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2015年07月19日

2015年7月17日(金)に、NHKラジオ第一「すっぴん!」「源ちゃんのゲンダイ国語」のコーナーで紹介された本 その3









それでは二冊目の「江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)」を紹介します。



日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」、他に「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」。
江戸川 乱歩は、大正から昭和期にかけて主に推理小説を得意とした小説家・推理作家である。また、戦後は推理小説専門の評論家としても健筆を揮った。実際に探偵として、岩井三郎探偵事務所に勤務していた経歴を持つ。

「推理小説は、震災や戦争の後によく出る。なぜか? その理由は…」

高橋源一郎さんは番組の中で次のように話していました。

前の二冊とちょっとおもむきが変わります。前の二冊は戦争小説と戦争のドキュメンタリーなんです。太平洋戦争のあとに書かれた文学です。こちらは時代が違います。この傑作選には9つの短編が入っています。「D坂の殺人事件」とか「屋根裏の散歩者」「芋虫」などが入っているが、「芋虫」を除けばほとんど大正時代の末期に書かれています。推理小説なんですね。なんでこれをもってきたかというとですね、「芋虫」という有名な短編が「キャタピラー」という映画になっています。戦場から戻ってきて、四肢を失って、耳も聞こえず、喋れなくなった夫と、介護をしている妻。そういう体になってしまった。男女のなんとも言えない愛情を描いた小説なんですけども、これはまあ、乱歩自身もいっていますけども、別に反戦小説ということではなくてね、まあ、グロテスクなところでも生きる人間の愛情を描きたかったと言っているんですけど。

実はこの「芋虫」は発禁になっちゃったんですね。昭和4年に発売されて、しばらく出てたんですけど、戦争に向かうようになって発売禁止になった。そして発売禁止になった後に、他の江戸川乱歩の作品も戦争中は発売中止になっちゃった。出版社が自主的に中止したと言われている。ようするに、乱歩のような作品は、戦争中は読んじゃダメという。でも推理小説ですからねえ。「芋虫」に関してはまあ反戦ととられなくもないけど、他の作品は娯楽といいますか、推理を楽しむ作品なんですが。

なぜ乱歩が目の敵にされたかというと、いろいろ考えられるんですけど、ひとつこういう考え方があります。推理小説とかミステリーは、いわゆる大量死、震災とか戦争とかの後に読まれるというふうに言われている。江戸川乱歩自身も関東大震災の直後から執筆活動を本格化させている。

なぜかというと、震災とか戦争ってものすごいたくさんの人が死んじゃうじゃないですか。もうだれかわかんないように。で、このミステリーとか推理小説っていうのは、一人の殺人、一つの遺体をめぐって犯人をさがすでしょ、一人の死が大事にされているんですよ。だから大量死っていうことにたいする反発から書かれるって言われているんだよね。もう死んじゃっておしまいじゃなくて、一人の死の犯人を探す。これはまあ、大量死ってものにたいする反抗的な気持ちから推理小説が出てるって言われている。

そして推理小説は犯人を探す。じゃあ大量死、犯人はだれだという視点をもつこともできる。震災で自然だからしょうがないとか、戦争だからしょうがない。でも探偵が出てきて「犯人はどっかにいる」。これはまあミステリーが持っている反権力性って言われている。その代表が江戸川乱歩だったんで、乱歩のような存在はいるだけで目ざわりだったんですね。今年は戦後70年ということでこういう小説を読んでいろいろ考えてみたいなあと思いました。

以上で今回の、「すっぴん!」「戦後70年の夏休み、おすすめ図書」としての3冊の紹介を終わります。

「源ちゃんのゲンダイ国語」で取り上げた本をまとめてご紹介します。 
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