しかし、秋がやってきて、ツバゴロウは南の国へ行かなければなりません。
ショウはとても寂しかったのですが、仕方のないことだと思っていました。
彼は今まで一度も海外へ行ったことがなく、ツバゴロウを羨ましく思いました。
そんなある日の朝、ショウが目を覚ますと、部屋の中がとても大きくなっていることに気が付きました。
正確には自分の体が小さくなっていたのです。
彼はツバゴロウよりも小さくなっていて、何と会話ができるようになっていました。
「おはよう」
と、一人と一羽が挨拶を交わしました。
「今日、ボクは南の国へ向けて、出発するんだ」
と、ツバゴロウが言いました。
「ボクも連れてって!」
と、ショウは言いました。
彼は思いもかけない言葉を口走っていました。
「うん、いいよ」
と、ツバゴロウがあっさりと返事をしたので、ショウは驚きました。
「でも、ボクの体は小さいし、体力も自信がない。そこで、ボクのお兄さんの背中に乗っていくといいよ」
と、ツバゴロウが言いました。
ツバゴロウは五人兄弟の末っ子で甘えん坊です。
そんなところが、ツバゴロウがショウに懐き、気が合ったのかもしれません。
ツバゴロウの一番上の兄は、ツバタロウと言いました。
彼は体格が良く、見るからに力強そうでした。
「ツバゴロウの友達なら大歓迎さ」
と、ツバタロウは言いました。
ツバタロウの趣味は筋トレで、暇さえあれば、トレーニングをしていました。
彼はダイナミックでアクロバットな空中飛行が格好良く、ツバゴロウはそんな兄が自慢でした。
あっという間に、南の国行きが決まってしまい、ショウは内心、ドキドキしていました。
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