2013年10月08日
マレーシアのレゴランド その2
前回はジョホールバルの開発状況の話で終わってしまいました。
ここからがレゴランドの話です。
タクシーで街の中心部から40分間ほど郊外を行くと、
まだところどころで赤土をほり返しているだだっ広い土地の真ん中に、
大きな「LEGOLAND MALAYSIA」の看板が見えてきました。
‥いったい、どういうわけでこのジョホールバルにレゴランドを作ったのか、
といぶかしく思えるほど、周囲には本当に何もありません。
荒野に忽然とテーマパークが現れた感があります。
しかしこれこそは、将来的にジョホールバルが大いに栄えることを見越しての、
レゴ社の巨大な先行投資なのでしょう。
レゴランドマレーシアは昨年9月15日に開園したのですが、1年目にして、
巨大な水上滑り台の工事が、10月21日の稼働開始を控え急ピッチで進んでおりますし、
隣接するレゴホテルも外観はほぼ整い、これから内装を進めようという様子です。
これらをみても、このレゴランドが、まだまだ規模拡張の途上にあることがうかがい知れます。
それでもレゴ社の発表によれば、開園以来の入場者数は既に100万人を超えており、
当初見込みを70%上回る盛況ぶりだとか。
‥1年で100万人ということは、一週間で約2万人ということ。
これが計画より70%上回っていたということは、
ざっくり計算して当初一週間の入園者数を12,000人ほどと見積もっていたことになります。
これだけの規模のテーマパークで、一週間の入場者数が12,000人というのは、
かなり控えめな数値といえるのではないでしょうか。
ちなみに東京ディズニーランドとディズニーシーの昨年の年間入場者数が27,502,000人ですから、
同様に計算すると、一週間の入場者数は550,040人だったことになります。
いずれにせよ、レゴ社でも、ここレゴランドマレーシアが本当の集客力を発揮するのは、
まだまだ先の話と踏んでいたのではないか、という気がします。
とはいえ、確かに、僕たち家族が訪問した日も、
押し寄せる観光客の波というのは全く見当たりませんでした。
入口前のショッピングモールも人影はまばらですし、
入場券販売エリアに並んでいる人もほとんどいません。
来ているのといえば、小学校の団体くらいです。
しかし二日前にシンガポールのユニバーサルスタジオで、
人気アトラクション前で毎回数十分待たされた僕たちにしてみれば、
このシチュエーションは願ったりです。
早速入場!
入口のフェンスのところにも、柵を乗り越えようとしている少年少女の姿がレゴで再現されていて、
遊び心いっぱいです。
入園すると、至る所にレゴキットやレゴランドグッズやフィギュアのキーホルダーなどを
販売しているお土産屋さんが並んでいます。
帰りがけに子供にねだられて、ここで買い物をしていく観光客も多いでしょう。
メインストリートを抜けると、そこにはレゴランドの目玉ともいえるレゴの街!
マレーシアの有名建築物を中心に、モスク,駅舎,高層ビル,橋,繁華街などが立ち並び、
それらの間を行き交うバス,電車,船、思い思いの格好をした人々など‥。
すごいです。
これ、本当に全部レゴでつくったの?と見まがうばかりの光景です。
建物の壁を再現するにも、別の色を混ぜ合わせたりして、
壁の崩れ具合や、塗装の剝げ落ちた様子まで事細かに組まれていて、
まさに僕たちの生活の中に息づく街が表現されています。
白い壁を白いブロックのみで組んで、
結果として人間の息吹の感じられない無味乾燥な壁にしてしまう、
ということがありません。
更にこのレゴの街のすごいところは、出来合いのフィギュアを一体も使っていないところです。
日本のお台場のレゴランド・ディスカバリー・センター東京で再現されていた東京の街並みでは、
行き交う人々はみなフィギュアを使っていました。
しかしここレゴランドマレーシアでは、人間も全てパーツを組み合わせて作られています。
ですから人間のちょっとしたそぶりもよく表現されていてとても楽しい。
カフェからコーヒーを片手に出てくる、ネクタイにワイシャツ姿のビジネスマン、
広場でダンスに興じるサングラスをかけた男性、
ドレスをまとって立ち話をしている女性、
工事現場を監督しながら、上司に携帯電話で報告をするスキンヘッドの黒人、
はては壁を伝って飛び回るスパイダーマンなど‥。
どれも生き生きとして街の中のごくありきたりの風景としてとけ込んでいます。
正直言って、こんなドでかい街並みのセットの中で、フィギュア一体一体の何気ない動作なんて、
ほとんどの観光客が目に止めることもなく、通り過ぎて行ってしまっていることでしょう。
にもかかわらず、ここまでこだわってありふれた人間の普通の動作を表現しようとする、
その心意気に感動しました。
‥できることなら一日中眺めていたい。
眺めていてもきっと飽きることもないでしょう。
以前記事にも書きましたが、レゴというのは媒体であり、
作成者がどのように対象を捉えて表現するかで、
同じレゴで作った作品でも、その素晴らしさがまったく変わってきます。
そしてこのレゴランドで表現されている街は、まさに芸術の域に達するものだと思います。
このミニチュアを手掛けた人々は、優れたレゴビルダーであると同時に、
きっと優れた街の観察者であるものと信じます。
‥残念ながら、僕一人の旅ではないので、子供たちを引き連れてアトラクションも
回らなければならず、ずっとこの場で眺めていることができません。
しかしレゴファンの方ならずとも、是非一度このレゴの街を見て頂き、単なるおもちゃに
