2020年04月04日
新型コロナウイルスの感染力が100倍に増大!密閉・密集・密接の「3密」の危険性とは?

【政府・厚生労働省の新型コロナウイルス (COVID-19) 情報】
▢厚生労働省:感染症の特徴
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html#tokucho
▢首相官邸:感染が疑われる方へ
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/coronavirus.html#c3
▢国際感染症センター:症状・診断・治療概要
http://dcc.ncgm.go.jp/index.html
新型コロナウイルス感染症対策として、
クラスター(集団感染)の発生を防止するためには、
『「3密」が揃った場所を避ける』ことが重要だと指摘されています。
「3密」とは「密閉」「密集」「密接」を指し、
具体的には次の3つの場所・行為です。
1. 換気の悪い密閉空間
2. 多数の人が密集する場所
3. 近距離での密接な会話や発声
これらの「3密が揃った場所」では、風通しの良い屋外に比べて、
エアロゾル化されたウイルス飛沫が長時間の感染力を保持できることから
ウイルスの感染力は100倍にも増大すると想定されます。
今回は、この3密が揃った場所でのコロナ集団感染の危険性や
換気の悪い密閉空間ではエアロゾル化されたウイルス飛沫が、
長時間の感染力を保持できる理由などについてお伝えします。
【目次:記事内容と要点】
Ⅰ.3密が揃ったコロナ集団感染の危険性
●日本国内で3密が揃ったクラスター(集団感染)発生の例
Ⅱ.3密が揃った場所で集団感染が起こる理由
●風通しの良い屋外では、2mの距離で感染しない(ソーシャルディスタンス)
●換気の悪い湿度の高い密閉空間では、「エアロゾル感染」が起こりやすい
●換気が悪く湿度の高い密閉空間では、クラスターが発生しやすい
●換気が悪く湿度の高い密閉空間では、100倍以上も効率よく感染できる
Ⅲ.米国のエアロゾル化実験によるコロナウイルスの生存時間
Ⅰ.3密が揃ったコロナ集団感染の危険性

換気の悪い密閉空間で起きたインフルエンザの集団感染として、
空調が3時間停止した飛行機内で,1名の患者から37名に感染した例があるという。
空調が3時間停止した状態の飛行機内とは、
まさに「密閉」「密集」「密接」の3密が揃った集団感染が起こり得る条件だと言えます。
日本国内で3密が揃ったクラスター(集団感染)発生の例
日本国内で起きたクラスター(集団感染)の発生例の中で、
3密が揃った場所で起きたと思われるケースとして次の例などが挙げられます。
・東京都の屋形船で起きた15人以上のクラスター
・北海道のライブバーで起きた10人以上のクラスター
・大阪府のライブハウスで起きた50人以上のクラスター
・京都府の大学のゼミ懇親会やカラオケ会で50人以上のクラスター
・東京都渋谷のライブハウスでの複数の感染者確認
〇大阪府の4つのライブハウス参加者の感染者は16都道府県の83人
大阪府大阪市の4つのライブハウスで発生したクラスターの連鎖。
3月12日以降はライブハウスでの新たな感染者は確認されていないもようです。
3月19日に吉村洋文知事は、
「大きなクラスターを制圧できた」とライブハウスでのクラスターの終息を発表。
大阪市内の4つのライブハウスで発生したクラスターで感染した参加者は、
16都道府県にまたがる83人に上り、全国で発生したクラスターの中でも最大規模。
なお、これらのクラスター感染者と接触した家族や同僚など数十人への
二次・三次感染も確認されています。
この4つのライブハウスは、まさに「3密が揃った場所」の典型的な例です。
①換気の悪い20坪程度のスペースに(密閉)
②総立ちですし詰め100人もの観客が(密集)
③肩がふれあうほどの近距離で歓声や発声(密接)
というような状態が推測できます。
おそらく、興奮した観客の吐息や発汗、歓声や発声などで、
室内が霧や霞などの様なエアロゾル状態になっていた可能性があります。
このようなエアロゾル状態に感染者が一人いるだけで、
感染者の吐息や歓声・発声から放出されるウイルス飛沫は、
想像を超える感染力を保持する可能性が高くなるのです。
〇京都府の京産大のゼミ卒業祝賀会&カラオケ会&地元交流会でのクラスター発生
4月2日現在で、
京都産業大学でのクラスター(集団感染)発生に関連する感染者は54人。
このうち、10歳未満の男子小学生にも感染が確認されています。
ヨーロッパを卒業旅行で廻った学生が、
ゼミの卒業祝賀会やカラオケ会などに参加したことでクラスターが発生しています。
さらに、この学生は地元井手町職員らとの交流会にも参加しており、
10歳未満の男子小学生とは、この交流会で感染した職員の息子だとのこと。
ゼミの卒業祝賀会・カラオケ会・交流会の全てが
「3密の揃った場所」に該当するのか否かは分かりませんが、
少なくとも「密集」と「密接」の2つは該当すると想定できます。
〇東京・渋谷のライブハウスは感染防止策を講じていたが・・・
3月20日夜に東京都渋谷区のライブハウスで開かれたコンサートの出演者から、
新型コロナウイルスへの感染が複数人確認されたことが4月3日に判明。
このコンサートへの出演者は十数人で、来場者は50人程度だったらしい。
ライブハウス運営会社は、出演者の感染を確認し、
3月30日に保健所に相談後、現在は休業しているとのこと。
ライブハウスの運営会社は、
・入り口で手の消毒液を用意し、
・公演中はマスク着用をしてもらい、
・50人に入場制限(100人可能)して間隔を空ける
などの対策を講じて慎重に営業したとされている。
しかし、最も重要なことは、
空調設備が揃っていて十分な換気が行なわれていたか否かです。
なぜかというと、換気の悪い密閉空間では、
エアロゾル化したウイルス飛沫は乾燥せずに長時間の感染力を保持し、
2m程度の間隔やマスクの着用といった防護策も通用しなくなるからです。
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Ⅱ.3密が揃った場所で集団感染が起こる理由
3密が揃った場所では、なぜクラスター(集団感染)が発生するのでしょうか?
その理由についていくつか取りあげて説明していきます。
風通しの良い屋外では、2mの距離で感染しない(ソーシャルディスタンス)

