おはようございます。あるへです。
本日はこちら「ライズ:サンオブローマ」のレビューです。
ONEのローンチタイトルとして話題になったアクションゲームですよね。あの頃観たPVは確かに綺麗で圧巻ではあったけども、無名のゲームだし、どんなゲームかもわからなかったので特に注目はしておりませんでしたけども。
個人的に、ONEと360で映像美の大きな違いというのは「光」の表現なんじゃないかなぁーと、ONEタイトルをいくつかプレイするうちに思うようになりました。
現実に普通に生活していて感じる、たとえば逆光によって周りが異常に暗く感じることとか、光源の周りが眩しくてぼやける(? うまく言い表せない 汗)とか、人間の目に映る、より自然な光らしく、明暗の差を表現できるようになったのかな。360では特に気にしたことがなかったように思うので。
……私の目が白内障とかの病気ではないと信じています(笑)
本作はそんなONEのグラフィックパワーをふんだんに使った豪華な作品です。
古代ローマの石の文化、種類の違う石たちの質感のリアルなこと。高台から見下ろす街や海が圧巻です。それから登場人物の表情だけでなく、肌の汚れ方、シミや傷跡などもすごいです。主人公のパパさんの歯の黄ばみ具合とかヴィタリオン軍団長の斜視っぽい目付きとか(もしかしたら気のせいかも)最高ですよ。
スタッフロールにさらっと、作るのに7年かかったとかそんなことが書いてあったように思うのですが、確かにこれは一朝一夕にはできないですよね。
動きも非常に自然的で、一番の見どころはなんといっても「処刑」アクションなんですが、主人公マリウスの挙動以外のNPC達の動きも、なんというか「継ぎ目」を感じさせずとても自然です。
まぁ、たとえばダブル処刑に入るときの敵の吸い込みだとか、段差を降りる時とか、ゲームとして優先したい部分はゲームっぽくはなってしまうのですが。
それにしたって全てのシーンが画(え)になるのは間違いないです。
ゲームを優先するで思い出しましたが、本作はリアル志向のアクションゲームなので蛮族の呪術師が魔法を撃ちだしたり主人公が空高く跳びあがったり必要以上に敵を斬り刻んだりはしません。お話はもちろんフィクションで、主人公は超人なのですが、あぁーもう動画を見ろ(笑)
曖昧な感覚の解説を動画頼みにしてしまいそうだ……。
迫力があって、キレがあって、現実にこんなことはそうそう出来ないのですが、ゲーム中の主人公の表情といい敵のやられ方といい、ものすごくリアリティがあって惹きこまれるんですよね。重い一撃、鋭い一撃などがよく出ているんです。
で、そんなキャラクターたちが暮らすローマやその近郊の地域も、非常に作り込まれていてリアリティに溢れています。ざらざら感などのごまかしのないつるっとすっきりしたコントラストで鮮やかに広がる大地なのですが、ジオラマっぽさは微塵もなく、開放的かつ退廃的な時代の空気をきちんと感じさせてくれます。
ふふ(笑)
そしてそんな中に突如として出現する、この時代に欠かせない建造物。
コロッセオの超技術が光ってます。
これも動画を見てもらえればわかるのですが、現代の技術を以てしてもこの仕掛けはまだ作れないと思います(笑)
こんなことをさらっとやってのけるのですが、あくまでこれはゲームであり、コロッセオの超技術にいらん設定を付けて実は超未来でしたなんていうオチはありませんのでご安心を。
あくまで(想像上の)古代ローマ時代であり、その時代の社会であり文明であり技術力であり、等身大のキャラたちが繰り広げる人間臭い黒歴史ストーリーです。その中にこの超技術コロッセオがめちゃくちゃ自然に溶け込んでるのが天晴(あっぱれ)です。リアルとゲームの融合の良いお手本ではないでしょうか。
なんか神様っぽい人も出てきますが各章視点での介入はごくわずかであり許容範囲だと思います。
俯瞰して見るとこいつらのせいなんだけどね。
若干ネタバレになりますがたとえ神の戯れにつき合わされたのだとしても彼らは始めから欲をむき出し(皇帝の権力への欲、マリウスの復讐への欲)にしており、本懐を遂げていると思います。神は神の御心で大局を見据えてはいたけれど人間に対しては背中を押す程度だったんじゃないかな。そういう暗黙の了解というか、「ゲームルール」。
