本日はこちら「スティクス:マスターオブシャドウ」のレビューです。
ステルスゲーは好きで、密かに今年はステルスゲー年間と称してステルスに関係のあるゲームばっかり齧ってきたあるへですが、ある時は豊富なアイテムや能力で窮地を脱したり、様々なステージギミックを用いて暗殺を演出したり、ステルスもあるが常に潜んでいるわけではないと開き直って大立ち回りを演じてみたりと、方向性も様々な独創性を孕んだ傑作が続出している昨今ですが、本作はそれに逆行するかのように原点に帰ったとも言うべき硬派なステルスアクションゲームでした。
それに加えて世界観が独特で、そこによく絡んだストーリーがまた絶妙で非常に楽しめました。
しかし逆に、ステルス部分はよく出来ていてもアクション部分、主にジャンプに関する操作性に癖があり、集約された各ボタンの機能も、肝心な時にそれが裏目に出てしまったりといった練り込みの甘さが露呈して、でもでもなんかそれが妙に味が出て個人的には「オールドスクールライク」とでもいうような妙に難易度の高い古き良き海外ゲーを彷彿とさせました。
本作の難易度は高めです。
かなり難しく、小手先のはったりが利かないので少ない手段を吟味して工夫しながら各エリアを攻略していく味がありました。
1ミッションも、4ステージ構成でかなりの長丁場です。実績コンプのためにはクリアタイムの早さを問うものもあるのでなかなか神経を尖らせてくれます。
しかし一番の問題点はやはり言語の壁でしょうね。
私はSteamの日本語MODを入れてPCで遊んでいる動画を見つけてストーリーを補完しましたが、One版は未ローカライズで全編英語となります。
ストーリーには起伏があり大番狂わせがあって本当にわくわくできるのですがこの興奮を万人に味わってもらえないのが残念でなりません。
キャラが日本人受けしないのもそうなんでしょうけど、登場人物のほとんどの口が悪いのも原因の一端を担っているのかな、と邪推してみたり。
さて、そんなこんなで独特な雰囲気に包まれながら、かなりの歯ごたえとクリアの手ごたえを感じられたあるへですが、要望もあったのでこんなのを作ってみました。
これからStyxをプレイしてみたい、という方たちが少しでも本作に良い印象を持ってもらえるように、そして攻略の上で迷子にならないようにとの思いを込めて作りました。役立てていただけると幸いです。
Styx: Master of Shadows 初心者の手引き
ストーリーは本作のみで完結していますが、世界観的には「Of Orcs are Men」というゲーム? と繋がっているようですが、これがどういうものかは存じません。
本作には続編が存在し、どんでん返しの起こった本作ラストからストーリーを引き継いでいるようで「Styx: Shards of Darkness」といいます。こちらは日本ストアでは配信すらされていませんが、この癖のある歯ごたえが懐かしくなった頃に購入を考えてみようかなってところです。
↓虫がいっぱい! わずかな音でも反応するこいつらにそろりそろり……。一仕事終わってあるへ、ぴーんときましたよ!
↓敵兵がいっぱい。部屋をしばらく眺めまわしてると……やっぱりあるへ、ぴーんときました!
本作はノーアラートを強いる場面や、実績のために何度もロードを繰り返すのですが、そのロードが長めなのが玉に瑕ですな。
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来年あたりに見直してみると「何を偉そうに」と黒歴史と化しそうな駄文ですが、そう言ってもらえてほっとしました(笑)
私の持論はあくまで私の持論であり、数多く存在する様々なプレイヤーの受け取り方の一例に過ぎないので、めいさんはめいさんなりの遊び方を見つけてくださいな。
ステルスで無双するともったいない気がする、は私もよくわかります!
