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2022年07月22日
「ジョナサン」元店長が“パワハラ” 殴られ骨折も… 会社は既に処分
ファミリーレストラン「ジョナサン」で働く男性が、店の元店長から殴る蹴るなどの暴行をされ、パワハラを受けたと告発しました。この店では、調理場から怒鳴り声がすると利用客からクレームもあったということです。
パワハラ被害を訴える従業員の男性
「毎日のように(元店長から)怒鳴られ罵倒され殴られ、胸ぐらをつかまれたりして、日々生きるのが辛かったです」
22日、会見で“パワハラ”を訴えたのは、ファミリーレストラン「ジョナサン」の従業員です。
パワハラ被害を訴える従業員の男性
「心も体もすごいボロボロでした」
2年ほど前から、元店長による“パワハラ”を受けていたというのです。
パワハラ被害を訴える従業員の男性
「物を投げたり、ゴミ箱蹴ったり、パワハラだったり。あとは発言ですかね、『死ね』とか『テメー』とか」
去年8月には、アルバイト従業員がミスをすると、元店長が男性の“管理不足だ”として、ネクタイを引っ張り、控室へ。そして、壁に押しつけ、こう言ったといいます。
「どんだけ、無駄なことをやっているかわかっているのか」
男性は元店長に殴られ、右肋骨を折るケガをしたということです。
その後も、繰り返されたという暴力。別の従業員が止めようとすると…
元店長
「こいつは動物だから、痛みを与えねえとわからねえから」
男性が営業中、トイレに行った際は…
元店長
「おむつはいて出勤すれば」
労働組合によりますと、店の利用客から、「調理場で男性の怒鳴り声がする」などのクレームが相次いでいたということです。
「ジョナサン」を展開するすかいらーくホールディングスは、男性が訴える暴行や暴言は事実と認めた上で、店長をハラスメント等の社内規定違反行為で処分したということです。
その上で、「ハラスメント研修等の一層の強化と再発防止の徹底に努めてまいります」とコメントしています。
男性側は傷害罪で告訴することにしています。
パワハラ被害を訴える従業員の男性
「毎日のように(元店長から)怒鳴られ罵倒され殴られ、胸ぐらをつかまれたりして、日々生きるのが辛かったです」
22日、会見で“パワハラ”を訴えたのは、ファミリーレストラン「ジョナサン」の従業員です。
パワハラ被害を訴える従業員の男性
「心も体もすごいボロボロでした」
2年ほど前から、元店長による“パワハラ”を受けていたというのです。
パワハラ被害を訴える従業員の男性
「物を投げたり、ゴミ箱蹴ったり、パワハラだったり。あとは発言ですかね、『死ね』とか『テメー』とか」
去年8月には、アルバイト従業員がミスをすると、元店長が男性の“管理不足だ”として、ネクタイを引っ張り、控室へ。そして、壁に押しつけ、こう言ったといいます。
「どんだけ、無駄なことをやっているかわかっているのか」
男性は元店長に殴られ、右肋骨を折るケガをしたということです。
その後も、繰り返されたという暴力。別の従業員が止めようとすると…
元店長
「こいつは動物だから、痛みを与えねえとわからねえから」
男性が営業中、トイレに行った際は…
元店長
「おむつはいて出勤すれば」
労働組合によりますと、店の利用客から、「調理場で男性の怒鳴り声がする」などのクレームが相次いでいたということです。
「ジョナサン」を展開するすかいらーくホールディングスは、男性が訴える暴行や暴言は事実と認めた上で、店長をハラスメント等の社内規定違反行為で処分したということです。
その上で、「ハラスメント研修等の一層の強化と再発防止の徹底に努めてまいります」とコメントしています。
男性側は傷害罪で告訴することにしています。
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2022年07月01日
「自分が受け入れられないものは何か」を考える
会社を辞めようかどうしようかと悩んでいる人がいたら、あえて「働くうえで自分が受け入れられないものは何か」を考えてみるのも一つの方法です。職場の環境や人、仕事内容などから、自分の中で「嫌い」「やりにくい」と感じるものを思い浮かべると、自分の受け入れられない価値観が見えてくると思います。
それが見えてくると、受け入れられない人や環境から守りたい大切なものが何かに気づきやすくなります。そこから自分の特性やキャリア観を発見できる可能性があります。
自分が受け入れられない環境にいるときこそ、深い自己分析をしやすいともいえます。今の会社にどうしても受け入れられないものはあるか、大切に守りたいものは何か。試しに考えてみてはいかがでしょうか。
それが見えてくると、受け入れられない人や環境から守りたい大切なものが何かに気づきやすくなります。そこから自分の特性やキャリア観を発見できる可能性があります。
自分が受け入れられない環境にいるときこそ、深い自己分析をしやすいともいえます。今の会社にどうしても受け入れられないものはあるか、大切に守りたいものは何か。試しに考えてみてはいかがでしょうか。
就活情報サイト「底辺の職業ランキング」に批判殺到 12の職を羅列
新卒向け就職情報サイト「就活の教科書」が公開した「【底辺職とは?】底辺の仕事ランキング一覧」などと題した記事に対し、2022年6月下旬から「職業差別を助長する」といった批判がツイッター上で相次いでいる。
■「底辺の仕事ランキング」の内容
記事は2021年5月までに公開された。編集部員と就活生の対話形式で、「世間一般的に呼ばれている底辺職業ランキングについて解説していきます」「底辺職の特徴やデメリット、底辺職を回避する方法について紹介していきます」と進む。
記事の冒頭では「何を底辺職だと思うのかは人それぞれ」だとし、「一般的に底辺職と呼ばれている仕事は、社会を下から支えている仕事です。そのような方がいるからこそ、今の自分があるのだということには気づきましょう」と書かれている。
12種類の職業を平均年収とともに紹介しており、各職業が底辺職扱いされる理由について述べつつ、「社会にとって必要な仕事」「必須の職業」などと擁護した。ランキングは上から「土木・建設作業員」「警備スタッフ」「工場作業員」「倉庫作業員」「コンビニ店員」「清掃スタッフ」「トラック運転手」「ゴミ収集スタッフ」「飲食店スタッフ」「介護士」「保育士」「コールセンタースタッフ」だった。
底辺職の特徴について、(1)肉体労働である(2)誰でもできる仕事である(3)同じことの繰り返しであることが多い ---- と解説しており、デメリットについては、(1)平均年収が低い(2)結婚の時に苦労する(3)体力を消耗する ---- を挙げた。
さらに記事では「底辺職に就かない方法/抜け出す方法4つ」や「未経験でも採用されやすい職種」などを紹介する。