換気の良い室内や風通しの良い屋外では、
感染者の咳やくしゃみから放出された飛沫は、
①2m以内で放物線を描いて落下する
②2m以内に落下するまでに乾燥して飛沫核となり感染性が失活する
従って、2m離れていれば安全圏(ソーシャルディスタンス)であり、
まず飛沫感染によって感染することはないとされています。
しかし、「換気の悪い密閉空間」においては、この安全策は通用しなくなります。
換気の悪い湿度の高い密閉空間では、「エアロゾル感染」が起こりやすい

「エアロゾル」とは、
「気体中に浮遊する微小な液体粒子または固体粒子」のこと。
液体粒子は霧や霞(かすみ)のことを言い、固体粒子は粉塵や煙のことを言います。
ウイルスが空気中の霧や霞、粉塵や煙と混ざり合うことを「エアロゾル化」と言い、
エアロゾル化したウイルスを吸引して感染する様式を「エアロゾル感染」と呼んでいます。
「エアロゾル感染」は、
換気が悪い湿度の高い密室空間のエアロゾル化状態で感染リスクが非常に高まります。
1. 換気の悪い密閉空間
2. 多数の人が密集する場所
3. 近距離での密接な会話や発声
という3密が揃うと、多数の人の呼気や発汗などで湿気が多くなり、
霧や霞のようなエアロゾル化された密閉空間となってしまいます。
密接な会話や発声から放出させる5μm未満のエアゾロル小粒子はもちろん、
呼気から放出された1μm未満のエアゾロル小粒子も乾燥を免れるので、
長い間空中を浮遊しながら感染能力を保持しています。
感染能力を保持したウイルスのエアロゾル粒子は、
上気道の粘膜細胞に感染するだけでなく、
上気道を素通りして一気に肺胞まで達して肺胞の上皮細胞に感染します。
(=飛沫粒子が小さいので直接的に肺胞まで吸い込んでしまう)
そうなると、風邪ようの発熱や咳などの初期症状が無いのに、
いきなり肺炎を発症するリスクが高くなります。
肺炎を発症してしまうと、新型ウイルスは勢いを加速して肺胞で増殖するとのこと。
そうなると重症化して呼吸困難・呼吸不全となり、敗血症や多臓器不全などを合併し
最悪のケースでは死に至ることになります。
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換気が悪く湿度の高い密閉空間では、クラスターが発生しやすい
【換気が悪い湿気の多い密閉空間】では、
飛沫感染の安全圏とされる2mのソーシャルディスタンスは通用しません。
飛沫が乾燥せずにウイルスエアロゾル粒子の浮遊距離と浮遊時間や生存時間も長くなり、
2m以上の距離をおいても感染リスクは高くなります。
【白木公康教授の緊急寄稿論文から抜粋】
湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,
驚くことに,秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持する。
注意すべき点は,湿気の高い密室では2m離れていても,くしゃみや咳だけでなく,
呼気に含まれる1μm程度のエアロゾルさえ感染性を保持して浮遊し,
吸気によって上気道または下気道で感染するということである。
多くの人が密集し呼気のエアロゾルが乾燥しない空間では,
感染者がいると感染は避けがたく,多数の感染者が発生する
つまり、換気の悪い湿度の高い密閉空間では、
咳やくしゃみで放出された1μm~5μmのエアロゾル粒子や、
呼気から放出される1μm未満のエアロゾル小粒子まで、
長い時間空気中に感染能力を保持したまま浮遊していることになります。
つまり、飛沫感染では安全圏される2mを越えて遊泳し、
しかも飛沫の中でも特に小さな粒子を中心として空気中を自由自在に浮遊します。
従って、3密が揃う場所では、屋外では起こりえない次のことが起きてしまいます。
①2mのソーシャルディタンスも安全圏ではなく危険域である
②極微小のウイルス飛沫がマスクの隙間から侵入する
③3μm未満の極微小粒子は直接に肺胞まで吸入してしまう
そこで、3密が揃った場所に1人でも感染者がいると、
密接な会話・発声で放出された飛沫のエアロゾル粒子が、
3~4m四方を遊泳しながら多くの人に感染することで集団感染が発生します。
換気が悪く湿度の高い密閉空間では、100倍以上も効率よく感染できる
【白木公康教授の緊急寄稿論文から抜粋】
点鼻では感受性細胞に到達できるウイルスが限られるが,エアロゾルの噴霧は上気道・下気道の上皮細胞に直接感染するため,100倍以上効率よく感染できると思われる。
この白木教授の記述を自分なりに解釈すると以下のようになります。
通常の環境下において新型コロナウイルスが侵入して吸着するのは、
主に上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)の粘膜細胞の表面です。
ウイルスが上気道内の粘膜細胞に侵入するためには、
ウイルスと結合して侵入を許す「ACE2受容体」が発現する標的細胞が必要です。
しかし上気道内の粘膜細胞には、ACE2受容体の発現する細胞は少なく、
一部のウイルスしか粘膜細胞に侵入して増殖することはできません。
(=上気道に侵入した一部のウイルスしか感染できない)
しかしエアロゾル化された小さな粒子は、
上気道と下気道の肺胞の上皮細胞にまで直接吸引されて、
「ACE2受容体」と結合することで細胞内に侵入することができます。
肺胞には「ACE2受容体」の発現が多くあることから、
上気道だけでの感染よりも、100倍以上も効率よく感染できるというわけです。
(=肺胞に達したウイルスの多くが簡単に感染できる)
◆参考学術論文
〇白木公康 (千里金蘭大学副学長,富山大学名誉教授)氏
『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察』
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278
▢アルコール消毒液・500ml×3本セット:2480円(税込)・送料無料

