果となり、一切その辺に触れられていなくとも、彼らの個性、ひいては設定の深さを感じられソラ達メインのお話には何重もの深みを感じるわけです。
ね、それと比べちゃうと各ワールドのディズニーストーリーのなんと薄っぺらく寒いお芝居のことよ……。各ワールドに降り立つとソラの知能指数がごりっと下がるんです(笑)
そこにはやはりディズニー本社という大親分が睨みを利かせている大人の事情やらなんやらがあって、うまくメインに絡ませづらいのかなとか、勝手に思っちゃったりしています。
光とか闇とか、心の繋がりとか現実とか、自身の存在にまで言及するようなハードなストーリー展開は、うがった見方をすればディズニーの頑なな世界観へのアンチテーゼのようにすら見えてきます。
ぶっちゃけ、それくらい面白いのです!
また、夢中になれるのはそれだけではありません。ゲームとして、戦闘もまた非常にオリジナリティがあり楽しいのです。
そのコアたる部分が、新要素リアクションコマンドですね。
前作のラストアルカナムの追撃部分のように、特定のタイミングでYボタンを押すと発動するのですが、今回はこれが敵のアクションに合わせて発動する形になっています。
そのレパートリーは非常に多く、カットシーンなども多用され爽快感へと繋がっています。これを使いこなすことが勝利へのカギとなっており、その傾向はボス戦に強いです。
ギミックを理解し使いこなすのが前作以上に重要になっており、かと思えばアビリティも非常に種類豊富で、つければつけるほどガンガン強くなっていき、暴れまわる無双状態に磨きがかかっていきます。無双できる戦闘はガシガシ攻め込んでいき、リアクションが有効な敵は、何も考えずに突っ込んでいくと高レベルになっても変わらず嫌な相手で、飽きさせません。
特にXIII機関戦はこのリアクションコマンドをいかに成功させるかが肝にすらなってくるので、純粋なアクションというよりはリズムゲー、パズルゲーのような様相すらあります。まじで初見殺しというか、タネとか仕掛けが見えないとわからん殺しで無理ゲーに見えることも多々ありました。
それだけにトライ&エラーを繰り返して打ち勝った時はものすごい達成感を得られますし、無理ゲーに見えた敵の攻撃にもちゃんと反撃の糸口が用意されていることに感動したりしますね。
これだからキンハーはやめられねぇってなりますよ。
1の時点ではお話もゲームとしてもややシンプルで、ディズニーの力を借りて強力なロケットスタートを切った感じですが、この作品でキンハーシリーズは、ソラの物語として確固たる土台を築いたと思います。
すごく楽しかったです。
追記。
前回のレビューで、ナミネとか2で全然記憶にないとか言ってましたけど、がっつりメインストーリーに絡んできましたねwwww さすが記憶の魔女、ソラに関わる者たちの記憶を消すって、まさかプレイヤーの記憶も消去するとは……。
KH2はね、たしかにプレイしたんですよ。確か友達に借りて、全クリして返したんだったかな。だから本当にほとんど記憶に残ってなかったんだけど、たとえばロクサスがソラの下に辿り着いて「俺の夏休み」云々のシーンだったり、なんとなくXIII機関のメンバーと戦ったイメージだったり、1以上にふんわりほんわりイメージだけは残っていたんですね。あまりにも覚えてないものだから普通に初見プレイとして楽しめました。
ここから先は正真正銘初見プレイなので、楽しみです。
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