最後のまとめで「世間一般的に言われている底辺職について解説しましたが、何を底辺職と呼ぶのかは人それぞれです」としたが、「底辺職と呼ばれている仕事は誰でもできる仕事である場合が多いです」と説明。「底辺職と呼ばれる仕事に就きたくない方は、転職したり、スキルや資格を身に付けることが重要です」と締めくくっている。
■「底辺の仕事ランキング」の内容
記事は2021年5月までに公開された。編集部員と就活生の対話形式で、「世間一般的に呼ばれている底辺職業ランキングについて解説していきます」「底辺職の特徴やデメリット、底辺職を回避する方法について紹介していきます」と進む。
記事の冒頭では「何を底辺職だと思うのかは人それぞれ」だとし、「一般的に底辺職と呼ばれている仕事は、社会を下から支えている仕事です。そのような方がいるからこそ、今の自分があるのだということには気づきましょう」と書かれている。
12種類の職業を平均年収とともに紹介しており、各職業が底辺職扱いされる理由について述べつつ、「社会にとって必要な仕事」「必須の職業」などと擁護した。ランキングは上から「土木・建設作業員」「警備スタッフ」「工場作業員」「倉庫作業員」「コンビニ店員」「清掃スタッフ」「トラック運転手」「ゴミ収集スタッフ」「飲食店スタッフ」「介護士」「保育士」「コールセンタースタッフ」だった。
底辺職の特徴について、(1)肉体労働である(2)誰でもできる仕事である(3)同じことの繰り返しであることが多い ---- と解説しており、デメリットについては、(1)平均年収が低い(2)結婚の時に苦労する(3)体力を消耗する ---- を挙げた。
さらに記事では「底辺職に就かない方法/抜け出す方法4つ」や「未経験でも採用されやすい職種」などを紹介する。
最後のまとめで「世間一般的に言われている底辺職について解説しましたが、何を底辺職と呼ぶのかは人それぞれです」としたが、「底辺職と呼ばれている仕事は誰でもできる仕事である場合が多いです」と説明。「底辺職と呼ばれる仕事に就きたくない方は、転職したり、スキルや資格を身に付けることが重要です」と締めくくっている。
2022年06月21日
「賞状」で自殺社員を会社が侮辱 パワハラで勤務先を提訴
青森県八戸市の住宅会社「ハシモトホーム」が、青森市の40代の男性社員=2018年に自殺=に、賞状を模し侮辱する内容の書面を渡していたことが、遺族側への取材で分かった。遺族は20日、パワハラや長時間労働が自殺につながったとして、会社などに約8千万円の損害賠償を求め、青森地裁に提訴した。会社側は「表彰の一環」と説明している。 新年会で男性に手渡された「症状」。新年会の翌月、男性は自殺した
原告側によると、関係会社も参加した18年1月の新年会で、男性は課長が作った「症状」と題した書面を渡された。「今まで大した成績を残さず、あーあって感じ」「陰で努力し、あまり頑張ってない様に見えてやはり頑張ってない」などと書かれていた。
原告側によると、関係会社も参加した18年1月の新年会で、男性は課長が作った「症状」と題した書面を渡された。「今まで大した成績を残さず、あーあって感じ」「陰で努力し、あまり頑張ってない様に見えてやはり頑張ってない」などと書かれていた。
2022年06月20日
2022年06月13日
ブラック企業からの脱出方法 より良い環境へ行くには?
今の環境からより良い環境へ移すには、どうしたら良いでしょうか?
今の時代、まずは情報収集が必要です。
では、情報過多の現代社会で、成功している人はどのように知識をインプットしているのでしょうか?
ここでは、参考になった事をご紹介致します。
お金を稼ぐ人の読書法
良質なインプットは、お金に困らない人生を手に入れるための重要なポイントです。
とくに効果的なインプットは「読書」をすることです。なぜなら、 読書はもっとも効果的かつ短時間に、良質な知識を得ることができるからです。
いまの世の中は情報にあふれています。
ブログやFacebookなどテキスト、YouTubeやTikTokなどの動画、VoicyやClubhouseなどの音声、このように情報メディアやSNSは腐るほどあります。手軽に学ぶことができるのはすばらしいことですし、私も活用させてもらっています。
それでもあえて「読書」をおすすめする理由があります。
それは、本には文責があるからです。
私も著者の端くれですから、本をつくる工程をよく見させてもらっています。
著者が経験したことを1冊にまとめていく。まさに石から水を絞り出すような行為です。出し惜しみすることなく、知識や体験を本のなかに詰め込んでいきます。
そして、できあがった文章を、編集や校閲のプロたちが一字一句の修正はもちろん、情報に間違いがないか確認をしていきます。
最近は、個人での電子書籍出版も流行っています。たしかにそれもすばらしいですが、商業出版ほど精度を高めて書かれているものはそう多くありません。 やはり紙の書籍ほど情報がたしかなものはないでしょう。だから読書がおすすめなのです。
書籍というものは、時間と手間と心を込めてつくられていますから、私も読書についてかなりこだわりを持っています。
いまは速読がブームですが、私は速読をしません。1冊1冊、熟読します。
それでも、 普通のビジネス書であれば30分から1時間で読むことが可能です。
よく誤解されますが、速読を学ばなければ本は速く読めない、ということは決してありません。
たとえば、子どものころに読んだ絵本『桃太郎』を、いまもう一度手に取ってみてください。おそらく一瞬で読みきってしまうと思います。なぜなら、どんなストーリーか、どんな言葉が入っているのか、大体のイメージがあるからです。
これと一緒で、 人は知識が入れば入るほど、読むスピードが速くなっていくのです。
逆に言えば私も、どんなにページ数の少ない書籍でも、自分の知らない領域の書籍についてはかなり時間がかかって読むことになります。
速く読めたほうがすごいと言う人もいますが、私は決してそう思いません。
時間をかけて読んでいるということは、それだけ頭を使っているということです。
人間は使ったところが強くなりますから、頭を使っているということは、それだけ優秀になるということ。 長い時間をかけなければ読めないような本に出合うということも、頭のトレーニングには必要なのです。
きれいに読むと、きれいに忘れる
そのうえで、私がすすめている読書法は、本をボロボロにしまくる方法です。
本をきれいに扱いたいという人もいますが、私はそれをおすすめしません。
むしろ、 いかにボロボロにするかにこだわったほうがいいです。
たくさん線を引き、ドッグイヤーし、場合によっては、持ち歩きたいと思うページがあれば破ります。
経験することを何より重要視していると前述しましたが、読書についても、思いっきり自分の印象に残る「体験」にしてしまいましょう。
ボロボロになるまで読んで、見返したときに「そうそう、ここに線を引いたんだよな」と思い返せるように読んでいくのです。
ちなみに、そんなにボロボロにしたら著者に失礼ではないか? と思われる方もいるようですが、そんなことはありません。むしろ著者にとって、ボロボロになるまで読んでもらえることほど嬉しいことはありません。