ステルスでいけるならいけるとこまでステルスで通したいですよね。
ステルスゲームとは、一種のパズルゲームだと私は感じています。パズルには必ず解法があるので、そう考えるとどんなに難しいステルスゲームにも、作者の想定した解法というものが必ず存在するのです。……というか、ゲームには必ず作者の想定した解法が存在するのは暗黙のルールでもありますが……。
本作のヒントになってしまいますが、頑張って1ミッション目をクリアして、「カバーキル」を習得すれば、ぐっとステルスゲーらしくなりますよ。
さて、ステルスゲーの元祖をちょこっと調べてみたところ、メタルギアは日本初のステルスゲームではあるものの、世界初のステルスゲーム(ステルス要素を備えたゲーム)ではないようです。
「005」というゲームがそれで、ギネス認定もされているようですね。
ただ、ステルスゲームの草分けとして未来を切り開いたのはメタルギアで間違いないでしょう。
とはいっても、これは私個人の主観による見解なのですが、私はメタルギア(ソリッド)シリーズを「ステルスアクションゲーム」とは捉えていません。
昨今、ステルスアクションと呼ばれるジャンルのゲームは、過剰なほどに敷き詰められた警備をいかにして掻い潜り、いかにして排除し、いかにして地形を利用し、敵の目を欺くか……そんな「芸術点」に重きを置いている感じがするのです。
脱線しますが、私が初めて触れたステルスアクションゲームはPS1の「天誅2」でした。幼い頃にこのゲームに没頭した思い出があり、こんなジャンルがあるのかと衝撃を受け、当時はそんなものかと受け流しつつも、今になって考えると「気」というシステムはPSハードの限界によって描画しきれないグラフィックの弱点を逆にシステムの面白さに組み込む逆転の発想的システムで、素晴らしいと今でも思います。
今のゲームはデータ容量がほぼ無限大ですから、このようなある意味「ハングリー」なチャンレンジから着想を得た斬新なゲームシステムがほとんど現れないのが残念でもあり寂しくもあり。
美化された思い出補正による偏見かもしれませんが、昨今のステルスアクションとは、そんな天誅シリーズに代表されるような、ある意味パズルタイプなアクションなんだと思っています。閑話休題。
一方、メタルギアシリーズは、たとえばMGS2や3を遊んでみるとわかるのですが、ステルスゲームにしては配置されている敵が少なく(体感的にもゲーム全体を通して100人いるかどうか)、確かにステルスアクションを遊んでいる感じはするものの、どうも今風のステルスゲームとは路線が違う気がしてならないのです。
なので私は、私の中ではMGSシリーズは謳い文句の通り「かくれんぼゲー」というのが正しく、他のステルスゲームとは少し区別してみてしまいます。
そんな私一個人の機微を知ってか知らずか、MGSVはグラウンドゼロズを遊んでみた限り、昨今のステルスアクションゲームにシフトしていると思います。
まぁそんな細かいことはどうでもいいのです。MGは後に続くシリーズの礎であり、MGSはステルスゲームの金字塔ですよね。
360版メタルギア2&3 HDはこのMGS2と3がHDで遊べるだけでなく、3に組み込まれたコンテンツとして「メタルギア」をまるまるプレイすることもできるお得ゲームです。
実績コンプがどれだけ辛いかは過去のレビューをご覧ください(笑)
私がたくさんのゲームをプレイして学んだことは、そのゲームをクリアするために、そのゲームのルールに従えるかってことです。
ゲームには、ゲームの想定した遊び方というものが必ず存在します。
単純なところですと、無双系のゲームは武器を振り回して敵をバッタバッタ薙ぎ払って倒していくのがルールで、どうやっても敵に見つからずにステルスキルで静かに総大将の元へ行くことはできません。
同様に、MGSではコントラ張りに弾幕を張りながら目的地へ行くことは出来ません。
これらは当然のルールですが、意外と忘れがちなのです。
たとえばアサクリシリーズはステルスと無双系みたいなアクションがルールとして許容されたゲームです。なればこそ、どちらの戦法も取れる、ではなくどちらの戦法も取っていかなければならないのです。
この時に、「自分はステルスがやりたいのに大立ち回りアクションはやりたくないんだ」と頑なになってしまうと、アサクリ世界を歩き回っていて無数に湧いて追いかけてくる雑魚の処理に嫌気が差して、結局このゲームに馴染めずに投げ出してしまう結果になるわけです。
このように、ゲームには目に見えないルールというものが無数に存在し、「郷に入れば郷に従え」というように、自分がそのゲームのルールに馴染めるかどうかが、このゲームを攻略し続けるモチベーションの源にもなりうるのです。
お陰様で私のゲーム脳は非常に適応性が高くなり、それは現実の世界でも大変役に立っております(笑)
めっちゃ関係のない話で濁してしまいましたが、えーと、なんというか、とりあえずやってみぃ! そしてまずは受け入れてみぃ! ってことです!
私にだって合う合わないはあります。エイリアン:アイソレーションとかステルスゲーですが挑戦する気はないです……。
今ならたしかStyxセール中ですし、見逃してなければ過去のGwGでゲット済みかもですね。