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2016年03月26日

177.Call of Juarez

コール・オブ・ファレス



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「コールオブファレス」のレビューです。

 こ、こいつぁ臭うぜ。B級臭がぷんぷんだぜってことで、決して駄作ではないと思います。
 64の007に毛が生えたような操作性、地面に映された影を見ると非常にシュールな走り方をしていたり、配色はリアルだけど動きが加わるとリアリティは飛んでいくグラフィック。
 古い作品なだけに慣れて自分がコールオブファレスの世界に溶け込むまで時間がかかるでしょう。
 かく言う私も初手はクソゲー扱いでした。
 割とFPSがしたかったのに、格好良くもない貧弱なキャラで銃撃から逃げ惑い、ワイヤーのスイング中Aボタンで勢いをつけてジャンプできるのを知らず、ゲーム中盤までスイングの勢いだけで奈落を飛び越えてました。イーグルマウンテン辺りでどうしても飛び越えられず、これに気づいたんですけど(笑)

 まぁそんな感じで最初のエピソードはアクションアドベンチャーが主となるビリーのお話です。何度も何度も死にながら「ああ、FPSやりてぇなぁ」とぼやき、判定のおかしい崖掴まりに四苦八苦したものです。

 ただ、ビリーのエピソードをクリアすると今度は撃ち合い主体のレイ牧師の視点に移り、こちらは「ファーストドロー」なども相まって結構気持ちよくガンマンになりきれました。
 無手の状態からRTもしくはLTで即座に銃を抜くとともに画面がスローになります。
 そこからBを押して、一丁早撃ちモードにして敵を三発くらいパパパン! と撃ち抜くのが私のセオリーです。
 だいたい一人撃ったらYのリロードで強制終了して、物陰に隠れて再使用を待つか、そのまま特攻ですね。
 レイ牧師はビリーなどとは比べ物にならないくらい強く、硬く、そしてファーストドローにも制限がないので、こちらの視点はとても楽しかったです。

 ただ、ビリーはビリーで撃ち合い戦闘とはまた違ったコンセプトなので、行けるところを探してあっちこっちだだっ広いフィールドを歩き回ったり、よじ登ったり、身を隠しつつステルスでエリアを突破したりと、これもエピソードが進むにつれて楽しくなってきました。

 一つ言えるのは、本作は死に覚えゲーなので、特に体力が低く、落下死も多いビリー編ではとにかく死にまくるでしょう。初見殺しなんかも多いです。

 次に戦闘に関してですが、AIはどうしようもなくおバカです。
 彼らはプレイヤーが近くにいると、射線が通っていようがいまいが、目視できてようがいまいがお構いなしに乱射を始めます。
 割と敵が遠く、主武器は基本連射が利かないので、敵がまだ残っているのかどのあたりにいるのか、発砲音で当たりを付けられるのは逆にありがたかったです。
 非常に暗く見辛いステージもいくつかあるので。

 もう一つ、敵は間を詰めてきません。
 曲がり角の手前など敵から完全に体を隠せるポイントを見つければ、そこはほぼ絶対的な安置となります。
 ダイナマイトもよく投げてきますが、明後日の方向です。

 そのくせ射撃の腕は超一流。
 ほんのわずかでも体が射線にかぶっていれば、米粒に見えるくらいの長距離からショットガン(!?)で正確に当ててきます。
 ライフルならまだしも、ショットガンでそれはないわぁ……。

 とはいえビリーの最強武器の弓と、レイ牧師のファーストドローが天下無双なので全然どうにかなります。

 そんなこんなで気が付いたら、しょぼくてちゃっちいクセにどうにも愛着が湧いてしまい、楽しいと感じている自分がいました。

 ボリュームは少ないと思います。
 エピソードは15ありますが、プレイしてみると意外とさくさく進んじゃって、一周クリアで13時間ほど。
 その後集め物(手配書は結構わかりやすい素直なところに置いてあるのですが、ボーナス武器は鬼畜な隠し方です。)をやっつけ、さらっとベリーハードをクリアしたところ(イージーよりかは死にやすいけど、それだけ。違いがわからないレベル)秘密の実績「西部の男」を解除する前に終わってしまいました。
 とりあえずボーナスモードで5秒放置したら解除されました(笑)
 ピッタリというか、超ギリギリだったんですかね(笑)