基本シームレスというのも何気にすごいです。もちろんムービーの裏で次のステージのロードを行っているのでスキップできない箇所がたくさんあります。シングルプレイおよびマルチプレイでもやはりロードが長いのは仕方のないところ。ただ、ロードは長いけどうまく隠せているように思います。コントローラを握ってぼーっとする場面はそれほど多くはありませんでした。
ゲームとしては「バットマン」と言ってわかる人ならばほぼ100%理解できてしまうシステムです。
アーカムシリーズはこの戦闘システムを、スコアやコンボなどを持ってきて煮詰めました。そのお陰で非常に面白くなった反面ややシビアにもなったのですが、本作はこれをもっとラフに仕立て上げた感じでしょうか。
MADMAX(クリップ見たらそんな感じの戦闘してた。……やってみたい笑)といい、コレといい、バットマン:アーカムシリーズの戦闘システムは既にアクションゲームの一つのテンプレになっていると感じました。
いいぞー、これに各自のアイデアを練り込んでもっと作ってくれー。
決して浅くはないし、処刑もグロ表現が、よく日本で認可できたなと思うほどなので(ほぼ無規制と思って問題ないのですが、実は削除されたと思われる部分もありました。海外の動画でコレクティブルを確認していたのですが、その収集品を見つけるための手がかりとして近くの壁にある破廉恥な落書きを目安にしたのですが、私の言語圏ではその絵が存在しませんでした)、多少のミスはローマ人らしく(笑)気合でごまかしてごりごり盾に打ち込んでいく漢臭い戦闘が熱く、激しく、爽快で、血なまぐさいです!
ストーリーは可もなく不可もなく、と言いたいところですが第一章「落日」に幾つかの伏線が敷いてあったり、美しい映像とキャラの表情などで非常に映画的で良い王道でした。
コロッセオの終盤のシーンが怒りがよく表れていてゾクゾクしましたね(笑) 首を洗って待っていろ、と一緒に叫びたくなりました。
あと久しぶりにマルチプレイが面白かったです。本作には対戦モードがなく、全て二人で協力して何かするっていうモードです。あまり小難しいこと考える必要がなく、ばっさばっさと敵をなぎ倒して観衆を沸かせればいいので楽しめました。
楽しめた理由にはラグを感じなかったというのがあるのですが、これはいったいどういうことだろう。部屋を作るわけではないのでどっちがホストかわからないのですが、もしかして相手の外人さんたちはラグラグだったりしたのだろうか。
私にとってのマルチプレイの面白さとはラグを感じるか感じないか、ただそれだけで評価がひっくり返るほどなので怖いところです。
*後日、さらにマルチプレイを続けたところ、ホストとクライアントの関係がわかりました。
戦の神を選んだあとのムービーで左から出てくる剣闘士、つまり闘技場に入ってゲームが始まるとき、左にいる剣闘士がホスト、右がクライアントです。
どちらになるかはランダムですが、ホストになるともちろんラグはありませんが、クライアントになるとラグが発生します。
対人戦ルールはないのでプレイヤー間での問題はありませんし、敵は自分の環境で対応してくれるのでジャストガードのタイミングがずれることもありません。この辺は非常に遊びやすいです。
が、処刑アクションだけは一拍遅れて表示されてしまいます。
具体的に言えば、通常、一般雑魚は4回斬ると処刑マークが出て処刑アクションに移れるのですが、ラグがあるとこのマークの出現が一拍遅れ、視認した時には斬り過ぎて殺してしまっていた、ということが多くなります。
処刑をすると様々な恩恵が得られるので出来る限り決めたいところですが、たとえば4回斬ったら盾殴りで一拍間を置くなどの工夫が必要になってきます。
どの敵を何回斬ると処刑できるのか、盾持ちや二刀流はどこでヘビーアタックを挟むと効率よく削れるのか、どの敵に今何回斬りつけたのか等々、慣れてくるとこれらを計算しつつ立ち回るのが病みつきになりまっせ。
サバイバルなどでは体力が減り続け死活問題のようにも思えますが、普通に斬り殺しても体力は回復するので、そんな時は無理に狙わない方が逆に安定します。
