ラストシーンだけ鮮烈に憶えていた映画、やっと見ました。
映画、ビデオなど私はオンラインの契約をしておらず、ツタヤディスカスに頼っています。
そりゃスカパーとか契約すれば面白いものを見ることができるのでしょう。Huluなどにしかり。
でも、見る時間がありません。それは結婚を機にNHKの衛星放送を契約しても、まったくといっていいくらい見なかったことに始まります。
時間は作るものだから、私はそこまで見たくないのかも知れません。それとも見るときにはじっくり時間をとって観たいからなのか。
ツタヤディスカスでは毎月ディスク4枚までのプランに加入しています。ちょっと少ないように感じますが、これで充分。今日見た“小さな恋のメロディ”は、4月4日にツタヤディスカスから発送されたものです。
この4枚プランは返却期限がありません。その代わり月に4枚までだから2枚しか借りなくても月が替われば残り2枚分は翌月へ繰り越されますが、翌々月には消えてしまいます。
返さなければこっちも損をしているのです。
“小さな恋のメロディ”は1971年、イギリスの作品です。
イギリスとアメリカ、特にイギリスでは人気がなく、駄作とされたようです。
ところが日本では根強い人気があり、テレビでの放送でもかなり視聴率は良かったのだそうです。
音楽はビージーズ。私には後に映画、“サタデーナイトフィーバー”の“ステインアライブ”でブレイクしたバンドのイメージがあります。
“小さな恋のメロディ”の主題歌はご存知の人も多いでしょう。旋律を知らない人はいないと思います。
また仕事で電話を架けたことのある人は、保留音で聞いた可能性が相当、高いと思います。
私が鮮烈に憶えていたシーンというのは、主人公の二人が、映画のラストでトロッコを二人でこいで走って行くシーンでした。そのラストシーンだけ、見たのでした。
ラストシーンを見ただけでも、二人が何かから逃げている。二人は愛し合っている。
そのことは充分に伝わりました。しかし、どうしてそうなったのか、わかりませんでした。
そのシーンを見たのはいつだったか、まだ実家だったから、たぶん中学生の頃ではなかったか。
ラストシーンが印象的な映画はいくつもありますね。
“シェーン”なんか有名ですね。でも大体ストーリーは想像がつくので時間をかけて見たいとは思いません。
“自転車泥棒”これは悲惨そう。イタリア映画ならではの。暗くなってしまいそうだから見たくありません。
“小さな恋のメロディ”
まだ11歳の少年ダニエルは、お手本とされる優等生のようですが、本人にその自覚はありません。
どちらかというと流されやすそうな。それでいて芯はしっかりと持っています。
背景には体罰を伴う厳しい学校教育と、親の過干渉があります。
過保護に見えてしまうのは親のエゴ。
同じクラスのトムは家庭が荒廃しているのか、素行があまりよくない少年。
トムがいるグループは、爆弾を作ろうとしています。が、いつも失敗ばかり。
ある日、グループのしていることを覗いていたダニエルは見つかり、トムの誘いでグループに誘われるも、ダニエルはトムと仲良しになり二人でいることが多くなりました。素行が好くないのはトムでしたが、二人いるとダニエルが加担してしまうこともあり、ダニエルはいつの間にか問題児に。
男の子も女の子も、どちらも異性に興味を持ち始める頃、ダニエルはトムに誘われ、女の子たちがバレエのレッスンを受けている教室を覗きます。それが見つかり、教室に呼び入れられメロディと知り合います。
ある日、出席を取るとそれぞれのクラスにダニエルとメロディがいません。二人は学校をサボって海岸へデートしに行きます。そこでダニエルはメロディに結婚しようとプロポーズします。大人たちは大反対しますが、子供たちの計画は、、、
ダニエルがプロポーズしたのは家で見る両親の夫婦生活に疑問を感じていたからではないでしょうか。
そしてだんだんとラストシーンへ。
大詰めでは失敗ばかりだった爆弾がさく裂し、大人たちを退散させます。
大人は何でもできるという思い上がりを打破してくれます。それでいて子供の目線で見てしまいます。
ずっと見たかったラストシーンを見て、私は涙しました。
様々なしがらみの中で、愛するというのはこんなにシンプルなんだと。
--- 追記 ------------------------------------------------------
そして教わった気がします。
もう一度見て、最後にトロッコをこいでいく少年と少女は何も恐れない。
「勇気」だけなんだって。
-- 勇気 --
誰もが持っているでしょう。
持っていなければ、この世は生きていけません。
でも追われて生きる生活でいつの間にか忘れている「勇気」。
この映画では、普段ないがしろにされている勇気、深層から呼び起こされる。
だから無邪気で無垢で、真剣な子供たちに触発され感動させられたのかと思いました。
誰もが経験してきたことだから。
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