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2019年10月18日

コールセンターの変遷


 コールセンターの歴史というのは意外と古く、12年目に差し掛かる私でも知らない昔があると思います。

 それでもこの11年で変わってきた部分と変わらない部分を感じます。
変わったのはソフト面、、、人間関係。特に上下関係が緩くなったことです。
変わらないのはハード面、、デスクにはPCと電話機があって、電話機メーカーはいまだ“Avaya(アバイア)”が幅を利かせていることです。

行く先々のコールセンターは、決まってAvayaの電話機ばかり。大きいセンターだとワンフロアーに何百台とあるのですから、日本のコールセンターだけでも全部で何台あるのか。

また、PC環境というのは、不自由しているのに変化がありません。
オペレーターと電話システムの橋渡しをする肝心なフロントエンドでありながら、オペレーションに合わせたPC環境でなく、既存のPC環境にオペレーションを合わせるという、主客逆転の関係が続いています。

PC操作に慣れた人ならショートカットキー([F1] 〜 [F12]や、[Ctrl] + [C]など)を使えば明らかに仕事は早くなるのに、慣れない人も使って誤操作が起きた場合、皆一様にマウスを使うよう周知される。
昔はそんな不合理なことが管理者から強要されていた。でも今は違います。

これはオペレーターの経験年数が延び、PCに慣れてきたのもあるでしょうし、若い人たちが増えていることもあると思います。

それでもPC環境がオペレーションに即していないのは変わらないことで、これはソフトウェア開発を外注しているからかも知れません。ソフトウェアを外注すれば多大な経費が掛かります。変更もしかり。

例えば、履歴を付けるのにプルダウンにはない項目を、増やせば良いのに他で代用する。
結果、新人が代用に使うものだと知らずに元のまま使い、後から見た人が
「これ、どっちよ?」
ということになってしまいます。

それでも以前、行ったセンターに一社だけ、即座に対応できるセンターがありました。
そこは社内に開発部門があったでしょうし、開発部門に顔の利く管理者がいたからできたことです。


 先日、驚いたことがあります。
チェーンの居酒屋で会計したときでした。

ノートPCでボックス席ごとに飲み放題の時間と会計を管理する画面が見えました。
が、よく見るとエクセルの画面なんです。きっと社内に詳しい人がいて開発しているのでしょう。
それくらいやって経費を詰め、顧客にコスト還元しているのですね。今の居酒屋というのは。

ですがそれをコールセンターでもするのは無理があります。
PCはCTIというシステムと連携させ、電話機と接続し電話の受発信を行います。
極端に言えば、居酒屋のシステムは社員が自宅で開発することだってできるでしょう。

しかし、個人レベルでCTIシステムを導入するのは金額的に無理です。
また自社開発するのに、できるかできないかわからない社員のためCTIシステムを導入してみるというのも現実的な話ではありません。

ですがコールセンターの管理者は大抵、コンピュータの知識に乏しく、開発部門の言いなりになっているんじゃない?という姿が垣間見えます。

このようにハード面ではほとんど変わっていないように思います。


 ソフト面では仕事がやりやすくなりました。
管理者から威圧的な部分が少なくなったからでしょう。
これはパワハラ、セクハラに厳しくなった結果だと思っています。
同時に、オペレーターたちも育ってスキルが高まったからというのもあると思います。

昔、かなり成績の良いオペレーターの発信が、クレーマーに架かってしまい
「(無駄にした)時間をどうしてくれるんだ?」
と因縁をつけられたそうです。
時間といっても1分もかかったかどうか。

クレーマーは明らかに金銭を要求したかったそうです。
でもそのまま言葉にしてしまうと恐喝になるので、クレーマーは回りくどい言い方をしました。
それに対してオペレーターが
「おっしゃっている意味がわかりませんが。」
と返したら、クレーマーはそこでキレたのだそうです。

そしたらオペレーターは、お客を怒らせたあなたが悪いと管理者に責められ、納得が行かず辞めていきました。
もったいない。成績の良いオペレーターだったんです。

他にも頬杖付いたら注意。足を組んだら注意。席を立ったら注意。
そんな管理者、怖いとは思いませんでしたが、見るのも接するのもイヤでしたね。

当時は、こっちにも非があるのかな?とも考えましたが、10人いれば10通りのスタイルがあります。
足を組む必要がない人もいるでしょうが、“十把一絡げ(じっぱひとからげ)”に管理されては困ります。
今なら人権侵害と言って良いかも知れませんね。

しかし昨年、研修中にこちらから辞退したセンターがありました。
そこは足を組んではいけないところでした。
ある日、ドアを解錠する正規のIDカードが発行される前、出勤するとドアが全開でした。

かなり早く着いてしまったので休憩室に入り座っていると、いつしか管理者が目前で仁王立ちになっており、
「なんで入ってきたんだ?」
と。

本来、入る前にインターホンで管理者を呼び出して仮のIDカードを受け取り、それから入らなければならないと。
それはわかる。だけどインターホンで呼ぶにはまだ早すぎる時間。

私は、
「ドアが開いていたから入ったんだ。」
どっちが悪いんでしょう?
強盗でも自由に入れる状況に、研修生である私が入るのはダメだという。

このようにまだ旧態依然としたセンターもあるようですが、それでも全体を見ればかなり乱暴な管理者はいなくなったと思います。これは、コールセンターが成熟してきた証なのかも知れません。












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