そして、読んだ書籍の内容はスマホのメモ帳に残すようにしています。
人間の記憶に定着するのは、インプットしたときではなくアウトプットしたときです。書籍を読んだら必ずアウトプットする習慣をつけましょう。
しかし アウトプットするといっても、書評や感想をすべて文字入力していると、時間がかかりすぎてしまいます。だから私は「音声入力」を利用しています。
じつは、この本もほぼ音声入力で最初の原稿を書いています。
特別なアプリなどは使っていません。iPhoneに備えつけの機能です。それで十分、文章にすることができます(もちろん、あとでリライトと推敲はしますが)。
長い文章の場合、書くよりも話したほうがずっと速いので、慣れたら入力速度は何倍にもなるでしょう。
これからは、読書で線を引いた箇所を、音声入力で文字起こししてみましょう。
私の場合、多いときには1冊につき8000字も文字起こしをすることがあります。それでも音声入力ならば、1冊分、線を引いたところをすべて文字起こししても、せいぜい10
分から20分程度でできます。
ボロボロになるまで読んで、音声入力でメモを残す。 そんな読み方をしてみてはいかがでしょうか。
そうして、知識やマインドを新しくしていくと、自ずと今より良い環境にいる事に気付くでしょう。
今の時代、まずは情報収集が必要です。
では、情報過多の現代社会で、成功している人はどのように知識をインプットしているのでしょうか?
ここでは、参考になった事をご紹介致します。
お金を稼ぐ人の読書法
良質なインプットは、お金に困らない人生を手に入れるための重要なポイントです。
とくに効果的なインプットは「読書」をすることです。なぜなら、 読書はもっとも効果的かつ短時間に、良質な知識を得ることができるからです。
いまの世の中は情報にあふれています。
ブログやFacebookなどテキスト、YouTubeやTikTokなどの動画、VoicyやClubhouseなどの音声、このように情報メディアやSNSは腐るほどあります。手軽に学ぶことができるのはすばらしいことですし、私も活用させてもらっています。
それでもあえて「読書」をおすすめする理由があります。
それは、本には文責があるからです。
私も著者の端くれですから、本をつくる工程をよく見させてもらっています。
著者が経験したことを1冊にまとめていく。まさに石から水を絞り出すような行為です。出し惜しみすることなく、知識や体験を本のなかに詰め込んでいきます。
そして、できあがった文章を、編集や校閲のプロたちが一字一句の修正はもちろん、情報に間違いがないか確認をしていきます。
最近は、個人での電子書籍出版も流行っています。たしかにそれもすばらしいですが、商業出版ほど精度を高めて書かれているものはそう多くありません。 やはり紙の書籍ほど情報がたしかなものはないでしょう。だから読書がおすすめなのです。
書籍というものは、時間と手間と心を込めてつくられていますから、私も読書についてかなりこだわりを持っています。
いまは速読がブームですが、私は速読をしません。1冊1冊、熟読します。
それでも、 普通のビジネス書であれば30分から1時間で読むことが可能です。
よく誤解されますが、速読を学ばなければ本は速く読めない、ということは決してありません。
たとえば、子どものころに読んだ絵本『桃太郎』を、いまもう一度手に取ってみてください。おそらく一瞬で読みきってしまうと思います。なぜなら、どんなストーリーか、どんな言葉が入っているのか、大体のイメージがあるからです。
これと一緒で、 人は知識が入れば入るほど、読むスピードが速くなっていくのです。
逆に言えば私も、どんなにページ数の少ない書籍でも、自分の知らない領域の書籍についてはかなり時間がかかって読むことになります。
速く読めたほうがすごいと言う人もいますが、私は決してそう思いません。
時間をかけて読んでいるということは、それだけ頭を使っているということです。
人間は使ったところが強くなりますから、頭を使っているということは、それだけ優秀になるということ。 長い時間をかけなければ読めないような本に出合うということも、頭のトレーニングには必要なのです。
きれいに読むと、きれいに忘れる
そのうえで、私がすすめている読書法は、本をボロボロにしまくる方法です。
本をきれいに扱いたいという人もいますが、私はそれをおすすめしません。
むしろ、 いかにボロボロにするかにこだわったほうがいいです。
たくさん線を引き、ドッグイヤーし、場合によっては、持ち歩きたいと思うページがあれば破ります。
経験することを何より重要視していると前述しましたが、読書についても、思いっきり自分の印象に残る「体験」にしてしまいましょう。
ボロボロになるまで読んで、見返したときに「そうそう、ここに線を引いたんだよな」と思い返せるように読んでいくのです。
ちなみに、そんなにボロボロにしたら著者に失礼ではないか? と思われる方もいるようですが、そんなことはありません。むしろ著者にとって、ボロボロになるまで読んでもらえることほど嬉しいことはありません。
そして、読んだ書籍の内容はスマホのメモ帳に残すようにしています。
人間の記憶に定着するのは、インプットしたときではなくアウトプットしたときです。書籍を読んだら必ずアウトプットする習慣をつけましょう。
しかし アウトプットするといっても、書評や感想をすべて文字入力していると、時間がかかりすぎてしまいます。だから私は「音声入力」を利用しています。
じつは、この本もほぼ音声入力で最初の原稿を書いています。
特別なアプリなどは使っていません。iPhoneに備えつけの機能です。それで十分、文章にすることができます(もちろん、あとでリライトと推敲はしますが)。
長い文章の場合、書くよりも話したほうがずっと速いので、慣れたら入力速度は何倍にもなるでしょう。
これからは、読書で線を引いた箇所を、音声入力で文字起こししてみましょう。
私の場合、多いときには1冊につき8000字も文字起こしをすることがあります。それでも音声入力ならば、1冊分、線を引いたところをすべて文字起こししても、せいぜい10
分から20分程度でできます。
ボロボロになるまで読んで、音声入力でメモを残す。 そんな読み方をしてみてはいかがでしょうか。
そうして、知識やマインドを新しくしていくと、自ずと今より良い環境にいる事に気付くでしょう。
2022年06月02日
「これはただの指導」企業で自覚のないパワハラが生まれてしまうワケ
2020年6月1日から大企業を対象に「労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)」が施行され、丸二年が経ちます。今年4月1日からは中小企業も含めて全面施行され、今や“パワハラ対策”はすべての企業にとって避けられない問題です。20年以上企業の労働問題に向き合い、現在は退職代行業務も行っている弁護士の嵩原安三郎さんは、「パワハラを行っている本人は、部下に業務の“指導”をしているつもりの場合が多い」と言います。そのような自覚のないパワハラはなぜ生まれてしまうのか、話を聞きました。
