おはようございます。あるへです。
本日はこちら「龍が如く 極 2」のレビューです。
起動して最初に感じるのはやっぱりグラフィックの向上ですね。顔の作り込みが精緻になり、前作と比べて表情豊かになったと思います。特に女性キャラクターのクオリティが素晴らしい!
もう一つ感じるのが異常なほど作りこまれた街の作り込みです。立ち並ぶお店の中の様子(窓を通して中が見える、お客さんが中にいる)がわかるようになって非常に「らしく」なったと思います。前作で散々歩いた街ですけど、新鮮に感じました。
これに付随してシームレス化というのも大きな進歩なのですが、実はこのゲームにおいてはシームレス化は必ずしも良いこととは言えません。
ほんの一例ですが、たとえば前作であればミニゲームを遊ぼうと思った際、まず大きな街から始まって、いったん建物に入りロード、それからミニゲームを開始してロードという順になっています。ミニゲームを一回終えれば戻って来るのは建物内ということでロードは短くて済んだんですよね。街自体も今作に比べれば作り込みは甘いので、そこまで気にはなりませんでしたけど。
それが、本作では「街」→「建物内」の部分がシームレスになり、一体化しているので、確かに暗転を挟むことなくマップが切り替わるのには便利さや快適さ、街の広さを体感するのに一役買っているところはあるのですが……。
お分かりですね?
そうです。ミニゲームを一回プレイする度に膨大な街のマップを都度読み込み直すのです。前作であれば小さな建物内の情報だけをロードするだけでよかったのが、今回はミニゲームに限らず、ことあるごとに街全体を逐一ロードするので非常に待たされるんですよね。
今作は前作と比べてシームレス化および街の作り込みがすさまじく、すごく美しい反面、街マップのロードにも非常に時間がかかります。そしてその頻度も尋常じゃないんですよね。
一回一分もかからないクソゲー(個人的には)トイレッツの攻略とか、マジでうんざりしました。
今回もまた全体的には楽しく攻略できたものの、このロード時間だけは最後まで辟易しました。
今回、ストーリーについてはやや間延びして盛り上がりに欠ける印象を受けました。前作では馴染みの薄い極道の世界に、少女という緩衝材を入れたことでプレイヤーの敷居を下げ、徹底した勧善懲悪の爽快な展開、やられたらやりかえす、倍返しだ! みたいなストーリー構造が、最後まで高テンションを保って駆け抜けられるモチベーションになっていました。
今回はもう少し大人な雰囲気で中盤はしっとりと進む感じなので、キャラクターの内面はよく描けてると思う反面、なかなか動き出さない事態にじれったい思いをしたり、後半のどんでん返し返しの応酬みたいな展開は、少しやっつけ感すら感じます。
(狭山との大人の恋な演出や、オープニングで意図的に隠された様々な視点など、前作とは違う雰囲気、違う試みは成功していると思える反面、無駄に思えるお遣いや移動、なくても問題なさそうなムービーなどなど、ロード時間のこともあってテンポは悪いと感じました)
ちょっとね、そんな気はしてたんですよね。
如くシリーズはいったん火がついたブームを消さないようにと、乾坤一擲の気概で作り上げた初作から、つまりこれ一本の単発のつもりで作り上げた龍が如くから間を置かずに、ユーザーに忘れられないために一年毎にシリーズを展開していったと攻略ページに解説してありました。
このくだり、UBIのアサクリシリーズとよく似てるんですよね。
アサクリ2あたりから人気に火のついたUBIは、その後初心に戻るオリジンズまで年一本ペースでシリーズを展開していったのです。
すると何が起こるか。
制作陣はもちろん全力でゲーム開発に取り組み、素晴らしい案を出し、改善し、それをゲームに落とし込むことはできます。当時の人たちも、全員例外なく全力を尽くしたと思ってます。
でもね。
やっぱり足りないんですよ。
人間、なんであれ良いものを創るには自身の溜めこんだものを吐き出す必要があると思ってます。時間をかけて日々の営みの中で自分の中に蓄積していったものがドバっと放出されて、ある意味芸術に昇華するんです。
一年ってねぇ。溜め込むにはちょっと短いんだよなぁって、私はそう思うんです。
だからこれは技量やアイデアではなく時間の問題。
確かに、ユーザーやファンに忘れられないために、数あるゲームの中に埋没しないために速いペースで作品を量産するのは戦略として正しいですし、実際如くもアサクリもそれで成功してると思います。
ただ、それはシリーズ全体を通してのブランド化みたいな面が強く、これ単体で見たときの価値、他のナンバリングを差し置いてもこれだけは、みたいなのはやっぱり新しい作品が出てくるたびに劣化していく傾向があるんじゃないかなって。
まだ何の情報も得てないので勝手な憶測ですが、この後の3も4も5も、相変わらず面白いことには面白いんだけど、どこかマンネリ感が漂い、作品を追うごとに作業感が強くなってくるんじゃないかと危惧しています。
さて、本筋の方はそんな感じ、残念ながら残念な流れに感じたのですが、逆にサブストーリーの方はばっさりと垢抜けて随分とはっちゃけちゃいましたね。本編とは逆にかなりシュールでギャグみたいな展開が多いのでこちらは前作よりも楽しめました。
今回のミニゲーム群は、数より質、いらんものをカットして一つ一つの面白さを追求したって感じでしょうかね。それぞれ個性のあるゲームを楽しめます。
