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人工授精は洗浄濃縮した精子を子宮の奥へ注入する治療法なのですが、この独特のやり方ゆえに少々注意しなければならない点があります。

細菌感染の危険性


長い注射器の先を膣から子宮の奥に挿入する以上、外部の雑菌や注入する精子自体に含まれてる雑菌がそのまま子宮の奥に入り込む可能性があります。
なので運が悪いと子宮内膜炎や卵管炎。果ては腹膜炎を引き起こす可能性が出てきます。

生きている精子を取り扱う以上は強力な消毒はできないため、これは仕方のないリスクといえます。そこで病院では人工授精を行った時は2日間抗生剤を飲むことで対策をとっています。

プチ人工授精


たまたまネット上で人工授精に関するQ&Aを見たとき「プチ人工授精」と称して

「自分で採取した精液を膣内に注入したいから、それ用の注射器を売っているところを教えて欲しい」
という旨の記述を見かけました。

専門機関の大学病院ですら細菌感染に留意して抗生剤まで服用させているのに、とんでもない自殺行為です。第一どこまで差し込めば子宮の奥に到達するかなんてわからないでしょうに。
「プチ」なんて表現を使っているから一見気軽でかわいらしく思えますが、自分の内臓に不潔な異物を突っ込む行為でしかありません。第一精液も雑菌だらけでしょう。書き込みをみて空恐ろしくなりました。

ただ何らかの理由で膣内に射精ができないから、子宮の内部ではなく膣内にスポイト等で注入するのはありかなとは思いましたが、病院的にはどうなんでしょうね。全然意味無いというか不妊治療をなめているだけのような気もしますが。

とりあえずは間違っても自分で子宮の奥に精子を送り届けようなどとは考えないように!!

人工授精の後


人工授精を行った後は

  • 血の混じったおりものが出ることがあります

  • 発熱や痛みなど感染の兆候が出る場合があります。この場合は即病院へ

  • 妊娠の確率を高めるために性交しても大丈夫です


だそうです。様子を見て血が出てないようだったら仲良ししてチャンスを広げたいところですよね。hCG注射もしていることだし。

ところでこのhCG注射って何だと思いますか?
hCGは『ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン human chorionic gonadotropin』と言います。
妊婦さんの胎盤で作られるホルモンなんですよね。
妊娠検査薬ってあるじゃないですか、あれは尿に含まれるhCGホルモンの有無をチェックしているんです。

つまりhCG注射の大本は妊婦さんのおしっこで、これを精製したものがhCG注射となります。
これを注射されると

  • 成熟した卵胞が排卵される

  • 黄体ホルモンの補充が行われる(ふかふかのベッドが作られる)


といった効果が発揮されます。

ちなみにhCG注射をすると、その性周期中に妊娠反応が陽性状態になることがあるそうです。

妊娠の可能性は?


人工授精は自然妊娠よりも妊娠の確率は上がりますが、大体5%〜10%が妊娠成功率のようです。かなり低く見えるかもしれませんが、自然妊娠しにくい不妊治療中の女性の妊娠率ということに注意してください。

人工授精で妊娠する女性は大体5〜6回ほどの人工授精で成功するそうです。
なのこの回数を目安にして妊娠に至らない場合は、腹腔鏡検査や体外受精にステップアップを考えます。

ちなみにうちの奥様が通った病院では人工授精1回で約20,000円かかりました。結構高いですよね。でもこの段階で妊娠できたら幸せですよね。



貴重なご意見ありがとうございます!

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