退職代行依頼 約75%はパワハラが原因
私はもう20年以上弁護士をしているのですが、うち17年ほどは企業法務として労働問題を扱ってきました。退職を希望する社員の申し出を受け、その処理をすることもありました。ほとんどの場合、みなさん一身上の都合、もしくは家庭の都合などで辞めていくんですね。ところが、3年ほど前から「社員側の話も聞きたい」と退職代行の仕事を始め、相談を受けて詳しい事情を聞いていくと、かなり多くの方が「パワハラが原因で」とか「上司からこんなことを言われてつらくて」という理由で退職したいと言うんです。
私がこの3年間に対応した退職代行の件数は、およそ7000件です。改めて直近の1000件について分析をした結果、パワハラや、それに近い人間関係の問題が退職のきっかけになっているケースは、約75%にものぼるということが分かりました。
パワハラの原因は、指導者が“パワハラによる指導法”しか知らないこと
私は多くの企業で、パワハラ研修を行ってきました。研修で「こういう言動はパワハラに該当しますよ」「こういう時、気を付けてくださいね」と話をしても、ほとんどの人は心当たりがなさそうに、ふーんという顔で研修を受けています。しかし、その会社でパワハラが確認されていて、問題になっていると分かった上で研修を行っているので、心当たりがないはずがありません。
じゃあこの反応はどういうことか。当の本人達は自分の振る舞いをパワハラだと思っておらず、部下に業務の指導をしているに過ぎないと考えているんですね。「たまに行き過ぎたとしても、基本的には指導しているだけだし、言うことを聞かない従業員が悪いんじゃない?」と捉えている。このように、指導者が“パワハラによる指導法”しか知らないということが、パワハラが起こってしまう原因なのです。これは経営者や管理職によるものが非常に多いです。
また、2年目の社員から新入社員へ対するパワハラも、実は多く起こっています。新人指導に2年目の社員を使うというケースは少なくありません。2年目の社員は急に立場が変わり、人を指導する側になるので、自分が少し偉くなった気持ちに変わってしまうんですね。
とある営業部門の離職率が高いということで、1年目の新入社員に詳しい話を聞いてみたことがあります。すると「先輩が立っているとき、自分の立つ位置が左右まできっちり決まっている」「エレベーターのドアを押さえる高さも決まっている」など、会社独自のルールがあり大変だと言うんです。実際にそのルールを教えた2年目の先輩に話を聞いてみると「私も先輩に習ったんです。間違えると先輩に怒られたから、私も同じように1年目を叱りつけています。これは指導です」と言っていました。2年目の社員は、自分が意味も分からずに身につけてきた理不尽なルールを、同じように理不尽に新入社員に教えているんです。これも、誤った指導からパワハラが生まれる瞬間だと言えるでしょう。
さらに厄介なのは、「仕事は俺の背中を見て覚えろ」と職人気質な社員によるパワハラのパターンです。私の経験上、昔なら納得していた部分もありましたが、今の若い世代は非常に効率というのを重視します。基礎的な部分はきちんと教えてもらい、その上で自分なりに工夫していく方が早いという考えから「なぜこれをやるのですか?」と聞き、そこでハレーションが起きてしまいます。「背中を見て覚えろ」と言われて育ってきた人は、自分が人から教えてもらったことがないので、人に教えることもできません。「そんなことも分からないのか、自分で考えろ!」と、勢いで強めな言葉を言ってしまっても、悪気は一切ない。これもまさに、指導法を知らないがゆえに起こってしまうパワハラの一例です。
スポーツ界はすでに気付きはじめている“指導の重要性”
会社以外にも、同じようにパワハラが起こってきた世界があります。それはスポーツの世界です。共通するのは指導が感覚で行われているところです。スポーツは、チームや個人で勝つことを目標にして、会社は利益や利潤をあげることを目標にして、一生懸命に頑張っています。双方、目標ははっきり分かっているのに、指導する側は自分の経験に基づく感覚論で指導をしているわけです。
ただ、スポーツの世界はその指導法の間違いに気付きました。声を荒らげて怒ったり、体罰を加えることで鍛えても、あんまり伸びないぞと。それよりも、指導者が指導法をきちんと勉強することが大切じゃないか。プロの指導者がいるチームの方が成績が上がやすいんだと分かってきたんですね。ところが、会社はいまだに気付いていません。パワハラによって人が辞めても「あいつは根性がなかったんだ」で片付けてしまいます。
スポーツの世界では、指導者の役割、個性に合わせた教え方、人それぞれのモチベーションの上げ方など、様々な科目を指導者が勉強します。会社では、指導する側がこれらを全く意識せずに、自分がやってきたことを言っているだけ。それが昨今の会社の状況であり、改善するべきポイントです。
指導が変われば、自然とパワハラはなくなる
研修で「これがパワハラですよ」「パワハラはやめてくださいね」と注意喚起すればパワハラはなくなるものだと、昔は無邪気に信じていたこともあります。しかし、パワハラをなくすことを目的にしてしまうと、方針を誤ってしまうのではないかと私は考えています。
パワハラは、“正しい指導”という概念が抜けているせいで発生してしまいます。つまり、指導さえしっかりしていけば、結果として自然にパワハラがなくなっていくんです。「あれ?気付いたらうちの会社パワハラなくなったよね。2年目3年目の社員も生き生きとしてるよね」という状況が理想であり、一番重要なことです。
4月から自分の部下・後輩が初めてできた人、新しい部署に配属されて責任者になった人、普段から指導したりアドバイスしようと思っているけどもなかなか上手くいかないと感じている人は、数多くいらっしゃるかもしれません。「うちの部下、全然ダメだな」「俺の言う通り動いてくれないな」と思うのではなく、「自分はいい指導者になろう」と意識を改革してみるのはどうでしょうか。色々勉強して、人を育て、動かしていく。自分に求められているのはそういう仕事なんだと頭を切り替えてみると、ガラッと変わってくるんじゃないかと思います。
好きなスポーツを思い出してみてください。監督やコーチが変わることで、チームの成績や雰囲気が大きく変わることはありますよね。会社も同じなんです。自分の指導しだいで、自分のチーム(会社)が生まれ変わるかもしれないんだと、ぜひ前向きに捉えていただきたいです。
パワハラで退職代行使いたいけど不安とか、会社の悩みってたくさんあるけど、相談しづらいですよね。もしも、今あなたがパワハラや会社の事で悩んでいるなら、相談はココナラで相談してみては?お金はかかるけど、今の悩みに具体的にアドバイスがもらえるよ!