 例によって、というか人いなかったのでオン実績には手を付けていません。

P.S.
 ビリーとレイ牧師の体力ははっきり違う。ビリーは超柔らかい。ベリーハードになるとさらに虚弱になるが、撃ち合いは少なく、死ぬときは強制死亡が多いので問題なし。
 逆にレイ牧師はコートの下にプレートを着こんでるらしく、被弾すると「ガンッ」と金属音がする。
 こういう細かいところの作りこみがすごい。
 たぶん銃にもこだわってるんだろうけど、よくわからない。「レンジャー」が好きです。

 レイ牧師……かっこよすぎ、怖すぎ(笑)
 ビリー視点から見たレイ牧師の登場シーンがとんでもなく恐ろしく、かつ格好いいです。声(日本語)もぴったりはまってて人気高いだろうなぁ。
 逆にビリーは大分アウトですね。
 格好いいとは思えないし、序盤で結構必死になって銃を探すのですが、あっさり手放すし、そもそも何故そこまでして銃を欲しがるのかがわからない。治安の悪い街だから?
 そしてとどめ。「俺はビリー・キャンドル! もう逃げない!」うん、そこまでは良い。
 「だから気に入らない奴は皆地獄に送ってやる!」ええええ!?
 ま、まぁ、この作品は「西部開拓時代」ではなくてフィクションの「西部劇」がモチーフなので、こういうのは様式美なのかな。

 西部劇っていうと、わりと砂地が多いイメージだけど、本作の土地は緑豊かなのであんまり西部劇、って感じはしなかったかなー。
 でも最初の街のエンカウントはタンブルウィード(だっけ?)が転がってたり、「決闘」も慣れると(簡単簡単。銃声が聞こえたらその都度体をひねればいいだけ。その間にゆっくり狙って1ショット1キル)荒野の凄腕ガンマンの気分になれる。

 アクションアドベンチャーとFPSが交互に入り混じっており、また1vs1の決闘を始め、ファーストドロー、馬での追走など非常に「らしい」演出が盛りだくさんでとても楽しめました。
 洗練されてはいないけど、アイデアの活かし方がうまいんです。
 だからB級。

 続編のことは知ってるけど、どんな感じかはまったく知りません。
 大抵この手のゲームは、続きが出る度にただの撃ち合い凡ゲーになりさがっていくんだよなぁ。
 と余計な心配をしつつ。

 隠れた良作ですね。第一印象に惑わされなければ楽しめるでしょう。



更にP.S.
 実績「聖職者」、洋名「Religious Man」の説明がよくわからないですが、結果的に説明の通りです(なんのこっちゃ笑)。
 レイ牧師エピソードの時、彼専用の装備として聖書を持っていますが、これを左右どちらかの手に持って読み上げることで、たまに敵がサッと武器をしまって棒立ちになる瞬間があるんですね。
 効果は二、三秒ほどで特別な演出などもなくまた何事もなかったかのように撃ってきます。

 実績は、この敵がサッと武器をしまう動作を44回させることです。効果範囲などもわかりにくいですが、意外と広め? 目視できなくても範囲に入れば効果が出てる? 確率で成否が決まる? といった印象を受けました。
 とりあえず片手の聖書を連打しながら歩いていればいつの間にか解除されるといった具合です。

 ひるませることがカウント対象なので、その間に殺す必要はありません。
 そっけない効果ゆえに実績説明分を深読みしすぎて混乱しましたが、いざ解除となるとよくわからんうちに解除されて、印象の薄い実績でした。


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