Ⅲ.米国のエアロゾル化実験によるコロナウイルスの生存時間

アメリカ国立衛生研究所を中心とする研究グループは、
新型コロナウイルスのエアロゾル化の実験に関する論文を医学雑誌に発表。
液体を噴霧する装置を使って、空気の入れ替えや移動は行なわれず、
温度と湿度が一定に保たれたエアロゾル化状態での、
コロナウイルスの感染性(感染能力)を測定したようです。
その結果、5μm以下のウイルスが含まれたエアロゾル粒子は、
霧のように空気中を漂うエアロゾル化状態では、
3時間が過ぎてもウイルスの感染能力を保持したとのこと。
このようにエアロゾル化された空間では、
5μm以下の小さな粒子でも3時間ほどの感染能力を保持することから、
「エアロゾル感染」も起こり得ると結論づけています。
また同研究グループは、
プラスチック・ステンレス・段ボール紙などの表面に付着したウイルスの生存時間も調査。
以下のような驚くべき結果を得ています。
・プラスチックの表面では最大
72時間(3日間)
・ステンレス鋼板の表面では最大48時間(2日間)
・段ボール紙の表面では最大24時間(1日間)
・銅の表面では最大4時間
つまりエアロゾル化の状態にある【湿気の多い密閉空間】では、
新型コロナウイルスの生存時間も長いことから、接触感染でのリスクも高くなると言えます。
< 8つの成分で腸内環境を整える【おなか革命】

まとめ
新型コロナウイルスについてはまだ謎も多く、
専門家たちでもその正体をすべて追跡・分析できたわけではありません。
3月中旬以降では、これまで症例にみられなかった、
・乳幼児や児童への感染の増加
・20歳代の若い世代への感染の増加
・欧州における若い世代の相次ぐ死亡
などの傾向が出現しています。
3密が揃った場所では、
換気の良い屋内や風通しの良い屋外では考えなれない感染様式が、
起きている危険性があります。
とにかく、「3密が揃った場所は、屋外の100倍も感染する確率が高い」
ということを肝に銘じて行動することが重要です。
【コチラの記事もご参照!】
『新型コロナウイルスは免疫細胞を破壊する!エイズウイルスと同じスパイクタンパク質を配列
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/215/0
『コロナウイルスとは何もの?新型ウイルスの正体と強力な感染力による拡散の危険性!』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/142/0
『新型コロナウイルスの細胞侵入・増殖から肺炎の発症までの過程とその危険度とは』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/179/0
『新型コロナの死者はなぜ男性が7割も!基礎疾患の部位と受容体の発現が関係か?』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/205/0
『新型コロナの驚異的重症化プログラム!4つの受容体を侵入経路として増殖する猛烈な毒性!
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/204/0
『新型コロナウイルス感染から重症化を防ぐ!「粘膜免疫」の防御と「自然免疫」の攻撃の役割』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/201/0
『新型コロナウイルスを完全シャットアウト!励行すべき5つの防御方法と科学的根拠』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/193/0
『コロナウイルスはマスク着用で防げるのか?4つの予防効果と2つの落とし穴』
fanblogs.jp/boyakiman/archive/190/0
『新型コロナウイルスと互角に戦える免疫力!自然免疫を高めると無症状・軽症で回復』
https://fanblogs.jp/boyakiman/archive/180/0
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