退職代行依頼 約75%はパワハラが原因
私はもう20年以上弁護士をしているのですが、うち17年ほどは企業法務として労働問題を扱ってきました。退職を希望する社員の申し出を受け、その処理をすることもありました。ほとんどの場合、みなさん一身上の都合、もしくは家庭の都合などで辞めていくんですね。ところが、3年ほど前から「社員側の話も聞きたい」と退職代行の仕事を始め、相談を受けて詳しい事情を聞いていくと、かなり多くの方が「パワハラが原因で」とか「上司からこんなことを言われてつらくて」という理由で退職したいと言うんです。
私がこの3年間に対応した退職代行の件数は、およそ7000件です。改めて直近の1000件について分析をした結果、パワハラや、それに近い人間関係の問題が退職のきっかけになっているケースは、約75%にものぼるということが分かりました。
パワハラの原因は、指導者が“パワハラによる指導法”しか知らないこと
私は多くの企業で、パワハラ研修を行ってきました。研修で「こういう言動はパワハラに該当しますよ」「こういう時、気を付けてくださいね」と話をしても、ほとんどの人は心当たりがなさそうに、ふーんという顔で研修を受けています。しかし、その会社でパワハラが確認されていて、問題になっていると分かった上で研修を行っているので、心当たりがないはずがありません。
じゃあこの反応はどういうことか。当の本人達は自分の振る舞いをパワハラだと思っておらず、部下に業務の指導をしているに過ぎないと考えているんですね。「たまに行き過ぎたとしても、基本的には指導しているだけだし、言うことを聞かない従業員が悪いんじゃない?」と捉えている。このように、指導者が“パワハラによる指導法”しか知らないということが、パワハラが起こってしまう原因なのです。これは経営者や管理職によるものが非常に多いです。
また、2年目の社員から新入社員へ対するパワハラも、実は多く起こっています。新人指導に2年目の社員を使うというケースは少なくありません。2年目の社員は急に立場が変わり、人を指導する側になるので、自分が少し偉くなった気持ちに変わってしまうんですね。
とある営業部門の離職率が高いということで、1年目の新入社員に詳しい話を聞いてみたことがあります。すると「先輩が立っているとき、自分の立つ位置が左右まできっちり決まっている」「エレベーターのドアを押さえる高さも決まっている」など、会社独自のルールがあり大変だと言うんです。実際にそのルールを教えた2年目の先輩に話を聞いてみると「私も先輩に習ったんです。間違えると先輩に怒られたから、私も同じように1年目を叱りつけています。これは指導です」と言っていました。2年目の社員は、自分が意味も分からずに身につけてきた理不尽なルールを、同じように理不尽に新入社員に教えているんです。これも、誤った指導からパワハラが生まれる瞬間だと言えるでしょう。
さらに厄介なのは、「仕事は俺の背中を見て覚えろ」と職人気質な社員によるパワハラのパターンです。私の経験上、昔なら納得していた部分もありましたが、今の若い世代は非常に効率というのを重視します。基礎的な部分はきちんと教えてもらい、その上で自分なりに工夫していく方が早いという考えから「なぜこれをやるのですか?」と聞き、そこでハレーションが起きてしまいます。「背中を見て覚えろ」と言われて育ってきた人は、自分が人から教えてもらったことがないので、人に教えることもできません。「そんなことも分からないのか、自分で考えろ!」と、勢いで強めな言葉を言ってしまっても、悪気は一切ない。これもまさに、指導法を知らないがゆえに起こってしまうパワハラの一例です。
スポーツ界はすでに気付きはじめている“指導の重要性”
会社以外にも、同じようにパワハラが起こってきた世界があります。それはスポーツの世界です。共通するのは指導が感覚で行われているところです。スポーツは、チームや個人で勝つことを目標にして、会社は利益や利潤をあげることを目標にして、一生懸命に頑張っています。双方、目標ははっきり分かっているのに、指導する側は自分の経験に基づく感覚論で指導をしているわけです。
ただ、スポーツの世界はその指導法の間違いに気付きました。声を荒らげて怒ったり、体罰を加えることで鍛えても、あんまり伸びないぞと。それよりも、指導者が指導法をきちんと勉強することが大切じゃないか。プロの指導者がいるチームの方が成績が上がやすいんだと分かってきたんですね。ところが、会社はいまだに気付いていません。パワハラによって人が辞めても「あいつは根性がなかったんだ」で片付けてしまいます。
スポーツの世界では、指導者の役割、個性に合わせた教え方、人それぞれのモチベーションの上げ方など、様々な科目を指導者が勉強します。会社では、指導する側がこれらを全く意識せずに、自分がやってきたことを言っているだけ。それが昨今の会社の状況であり、改善するべきポイントです。
指導が変われば、自然とパワハラはなくなる
研修で「これがパワハラですよ」「パワハラはやめてくださいね」と注意喚起すればパワハラはなくなるものだと、昔は無邪気に信じていたこともあります。しかし、パワハラをなくすことを目的にしてしまうと、方針を誤ってしまうのではないかと私は考えています。
パワハラは、“正しい指導”という概念が抜けているせいで発生してしまいます。つまり、指導さえしっかりしていけば、結果として自然にパワハラがなくなっていくんです。「あれ?気付いたらうちの会社パワハラなくなったよね。2年目3年目の社員も生き生きとしてるよね」という状況が理想であり、一番重要なことです。
4月から自分の部下・後輩が初めてできた人、新しい部署に配属されて責任者になった人、普段から指導したりアドバイスしようと思っているけどもなかなか上手くいかないと感じている人は、数多くいらっしゃるかもしれません。「うちの部下、全然ダメだな」「俺の言う通り動いてくれないな」と思うのではなく、「自分はいい指導者になろう」と意識を改革してみるのはどうでしょうか。色々勉強して、人を育て、動かしていく。自分に求められているのはそういう仕事なんだと頭を切り替えてみると、ガラッと変わってくるんじゃないかと思います。
好きなスポーツを思い出してみてください。監督やコーチが変わることで、チームの成績や雰囲気が大きく変わることはありますよね。会社も同じなんです。自分の指導しだいで、自分のチーム(会社)が生まれ変わるかもしれないんだと、ぜひ前向きに捉えていただきたいです。
パワハラで退職代行使いたいけど不安とか、会社の悩みってたくさんあるけど、相談しづらいですよね。もしも、今あなたがパワハラや会社の事で悩んでいるなら、相談はココナラで相談してみては?お金はかかるけど、今の悩みに具体的にアドバイスがもらえるよ!
