同紙によると、法案は「クリティカルミネラル(重要な鉱物資源)の世界生産の6割、精錬能力の85% 以上を支配する中国への依存からの脱却」が目的とされます。
クリティカルミネラルは脱炭素に不可欠です。
電気自動車( EV )のバッテリーにはリチウム、ニッケル、コバルト、発電機や駆動モーター用磁石にはレアアースがっ必要です。
風力発電など再生可能エネルギーの発電設備や蓄電池にもこれらの鉱物が要ります。
EV が必要とする鉱物資源の量はガソリン車の6倍、陸上風力発電は天然ガス火力発電の9倍とされます。
一方、コバルトの世界生産の7割がコンゴ(旧ザイール)、レアアースの6割が中国に偏在し、ニッケルの世界生産の5割を占めるインドネシアは未加工鉱石の輸出を禁止しています。
鉱石の精錬設備の大部分が中国に集中している事も問題です。
海底に眠る鉱物資源には、大別して四つの形態があります。
「海底熱水鉱床」は、マグマによって熱せられた熱水が周囲の海水により冷却される過程で、銅、鉛、亜鉛、金、銀、レアメタルが沈殿したもので、水深500〜3千m に世界で350カ所ほどの兆候地があるとされます。
日本周辺でも沖縄海域や伊豆・小笠原海域に多くの兆候地があり、日本は2017年に沖縄海域の水深1600m の海底で世界初の採鉱パイロット試験を行いました。
第2の「コバルトリッチクラスト」は水深千〜2500m にあるコバルト、白金などを含むもので、日本では南鳥島付近に存在が確認されています。
第3の「マンガン団塊」は、水深4千〜6千m のハワイ周辺の公海域に多く存在し、ニッケル、コバルトを含有しています。
日本を含む多くの国が探査鉱区を取得しています。
一方、深海には未解明の生態系が数多く存在するとされ、採掘によってそうした生態系が破壊されるとして、環境保護団体は深海採掘に強く反対しています。
日本銀行金融研究所 シニアリサーチフェロー(元日銀松山支店長) 下田 知行
愛媛新聞 世界経済纏めノートから
深海には鉱物資源が眠っているらしい。
実現には技術開発と外交力が問われるらしい。
電気・電子機器が廃棄されて生じる「電子塵」が6200万トンに上ったらしい。
電子塵に含まれた銅や金などの価値は910億ドル(約13兆8千億円)と推定されているらしい。
勿体ない。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image