アポロ神(処刑すると体力回復)は自分が処刑を成功させると相方の体力も回復するんですよ。優しいですよね(笑)
さて、ONEのマシンパワーをいかんなく発揮し、それを映像やらゲームクリップ機能やらで堪能できる本作ですが、ゲームとしては大分ありきたりな構成ではあります。
ルートは一本道。途中、攻略ルートが枝分かれしているように見えても、分岐はかなり限定的かつ結局変わりないです。
収集物は素直ですが初見ではどのステージも1、2個集めきれなかったのがすごく悔しいです(笑)
というのもグラはとっても綺麗なんですが、ゲーム的に行けるところはすごく限られていて、ぶっちゃけて言えば見えない壁がびっしりと張られています。
そのせいでこれはオブジェなのか背景なのか、インタラクトできるのかどうかがわかりにくくて。
同じに見えて壊せる壺壊せない壺があったり(置いてある高さや位置、種類)、行き止まりなのか登れるのかもわかりにくかったです。
一応、登れる場所には青い布がかかっていることもあるのですが、絶対ではないです。
そんな感じでしっかり見て回ったつもりが見逃していたことが多々あり、収集物の配置自体は素直ですが見つけるのは案外難しかったりします。
名作や傑作というにはまだ練り込みが足りないですが、堅実でシンプルな作り、ほどよく痛いグロ表現は素晴らしい加減ですし、ONEの世界への入り口としてもぴったりです。
比較的誰でも簡単に入り込める古代ローマという世界観も良いですよね。ある意味ファンタジーの源流ですし、「やられたら、やりかえさなきゃ!」と真顔で言える開放的な世界で暴れられるのがとても気持ち良かったです。
↓シングルプレイのあるステージでのプレイ風景、ローマいちの頑固者がおった。
↓マルチプレイのソロステージでの一場面、コンボがたくさん繋がったぜうぇ〜ぃっていうやつ。
・追記
マルチプレイをしてると勝手にONE子さんが30秒程度のクリップを無尽蔵に撮り溜めしてしまうのですが、たぶん仕様です。ローンチタイトルという経歴を鑑みるに、ONEの機能紹介を兼ねているんだと考えました。
保存しているのは本体のみなのであとで消しましょう。勝手にLiveにアップロードしてログを流すということまではしないので許してやりましょう(笑)
・さらに追記
Xbox360では本体で設定できた「振動をオフにする」機能が、ONEには無いんですね。ゲーム側の設定でオフにできないならば、そのゲームは諦めてブルブルするしかないです……よね?
・さらにさらに追記
グロ注意。
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Ryse、いいゲームです。
特に圧巻のグラフィックと非常にリアルな登場人物の表情や挙動(モーション)が見どころですね。
戦闘、楽しいですよね。
簡単な操作でありながら、ノーマル攻撃→カウンター→ヘビー攻撃の三すくみが成立しているのが奥深さの種だと思います。
戦闘に三すくみを採用しているゲーム、RPGは意外と多いと思います。ちょっと古いですが、スターオーシャン3などは軽重の攻撃にガードと三すくみを取り入れているし、更に古いですがネトゲの「マビノギ」も確か三すくみ戦闘だった気がします。
……もっと古いので「どかポン」なんかも三すくみでしたねw
何が言いたいかというと、このような戦闘方法を取り入れたRPGがこの先出てきてもおかしくないと思います、ということです!
Ryseのマルチプレイは貯めたお金で装備を買うことが出来(ある程度ランダム)、それらの装備品は様々なステータスを持っており、観客受けの良い剣闘士(クリア時のお金が増える)、経験値効率の良い剣闘士、フォーカスの溜まりやすい剣闘士など自分好みに装備させられます。このあたりにRPGっぽい成長要素を感じられるのではないでしょうか。
一つ鬼門があるとすれば、最高難易度での序盤(海岸のステージ)の味方が全滅する前に建物上の弓兵を一掃するシーンですね。何度もリトライして倒す順番やタイミングを吟味しないと辛いですが、逆に言えば厳しいのはここだけですので是非コンプを目指してみてください。