2022年05月26日
「まともな会社で働いた事ない」45歳男性の闘争、深夜残業に一方的な減給、パワハラ、即日解雇
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。
■「正直、もう働きたくありません」
就職氷河期世代のハルキさん(仮名、45歳)は今まで「まともな働き口」に出合ったことがない。深夜までのサービス残業に一方的な減給、パワハラ、即日解雇──。10社以上の会社で働いたが、手取り20万円に届かない非正規雇用がほとんどだった。採用時の条件が実態とかけ離れた“求人詐欺”に遭ったこともある。いわゆる“ブラック企業”を転々とするなかでメンタルを病んだ。
「正直、もう働きたくありません」
ハルキさんはそう本音をこぼす。そして怒りを抑えるように続けた。「社長や経営者には、専門の資格や免許を取得させるとか、定期的に講習を受けることを義務づけるとかすべきです」。人を雇うからには、まずは労働関連法やハラスメント防止を学べというわけだ。
ハルキさんが渡り歩いてきた悪質企業の中でも、昨年クビになった会社は特にひどかったという。ハローワークで見つけたマンション管理の仕事。求人票の雇用形態に正社員とあったので迷わず応募した。
ところが、働き始めて数カ月が過ぎたとき、社長から作業着を貸してほしいと頼まれたので、自身が着ていた服を手渡したところ、袖口の汚れを指摘された。さらには「なんでそんなに汚いんだ!」「こんなもん人間が着るもんじゃねえ!」と激怒されたのだ。
作業着はたしかに袖口が黒ずんでいたという。ただ3日に一度は自宅で洗濯をし、襟元や袖口には部分汚れ用の洗剤も使っていた。黒ずみは、清掃や設備点検をしていれば普通にできる程度のもので、怒鳴られるような汚れではなかったと、ハルキさんは主張する。
一方的な罵倒にハルキさんが反論すると、今度は「生意気なことを言うなら、明日から来なくていい」と告げられた。即日解雇もショックだったが、その後、ハルキさんの就業形態は請負なので即日解雇には当たらないと開き直られ、二重にショックを受けた。
■正社員ではなかった
正社員ではなかったのか──。ただ振り返ってみると、思い当たることはあった。採用時、社長から「最初の3カ月は外注という形になる」と言われたのだ。雇用契約書も社会保険もなし。さらに給与支給の前にはなぜか請求書を書かされた。
おかしいとは思ったが、上司から「ほかの人もやってるから」と言われ、従った。何よりハローワークの求人票には「派遣・請負ではない」とも明記されていたので、正社員として採用されたものと信じていたのだ。
「明日から来るななんて、(労働者にとっては)死刑宣告みたいなもんですよ」。このとき、ハルキさんは人目もはばからず、泣いて抵抗した。しかし、クビは覆らなかった。
典型的な就職氷河期世代であるハルキさんは「今までまともな会社なんてなかった」と繰り返す。求人を探し、履歴書を書き、面接を受け、違法な働き方を強いられ、使い捨てにされ、また仕事を探す──。いったいいつまでこんなことを続ければいいのか。ハルキさんが再び繰り返す。「もう働きたくありません」。
実家は、首都圏にある共働き家庭。家計は裕福とはいえなかった。高校卒業後、大学ではなく専門学校を選んだ理由は「勉強が嫌いだったことと、お金の問題と、半々くらい」。
多くの新卒者と同じく就職活動には苦労した。なんとか採用されたのは、専門学校の専攻とはまったく関係ない全国チェーンの飲食店。しかし、「朝から晩までぶっ通しで働き、サービス残業もあった」。休憩どころかトイレに行く時間も取れない日々に耐えきれず、1カ月で辞めた。
その後、数年間のフリーター時代を経て正規雇用の事務職に就いたが、ここも定時には終わらないほどの業務を任された。当然のように残業手当はなし。帰宅は連日深夜となり、1年もたなかった。
続いて物流関係の会社に転職。契約社員として仕事はそつなくこなしたが、何年働いても正社員にはなれそうになかった。当時は5年を超えて契約更新を繰り返せば無期雇用転換できる法制度もなく、勤続6年を機に退職。「同じような仕事をしている正社員から威張られることにも嫌気がさした」とハルキさんは振り返る。
■正社員の仕事を求めて地方都市へ
正社員の仕事を求めて地方都市に移り住んだこともある。路線バスの運行を手がける会社の事務職だったが、ここではパワハラ被害に遭ったという。
ハルキさんの仕事の1つにアルコールの呼気検査があり、規定値を超えたドライバーを乗務から外そうとしたところ、なぜかハルキさんのほうが社長から叱責されたのだ。どうやらそのドライバーは社長による縁故採用だったらしい。以来、何かにつけて目を付けられるようになり、ついには基本給が大幅に下がる関連会社への出向を命じられてしまう。
ハルキさんによると、この会社では、一部のドライバーが呼気検査をクリアしないままハンドルを握ることがたびたびあった。車両の定期点検もおざなりなうえ、乗降者数を水増しして自治体からの補助金も不正に受給していたという。
「働き手をないがしろにする会社は安全管理もずさんなんです」とハルキさん。このころには、断続的に心療内科を受診する状態で適応障害などの診断を受けていた。
出向先の会社は宿泊施設。気持ちを切り替えて臨んだものの、40歳を過ぎて初めて経験するホテルの接客業務にはなかなかなじめなかった。長年働いている派遣社員から「正社員のくせに覚えが悪い」と嫌味を言われ、メンタル不調が悪化してしまう。結局休職の末、退職を余儀なくされた。
ハルキさんの話を聞きながら、非正規雇用の増大は働き手の身分を不安定化させるだけでなく、順法精神に欠けた経営者や、働き手同士の不毛な対立を生み出すことにつながっていると感じた。実際、非正規労働者を「雇用の調整弁」という趣旨を逸脱し、「使い捨ててもいい労働力」と勘違いしている経営者は少なくない。また、同じ職場で同じような業務を担う正社員や契約社員、派遣労働者らが、身分や賃金水準の違いゆえにギクシャクする場面があることも事実だ。
