おはようございます。あるへです。
本日はこちら「アンラベル」のレビューです。
ちっこくて可愛い毛糸キャラクターが自身の紐を伸ばしてぴょんぴょんするパズル系スイングアクション、かな。
まず最も目を惹くのがグラフィック。
本当にリアルで自然な「自然物」が息を呑むくらいに美しく、花や土、砂、水の表現ももちろん、小動物などもすごくリアルで可愛らしかったです。
いうなればこれは、とても小さくて大きな世界。
雰囲気ゲーとしてはこれ以上にないくらいに楽しめることでしょう。
毛糸のヤーニーもリアクションが可愛いです。
ステージデザインがまた優秀で、各所に配置してあるパズルを解くための仕掛けがとてもナチュラルなんですよね。
なんというか、いかにも自然にそこに転がっている石ころ、とか、ちょっとしたデコボコ、みたいなのが、きちんとパズルに組み込まれているから驚きです。
そんな中、紐の引っかかるところには結び目の目印があったりしてわかりやすい。
一通りクリアするだけなら簡単……とは言い難いかな。
それなりに頭を使わないといけなかったり、後ろから迫ってくる中で正しいアクションを起こさないといけなかったり、割と即死ゲー、死に覚えゲーです。
クリアする分には雰囲気を楽しみながら散歩気分で歩きまわり、死んでもチェックポイントは非常に近いのでストレスはありません。
ちなみにこのチェックポイント、減ってしまった毛糸の長さを補充する役目も持っていて、非常に意義深い憎い演出ですよね。
本作にはある一つの大きなメッセージが込められていて、それはプレイしていくうえで理解できるのですが、その中の一つの仕掛けとして、「人生は続いていく」「絆も続く、紡ぐ」というメッセージもあります。
ヤーニーは毛糸の人形という設定で、ステージをクリアしながら長い旅路を歩むのですが、後ろに残る延々と続く一本の毛糸が、そのメッセージとリンクしており、とても印象的です。
ステージ中の四季の構成と時間の流れが後押ししていて、とても(目にも心にも)美しいデザインだと思います。
さて、そんなゲームなんですが、ちまちまちょこちょこした雰囲気の比重が大きいのでアクションゲームとしてはやや快適性に劣ります。
たとえばうまくスイングできず向こう岸にジャンプできない、とか、飛距離が足りずに水の中にダイブしてしまうとか。
本作には死なずにステージクリアという実績があり、こいつを目指す際、この痒い所に手が届かない仕様が足を引っ張ります。
幸いにも全て通しではないので、1ステージずつ埋めていけばいいのですが、タイミングが重要となるシーンがやはり厄介で、そういったシーンは序盤から中盤にかけて多いように感じました。
当然、慣れれば(特にスイングの癖や水回りの対処の仕方)ミスは減るし、ランダム性はほぼ無いので練習あるのみなのですが。プレイ中は、「このゲームは優しい顔したストレスゲーだな」などと思っていました(笑)
海のステージと沼のステージが特に難しいように感じます。
でもどっちもすごく雰囲気が良くて、乗り越えてしまえば好きなステージになるでしょう。
とにかく美しく自然な世界観と、印象に残る素敵なメッセージ、そしてその中で精いっぱい駆け回る愛らしいキャラの造形に傾注した作品で、言葉は少ないながらも思い出に残るゲームとなるはずです。
エンディングのスタッフロールなんかもごく自然な繋ぎ方で脱帽です。
リアル友人にやらせて隣で見ていても話が尽きないかもしれませんね。
良い作品でした!
タイトルも意味深ですよね。
貼れないもの、転じて記録しておけないもの、とかそんな意味かな。
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