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新訳ガンダムZZ (2)



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艦長「すまんなカミーユ。これが命令なんでな(銃を持つ)」
カミーユ「核兵器なんか使わないと言ったら僕は使いません」
艦長「そう言われると、こうしなきゃならねえんだよ(カミーユに銃を向ける)」
 ブリッジを出るカミーユ。
 廊下を歩くカミーユ。
銃を斜め下向きに構えた兵「これが、命令であります!」
歩いて通り過ぎるカミーユ。
ガンダムのコクピットの近くで銃を下向きに持って待っている女兵士。歩いて来るカミーユ。
女兵士「(銃を自分の背後に隠しながら)ごめんなさい」
背中に核ミサイルを2本積んだガンダムに乗るカミーユ。
 戦艦から飛び出て行くガンダム、荒野に着地する。
艦長の声「ターゲットはプログラミングしてある通りだ」
カミーユ「誰が撃つもんか」
軽くお辞儀するガンダム。
目を閉じていたカミーユ、目を開く。
ガンダムのコクピットのモニターに川沿いの市街が写る。
目を閉じるカミーユ、操縦桿を押す。
深くお辞儀するガンダム。
目を閉じていたカミーユ、目を開く。
ガンダムのコクピットのモニターに山沿いの市街が写る。
艦長の声「どうした、そこは自爆テロの無法地帯だぞ。早く核ミサイルで攻撃しろ」
目を閉じているカミーユ。
艦長「ミサイルでガンダムを威嚇しろ。そうしないと、こっちが上層部に攻撃される」
 カミーユのガンダムに飛んで来るミサイル。
 ガンダム、ジャンプして避け、ビームライフルで戦艦からのミサイルを撃破。
艦長「バカ!威嚇と言ったろ!」
オペレーター「ミサイルの照準機がエゥーゴにハッキングされています!」
 飛んで来るミサイルを次々撃破するガンダム。
クワトロ「カミーユくん、大丈夫か」
 リックディアスとアムロのガンダムがカミーユのガンダムを援護する。
艦長「なんだありゃ、シャアじゃないのか。攻撃中止!」
クワトロ「攻撃が止んだようだ。どうする」
アムロ「僕は核兵器を使わなかったカミーユの意思を尊重します」
クワトロ「ならば私も尊重しよう」
クワトロ「私がカミーユを救ったのは、人類を、永遠の命の時代へと改革せんがためです」
エゥーゴ上官「君は同じ事を言ったジオン公国のギレン・ザビが暗殺されたのを知らんのかね!」
クワトロ「そのジオン公国のギレン・ザビ自身が暗殺者であったかどうかなど、私の知らぬ事!」
エゥーゴ裁判官「つまり君、カミーユ・ビダンは上官の命令に逆らったばかりか、あのティターンズとも凶暴したと言うわけだ」
カミーユ「私は、永遠に生きたいだけです!そのために、無差別な無駄な犠牲は出して良いとは思いません!」
エゥーゴ裁判官「良い事を教えてやろう。永遠の命、知ってるか」
カミーユ「独身ですか」
エゥーゴ裁判官「私か。そうだ」
 爆発音。
エゥーゴ裁判官「また攻撃か」
 ガンダムに乗ろうとするカミーユを通せんぼする子供達。
子供「永遠に生きたい!」子供「永遠に生きたい!」子供「永遠に生きたい!」
 スペース・コロニーに着艦する移民艦。
カマリア・レイ「みなさん、よくこんな窮屈な所に住む気になりますね」
キッカ「地球は滅亡するんだよ。知らなかったの?」
カマリア・レイ「話は知っていました。でも、親に言われて、やったのよ。こんな私でも住ませてくれるかしら」
子供「あの人、誰」
子供「ガンダムを考えて作った人の奥さんだって」
 地球から少し離れて太陽に沿って放射状に並んでいる大艦隊。
「地球の温暖化が止まらなかったら、どうする。地球に住んでいる人間達にパニックを起こさせないために、スペース・コロニーの建設は、間に合うのか。スペース・コロニーを地球や太陽に落とさないために必要な動力の開発は、間に合うのか。今までは地球よりも太陽から遠く比較的温暖な火星に、空気を地球型に改造して住めば良いと考えていた。だが、それで間に合うのか。こうなったら、それぞれ少人数で、まとまって宇宙空間に住むしかない!全人類を地球から脱出させるのに、あと何隻こんな宇宙航空艦が必要なんだ。その建設材料は、あるのか。だから、もう誰も子供なんて作らないで欲しいんだよ!」
「ブライト艦長、カミーユが」
カミーユ「みんな、聞いているのか。地球は温暖化で、あと百数十年しか住めないんだぞ」
カミーユ「人類にはスペースコロニーの建設は無理で、宇宙艦隊を並べる事しか助かる手段も時間も無いかも知れない。それでも、火星の開発は続けよう。水を運んで、火星の二酸化炭素を遮断する建物を建てるんだ。そして密閉植物園を拡大する。それまで、大部分の地球の人々には宇宙に住んでいてもらう。地球が太陽に近付いて灼熱化するまで、地球の北極の夜からでも水を運び続けよう。他の星からだって運べるかも知れない。そして、火星を緑の惑星に変えるんだ。僕は今そう思っている」
カミーユの恋人「あなた、ガンダムのパイロットなのね」
 宇宙に並ぶ大艦隊でZガンダムの物語は終わる。
ナレーション「地球連邦政府は、地球の温暖化が加速しているとの報告を受け、急遽、会議を招集した」
議長「我々が考えていた地球圏内のスペース・コロニーは、幻であったという事が判明してきたのです」
エゥーゴ代表「では我々の幻覚である、スペース・コロニーを、どう弁明する気かね」
クワトロ「私から答えましょう。人類は、何が何でも生き延びる方法があると言う事です。地球よりも太陽から遠い惑星である火星圏内に、人類を移すのです。今後地球が更に太陽に近付いて、地球が温暖化どころか灼熱化しようとも、地球よりも更に太陽から遠い火星圏内であるなら、人類は容易に生活を営む事が出来るでしょう。スペース・コロニーは、火星を人類の住める空気の惑星に変える事に成功した後で、他に太陽系に人類の住める星が無いようであれば、いずれ火星も太陽に近付いて温暖化し、灼熱化するその前に、例え太陽が燃え尽きようとも人類が安全に住めるように、作れば良いのです」
ティターンズ代表「今それを決めるのは良いが、今からしか準備を始められないで、間に合うのかね」
クワトロ「絶対に間に合わせなければなりません!コネや金持ちでないと生き延びる事が出来ない人類世界であっては、絶対にいけません」
ナレーション「事態を重く見た地球連邦政府では早速、宇宙空間での自給自足が可能な宇宙艦隊の建造に着手したという。同時に、火星に地球資源を運搬するスペース・シャトルの建造も、地球が灼熱化するまで続けられると言う」

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