2020年05月31日
漫画
記憶の中には昔読んだ漫画が深く根付いているものだと思います。
私は二十歳のとき、事故でケガをして退院後、定期的に通院しました。病院が遠かったので、バスで3時間くらいかかります。飽きないように途中で読むため購読したビッグコミックオリジナルが、定期的に買って読んだ最後の漫画だったと思います。
今は漫画を読むことはまずありません。しかし子供の頃は今のように遊ぶものが多くはなかったので、昼は外で遊び、夜はマンガを読むか、プラモデルを作るという生活だったと思います。
漫画から多くの知識を得ました。雑学が多いですが、雑学でも大事なものです。
たとえば「純度100%のバカ。バカの天然記念物。」といった表現方法(笑)。
また漫画といえど、山岡荘八の「独眼竜政宗」ら歴史ものもあります。
先日、京都アニメーション放火殺人事件で青葉容疑者が逮捕状請求から10か月後、容態をみて入院先の病院で逮捕され京都府伏見警察署に移送されました。
青葉容疑者はやけどが全身の90%超。死亡率は95%超。
医師は
「治療に力を尽くしたのは、被害者と真相解明のためだ。罪に向き合って欲しい。」
と取材に答えたといいます。
皮膚の移植手術は5回に及び、10月上旬には会話もできるようになりました。
なのに容疑者は「意味がない」「どうせ死刑だから」と投げやりで病院食も拒むことが多かったそうです。
しかし医師が「私たちは懸命に治療した。君も罪に向き合いなさい」と繰り返し諭すと次第に態度に変化が現れたといいます。
昨年11月、転院時に容疑者は「他人の私を、全力で治そうとする人がいるとは思わなかった」と言ったそうです。
(読売オンラインより一部引用)
〜 どうせ死刑だから 〜
容疑者がどれほど不幸な人生を送ってきたかわかりません。
しかし罪のない人の命を奪うという、身勝手な犯行は決して許されるべきものではありません。
量刑は確かに死刑がふさわしいのかもしれません。
でも致死率95%超の命を、多大な労力と時間とお金をかけて救って、それは死刑にするためですか。
私は昔読んだ漫画、手塚治虫先生のブラックジャックにあった「二度死んだ少年」を思い出しました。
作品中、あるスラム街に住む少年は父親を殺し、警官に追われビルの7階から飛び降り、心臓は停止、瞳孔が開いています。しかし脳波はかすかにあります。
この難しい手術をブラックジャックは「せっかく自殺したんだ。させてやればいいだろう」と断ります。
そこで病院はコロンビア大学教授で外科手術の世界権威である医師に執刀を依頼します。
しかし手術は失敗。教授は裏でブラックジャックに泣きつくのでした。
手術は成功し、手柄は大学教授のものに。
ところが法廷で死刑が確定。少年が「いやだ」と叫ぶ中、ブラックジャックが「ひとこといいたい」と立ち上がり「この少年はいったん死んだんだ」「死刑にするため助けたんじゃない!!」「どうしてわざわざ二回も殺すんだ」「なぜあのまま死なせてやれなかった?!」
死刑になる少年は最後のひとことを聞かれ「おれの裁判のときにどなった人は誰ですか?」「ブラックジャックとかいう医者だよ」「その人にありがとうと伝えて下さい」と最期を迎えます。
この作品と京都アニメの事件とを同じく考えることはできません。しかし彷彿とさせられました。
逆のパターンとして、容疑者死亡のまま書類送検されましたという場合があります。
これは被害者や遺族に対し居たたまれない傷跡を残すでしょう。
青葉容疑者は定時制高校を卒業したのち、21歳のとき父が自殺。窃盗やコンビニ強盗をし服役したといいます。その頃から自暴自棄だったそうです。彼が犯した罪状は日本に終身刑があっても足りないかも知れません。それ以前に殺人のない世の中にならないものでしょうか。
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