「日本では解雇が難しい」などと言う人もいるが、取材をする限り、そんな実態はない。持論になるが、業務が継続して存在する場合、働き手は原則無期雇用契約とするべきだ。そのほうが働き手は安心できるし、企業の利益や業務の効率化にもつながるのではないか。
■「今度ばかりは泣き寝入りしたくない」
ハルキさんのことに話を戻そう。地方都市で働くことに見切りをつけたハルキさんは実家に戻る。そしてようやく見つけたのはマンション管理の仕事だった。
また泣き寝入りするしかないのか──。クビになった日は、どうやって帰宅したかもよく覚えていないほど落ち込んだ。一方で「今度ばかりは泣き寝入りしたくない」という思いも湧いてきたという。
ハルキさんはまず個人加入できる地域ユニオンに相談した。団体交渉を重ねたものの、解雇予告手当などの支払いを求める話し合いは難航。ユニオン側の担当者から「『外注』と言われた経緯がある以上、(業務請負でも)仕方がないのでは」などと弱気なことを言われたため、労働組合を通した話し合いに見切りをつける。
続いて弁護士に相談するとともに、労働基準監督署に申告。会社では上司の指揮命令に従って仕事をし、出退勤時にはタイムカードを打刻するなど「労働者」として働いていたことを示す詳細なメモを作成して提出した。これにより、行政側が「請負業者ではなく、労働者」というハルキさんの主張を全面的に支持してくれたという。
交渉は1年近くかかったものの、最終的には未払い賃金などに相当する約200万円を勝ち取ることができた。ハルキさんが初めて悪質企業に反撃し、一矢報いた瞬間だった。
ハルキさんはずっと「働き続けることができない自分」を後ろめたく思ってきたという。とくに最初に正社員として就職した飲食店を1カ月で辞めたことがコンプレックスだった。「なんで自分はいつもダメなんだろうと思い続けてきました」。
しかし、最近は「悪いのはちゃんとした雇用がないことではないか」と考えるようになった。きっかけは、3年ほど前に政府が就職氷河期世代向けの支援策を本格化させたこと。支援の恩恵を直接受ける機会はなかったが、「自分は就職氷河期世代なんだと知ることで、すいぶん気が楽になりました」とハルキさんは振り返る。
要領のいいほうではないし、人付き合いも不得手だという自覚はある。それでも悪いのは法律を守らない会社のほうではないか。「自己責任ではなかった」と思えたことが、悪質な会社に立ち向かうエネルギーになったという。
■京アニの事件はひとごとではない
ハルキさんは現在、障害者枠で働いている。一度病んでしまったメンタルは簡単には回復しない。月収は約15万円。ただここ1年ほどは障害年金も受給している。実家暮らしでもあり、最近は趣味の1つであるアニメ観賞にお金をかける余裕もあるという。
取材で会った日も、夕方から好きなアニメのイベントに参加すると話していた。「響け! ユーフォニアム」という吹奏楽に打ち込む高校生を描いた作品だという。アニメ制作会社「京都アニメーション」が手がけた代表作の1つである。
私たちの会話は自然と、京都アニメーションのスタジオが放火され、社員36人が亡くなった事件のことに及んだ。殺人罪などで起訴された青葉真司被告はハルキさんとほぼ同世代。裁判はまだ始まっておらず、事件の詳細はわかっていない。ただハルキさんは「大勢の人が亡くなった事件は絶対に許されないことだけど、(犯人のことは)ひとごとじゃない」と考えてしまうことがあるという。
マンション管理会社の社長から罵倒され、明日から来るなと吐き捨てられたあの日。ハルキさんの頭をよぎったのは、発電機用に倉庫に保管されていたガソリンタンクのことだったという。ハルキさんは声を潜めてこう打ち明けた。
「一歩間違えれば……、彼は僕だったかもしれない」
ブラック企業が1日も早く撲滅する事を願う。
■「正直、もう働きたくありません」
就職氷河期世代のハルキさん(仮名、45歳)は今まで「まともな働き口」に出合ったことがない。深夜までのサービス残業に一方的な減給、パワハラ、即日解雇──。10社以上の会社で働いたが、手取り20万円に届かない非正規雇用がほとんどだった。採用時の条件が実態とかけ離れた“求人詐欺”に遭ったこともある。いわゆる“ブラック企業”を転々とするなかでメンタルを病んだ。
「正直、もう働きたくありません」
ハルキさんはそう本音をこぼす。そして怒りを抑えるように続けた。「社長や経営者には、専門の資格や免許を取得させるとか、定期的に講習を受けることを義務づけるとかすべきです」。人を雇うからには、まずは労働関連法やハラスメント防止を学べというわけだ。
ハルキさんが渡り歩いてきた悪質企業の中でも、昨年クビになった会社は特にひどかったという。ハローワークで見つけたマンション管理の仕事。求人票の雇用形態に正社員とあったので迷わず応募した。
ところが、働き始めて数カ月が過ぎたとき、社長から作業着を貸してほしいと頼まれたので、自身が着ていた服を手渡したところ、袖口の汚れを指摘された。さらには「なんでそんなに汚いんだ!」「こんなもん人間が着るもんじゃねえ!」と激怒されたのだ。
作業着はたしかに袖口が黒ずんでいたという。ただ3日に一度は自宅で洗濯をし、襟元や袖口には部分汚れ用の洗剤も使っていた。黒ずみは、清掃や設備点検をしていれば普通にできる程度のもので、怒鳴られるような汚れではなかったと、ハルキさんは主張する。
一方的な罵倒にハルキさんが反論すると、今度は「生意気なことを言うなら、明日から来なくていい」と告げられた。即日解雇もショックだったが、その後、ハルキさんの就業形態は請負なので即日解雇には当たらないと開き直られ、二重にショックを受けた。
■正社員ではなかった