止まらないレゴの素晴らしさを実感して頂ければな、と強く感じました。
ここからがレゴランドの話です。
タクシーで街の中心部から40分間ほど郊外を行くと、
まだところどころで赤土をほり返しているだだっ広い土地の真ん中に、
大きな「LEGOLAND MALAYSIA」の看板が見えてきました。
‥いったい、どういうわけでこのジョホールバルにレゴランドを作ったのか、
といぶかしく思えるほど、周囲には本当に何もありません。
荒野に忽然とテーマパークが現れた感があります。
しかしこれこそは、将来的にジョホールバルが大いに栄えることを見越しての、
レゴ社の巨大な先行投資なのでしょう。
レゴランドマレーシアは昨年9月15日に開園したのですが、1年目にして、
巨大な水上滑り台の工事が、10月21日の稼働開始を控え急ピッチで進んでおりますし、
隣接するレゴホテルも外観はほぼ整い、これから内装を進めようという様子です。
これらをみても、このレゴランドが、まだまだ規模拡張の途上にあることがうかがい知れます。
それでもレゴ社の発表によれば、開園以来の入場者数は既に100万人を超えており、
当初見込みを70%上回る盛況ぶりだとか。
‥1年で100万人ということは、一週間で約2万人ということ。
これが計画より70%上回っていたということは、
ざっくり計算して当初一週間の入園者数を12,000人ほどと見積もっていたことになります。
これだけの規模のテーマパークで、一週間の入場者数が12,000人というのは、
かなり控えめな数値といえるのではないでしょうか。
ちなみに東京ディズニーランドとディズニーシーの昨年の年間入場者数が27,502,000人ですから、
同様に計算すると、一週間の入場者数は550,040人だったことになります。
いずれにせよ、レゴ社でも、ここレゴランドマレーシアが本当の集客力を発揮するのは、
まだまだ先の話と踏んでいたのではないか、という気がします。
とはいえ、確かに、僕たち家族が訪問した日も、
押し寄せる観光客の波というのは全く見当たりませんでした。
入口前のショッピングモールも人影はまばらですし、
入場券販売エリアに並んでいる人もほとんどいません。
来ているのといえば、小学校の団体くらいです。
しかし二日前にシンガポールのユニバーサルスタジオで、
人気アトラクション前で毎回数十分待たされた僕たちにしてみれば、
このシチュエーションは願ったりです。
早速入場!
入口のフェンスのところにも、柵を乗り越えようとしている少年少女の姿がレゴで再現されていて、
遊び心いっぱいです。
入園すると、至る所にレゴキットやレゴランドグッズやフィギュアのキーホルダーなどを
販売しているお土産屋さんが並んでいます。
帰りがけに子供にねだられて、ここで買い物をしていく観光客も多いでしょう。
メインストリートを抜けると、そこにはレゴランドの目玉ともいえるレゴの街!
マレーシアの有名建築物を中心に、モスク,駅舎,高層ビル,橋,繁華街などが立ち並び、
それらの間を行き交うバス,電車,船、思い思いの格好をした人々など‥。
すごいです。
これ、本当に全部レゴでつくったの?と見まがうばかりの光景です。
建物の壁を再現するにも、別の色を混ぜ合わせたりして、
壁の崩れ具合や、塗装の剝げ落ちた様子まで事細かに組まれていて、
まさに僕たちの生活の中に息づく街が表現されています。
白い壁を白いブロックのみで組んで、
結果として人間の息吹の感じられない無味乾燥な壁にしてしまう、
ということがありません。
更にこのレゴの街のすごいところは、出来合いのフィギュアを一体も使っていないところです。
日本のお台場のレゴランド・ディスカバリー・センター東京で再現されていた東京の街並みでは、
行き交う人々はみなフィギュアを使っていました。
しかしここレゴランドマレーシアでは、人間も全てパーツを組み合わせて作られています。
ですから人間のちょっとしたそぶりもよく表現されていてとても楽しい。
カフェからコーヒーを片手に出てくる、ネクタイにワイシャツ姿のビジネスマン、
広場でダンスに興じるサングラスをかけた男性、
ドレスをまとって立ち話をしている女性、
工事現場を監督しながら、上司に携帯電話で報告をするスキンヘッドの黒人、
はては壁を伝って飛び回るスパイダーマンなど‥。
どれも生き生きとして街の中のごくありきたりの風景としてとけ込んでいます。
正直言って、こんなドでかい街並みのセットの中で、フィギュア一体一体の何気ない動作なんて、
ほとんどの観光客が目に止めることもなく、通り過ぎて行ってしまっていることでしょう。
にもかかわらず、ここまでこだわってありふれた人間の普通の動作を表現しようとする、
その心意気に感動しました。
‥できることなら一日中眺めていたい。
眺めていてもきっと飽きることもないでしょう。
以前記事にも書きましたが、レゴというのは媒体であり、
作成者がどのように対象を捉えて表現するかで、
同じレゴで作った作品でも、その素晴らしさがまったく変わってきます。
そしてこのレゴランドで表現されている街は、まさに芸術の域に達するものだと思います。
このミニチュアを手掛けた人々は、優れたレゴビルダーであると同時に、
きっと優れた街の観察者であるものと信じます。
‥残念ながら、僕一人の旅ではないので、子供たちを引き連れてアトラクションも
回らなければならず、ずっとこの場で眺めていることができません。
しかしレゴファンの方ならずとも、是非一度このレゴの街を見て頂き、単なるおもちゃに
止まらないレゴの素晴らしさを実感して頂ければな、と強く感じました。