とはいえ実は私、カラクリに気付いてしまったんですよね。いやぁ、気づいたかどうか、ホントのところは知りませんけど(笑)
やはり、セガはアーケードゲームメーカーだってことです。何度もプレイする中で、似た展開が繰り返されることに気付き、そのゲームの(否:自分なりの)攻略法を見出す、そこにゲームを攻略するということの快感を見出す、みたいなコンセプトです。
一見、運ゲーに見えるようなミニゲームでさえ、そこにはカラクリが存在し、それを操れなければ絶対に勝てない仕組みになっているのです。昨今のゲームのように「自分の気に入ったスタイルで攻略できる」というものではないんですよね。
それは完全な運ゲーに見える麻雀でさえ潜んでいます。
その麻雀を例にとって挙げると、コンピュータはプレイヤーの手牌を見てます。ガン見してます、ええもう、マジで。そしてその手牌を使って役が作れるように相手の捨て牌やツモを操作するんですよね。
何が言いたいかというと、とどのつまりあんたじゃなくてCPUが作りたい役を作らなきゃダメってことなんです。
麻雀覚えたての新参者であれば、当然縛りが少なく作りやすい役、たとえばタンヤオなんかでチマチマ稼ぎたいと思うことでしょう。
でも、CPUがそれを許してくれなかったら絶対に役は作れないんです。これ違う、これも違う、と牌を捨ててるうちにあれよあれよと誰かが上がって、弱卓ですら満足に勝てないんですよね。
一回、もう考えるのもめんどくさくなって、えーとアレ何て言いましたっけ。
誰も鳴かずに流局した際、捨て牌が1、9、字牌のみだった場合デカい役がついて大勝するアレ。
めんどくさくなって頭空っぽにして1、9、字牌だけぽいぽい捨てていったんですよ。なんとなく初期の手牌で1、9、字牌が多かったのでそうしただけなんですが、ツモする度に何故か1、9、字牌ばっかり引いて、何故か対戦相手は誰もポンもチーもカンもせず、もうこれは確信に近い形で最後のツモを引いてみると、何故かそれは当然のように字牌で……。
遊び半分やけっぱちで狙ったその例の役が、まるで運命だったかのようにぴたりと揃ってしまったのです。
この体験がね、ああ、如くシリーズのミニゲームって、全てにカラクリが仕掛けられてるんだと確信した瞬間でした。
それ以前にも捨てた牌が何度も手元に戻って来る(要らないからピンズの4捨てて、少ししてまたピンズの4が来て捨てて、またピンズの4が来て……みたいな)、やたら字牌をツモる、みたいなことが何度もあって、何かおかしいとは思ってたんですけどね。
でね、こうしたCPUの気まぐれに付き合い、自分の頭をパンクさせずにすむ役の組み方は平和(ピンフ)がいいんじゃないかと、最近思ったんですよ。ピンフはなんだかんだ上がり方の基本みたいなクセして色々と縛りがあるじゃないですか。だから私みたいなど素人は敬遠しがちなんですが、逆にこれらの縛りを意識して揃えると、その縛りが逆に有効に働いて、意外とコンボというかなんというか、汎用性があるんですよね。ピンフのみで上がったつもりがあの役とこの役もついでに付いたとか、あ、このツモ今揃えようとしてたこっちのメンツよりも、こうした方が確率ありそうじゃん、とか。手配の組み合わせにもバリエーションが出て、そのCPUの気まぐれにも対応しやすくなるんじゃないか、と、私はそう思ったわけですよ。
これはホントに個人的な体感の話なのであまりあてにならないかもしれませんが、もし次回も麻雀があるなら、そういうスタンスでちょっと臨んでみたいと思います。
(前回、極1のレビューで麻雀講座の動画紹介したじゃないですか。あの教えの通りにまず字牌を捨て、使いにくい1と9の牌を捨て……ってやると、なんと如くの中の神が「おお、こいつ例の役狙ってるな。じゃあ1、9、字牌をツモらせてやろう」なんて余計な気を利かせて、いらないから捨ててるのに字牌ばっか寄ってくる悲惨な目に遭うわけなんですよ。せっかく麻雀楽しいんだからこんなつまらんカラクリなしの普通の麻雀をやりたいと思う今日この頃でした)
とまぁこんな感じで、如くのミニゲームって運ゲーのようでいて運ゲーじゃないんだなって気づいたのが今回の収穫ですかね(笑)
トイレッツもバッティングセンターもゴルフも、全部全部覚えゲーなんです詰まるところ。でもトイレッツだけは感覚が掴めなくて、前述のクソ長ロードのせいもあって鬼門でした。あとバーチャファイターとバーチャロンも、好みではないので、ハードルは低くても面倒に感じました。
他にも言いたいことは山のようにあるけど、まま、今回はこの辺で。
ああ、そうそう。真島の兄さん、随分丸くなっちゃいましたね。プレイアブルキャラクターとしても活躍しますし、桐生チャンの味方みたいなポジションなので、倫理的に悪を感じさせる部分は全部カットされちゃうのも仕方ないことなんですが。
初登場となる前作はやはり敵側としての面が強かったので、どこでも真島のシステムですごくフレンドリーに感じる反面、やはり基本は敵ということでかなりエグイこともやっていて、そんな、桐生チャン曰く「あんただけは読めねぇな」を地で行くスタイルが本当にいい味出してました。
それを鑑みると今作はただの変なおじさん止まりで、気を許して近づきすぎると火傷しそうなあの雰囲気がどこにも感じられなかったのは非常に残念でした。
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