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2013年08月11日

西洋の「竜」と東洋の「龍」

レゴで「龍」を作ったところで考えてみました。
この空想上の生き物についてです。

子供たちにはよく日本や海外の昔話の絵本を読んで聞かせていますが、洋の東西でこの「リュウ」に対する考え方はかなり異なっていますね。

「ねむりひめ」などの西洋のおとぎ話に出てくるのはいわば「竜」で、要は悪の化身です。魔女が化けて、人々を襲って困らせる存在です。最後には人間にやっつけられてしまいます。

それに対して日本の昔話に登場する「龍」というのは、確かに人々から畏れられる存在ですが、必ずしも悪者ではない。むしろ神の化身で、悪いことをしている人々を懲らしめたり、幸運を呼ぶ生き物として捉えられています。

中国では、「龍」は古くから権力の象徴とされ、皇帝の着用する装束や宮殿などにもみな「龍」があしらわれてきました。

だから西洋でいう「ドラゴン(竜)」を、そのまま東洋の「龍」に当てはめるのは、本当は違うような気がします。

誰が「竜」を「龍」と訳したのでしょうかね。
「竜」と「龍」を混同した西洋の人たちが中国や日本にやってきて、「龍」を崇拝している光景をみて、「野蛮な文化だ。」なんて思ったりはしないのでしょうか。

‥そう考えてよくみてみると、「竜」と「龍」はあまり似てもいません。

「竜」にはコウモリのような翼が生えていて、これで空を飛びますが、「龍」はそんなものがなくても飛べます。
それに「竜」にはわりと太い前脚と後ろ脚があって、それで地面に踏ん張って立ちますが、「龍」は飛んでばかりいて退化してしまったのか、脚はか細いものです。爪だけは長くて鋭い。

全体的に見て、「竜」は胴体の長さも短くて、トカゲのようです。「龍」はむしろ蛇みたいで長い体をしています。

また「竜」は火を吐く放火魔ですが、「龍」がそんなことをするとはあまり聞いたことがありません。

「竜」が狼藉をはたらいている場面はおとぎ話でよく目にしますが、「龍」が、たとえ悪い人間を懲らしめるようなケースでも、人を傷つけたり、あやめたりする場面というのは、なかなか想像しにくいのではないでしょうか。

たいてい、「龍」をみた人間が、その姿に腰を抜かす、びっくりしてほうほうの体で逃げ出す、というだけで、「龍」が人を襲っている姿って、あまり見かけない。



全く僕の想像の中だけで話をしています。しかしあながち間違いでもないと思うのですが。

その証拠に、といっていいのかどうかわかりませんが、レゴのキングダムシリーズにも「竜」のフィギュアがありますね。これはまさに「竜」です。「龍」ではありません。

「竜」とは人が戦って征服するものだが、「龍」は人智をはるかに超えた存在で、我々人間がどうこうできる存在ではない。 脚が退化するほど天高く悠々と飛んでいて、決して人間の手には届かない。「竜」のように地面にどっかと立って、人間と同じ目線で暴れまわるような、そんな小さな存在ではない、という根本的な違いがあるように思います。

ただ単に、空想上の生き物,大きな獣,強そうだ、堅そうだ、というだけで、昔の誰かが「竜」と「龍」とを結び付けてしまったのでしょう。
でも、やはり「竜」と「龍」は別物なのです。

次回「龍」を組む時は、そういうことも考えて、もっと「龍」らしい作品に仕上げたいと思います。





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月雲の父
神奈川県葉山町生まれ。 子供の頃からレゴに親しむ。 特技:合気道,中国語。 趣味:レゴで遊ぶこと,コーヒーを飲むこと。 1999年より中国広東省深セン市に居住。 現地採用社員として日系企業に勤務。 娘:月と息子:雲の父。
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