正社員ではなかったのか──。ただ振り返ってみると、思い当たることはあった。採用時、社長から「最初の3カ月は外注という形になる」と言われたのだ。雇用契約書も社会保険もなし。さらに給与支給の前にはなぜか請求書を書かされた。
おかしいとは思ったが、上司から「ほかの人もやってるから」と言われ、従った。何よりハローワークの求人票には「派遣・請負ではない」とも明記されていたので、正社員として採用されたものと信じていたのだ。
「明日から来るななんて、(労働者にとっては)死刑宣告みたいなもんですよ」。このとき、ハルキさんは人目もはばからず、泣いて抵抗した。しかし、クビは覆らなかった。
典型的な就職氷河期世代であるハルキさんは「今までまともな会社なんてなかった」と繰り返す。求人を探し、履歴書を書き、面接を受け、違法な働き方を強いられ、使い捨てにされ、また仕事を探す──。いったいいつまでこんなことを続ければいいのか。ハルキさんが再び繰り返す。「もう働きたくありません」。
実家は、首都圏にある共働き家庭。家計は裕福とはいえなかった。高校卒業後、大学ではなく専門学校を選んだ理由は「勉強が嫌いだったことと、お金の問題と、半々くらい」。
多くの新卒者と同じく就職活動には苦労した。なんとか採用されたのは、専門学校の専攻とはまったく関係ない全国チェーンの飲食店。しかし、「朝から晩までぶっ通しで働き、サービス残業もあった」。休憩どころかトイレに行く時間も取れない日々に耐えきれず、1カ月で辞めた。
その後、数年間のフリーター時代を経て正規雇用の事務職に就いたが、ここも定時には終わらないほどの業務を任された。当然のように残業手当はなし。帰宅は連日深夜となり、1年もたなかった。
続いて物流関係の会社に転職。契約社員として仕事はそつなくこなしたが、何年働いても正社員にはなれそうになかった。当時は5年を超えて契約更新を繰り返せば無期雇用転換できる法制度もなく、勤続6年を機に退職。「同じような仕事をしている正社員から威張られることにも嫌気がさした」とハルキさんは振り返る。
■正社員の仕事を求めて地方都市へ
正社員の仕事を求めて地方都市に移り住んだこともある。路線バスの運行を手がける会社の事務職だったが、ここではパワハラ被害に遭ったという。
ハルキさんの仕事の1つにアルコールの呼気検査があり、規定値を超えたドライバーを乗務から外そうとしたところ、なぜかハルキさんのほうが社長から叱責されたのだ。どうやらそのドライバーは社長による縁故採用だったらしい。以来、何かにつけて目を付けられるようになり、ついには基本給が大幅に下がる関連会社への出向を命じられてしまう。
ハルキさんによると、この会社では、一部のドライバーが呼気検査をクリアしないままハンドルを握ることがたびたびあった。車両の定期点検もおざなりなうえ、乗降者数を水増しして自治体からの補助金も不正に受給していたという。
「働き手をないがしろにする会社は安全管理もずさんなんです」とハルキさん。このころには、断続的に心療内科を受診する状態で適応障害などの診断を受けていた。
出向先の会社は宿泊施設。気持ちを切り替えて臨んだものの、40歳を過ぎて初めて経験するホテルの接客業務にはなかなかなじめなかった。長年働いている派遣社員から「正社員のくせに覚えが悪い」と嫌味を言われ、メンタル不調が悪化してしまう。結局休職の末、退職を余儀なくされた。
ハルキさんの話を聞きながら、非正規雇用の増大は働き手の身分を不安定化させるだけでなく、順法精神に欠けた経営者や、働き手同士の不毛な対立を生み出すことにつながっていると感じた。実際、非正規労働者を「雇用の調整弁」という趣旨を逸脱し、「使い捨ててもいい労働力」と勘違いしている経営者は少なくない。また、同じ職場で同じような業務を担う正社員や契約社員、派遣労働者らが、身分や賃金水準の違いゆえにギクシャクする場面があることも事実だ。
「日本では解雇が難しい」などと言う人もいるが、取材をする限り、そんな実態はない。持論になるが、業務が継続して存在する場合、働き手は原則無期雇用契約とするべきだ。そのほうが働き手は安心できるし、企業の利益や業務の効率化にもつながるのではないか。
■「今度ばかりは泣き寝入りしたくない」
ハルキさんのことに話を戻そう。地方都市で働くことに見切りをつけたハルキさんは実家に戻る。そしてようやく見つけたのはマンション管理の仕事だった。
また泣き寝入りするしかないのか──。クビになった日は、どうやって帰宅したかもよく覚えていないほど落ち込んだ。一方で「今度ばかりは泣き寝入りしたくない」という思いも湧いてきたという。
ハルキさんはまず個人加入できる地域ユニオンに相談した。団体交渉を重ねたものの、解雇予告手当などの支払いを求める話し合いは難航。ユニオン側の担当者から「『外注』と言われた経緯がある以上、(業務請負でも)仕方がないのでは」などと弱気なことを言われたため、労働組合を通した話し合いに見切りをつける。
続いて弁護士に相談するとともに、労働基準監督署に申告。会社では上司の指揮命令に従って仕事をし、出退勤時にはタイムカードを打刻するなど「労働者」として働いていたことを示す詳細なメモを作成して提出した。これにより、行政側が「請負業者ではなく、労働者」というハルキさんの主張を全面的に支持してくれたという。
交渉は1年近くかかったものの、最終的には未払い賃金などに相当する約200万円を勝ち取ることができた。ハルキさんが初めて悪質企業に反撃し、一矢報いた瞬間だった。
ハルキさんはずっと「働き続けることができない自分」を後ろめたく思ってきたという。とくに最初に正社員として就職した飲食店を1カ月で辞めたことがコンプレックスだった。「なんで自分はいつもダメなんだろうと思い続けてきました」。
しかし、最近は「悪いのはちゃんとした雇用がないことではないか」と考えるようになった。きっかけは、3年ほど前に政府が就職氷河期世代向けの支援策を本格化させたこと。支援の恩恵を直接受ける機会はなかったが、「自分は就職氷河期世代なんだと知ることで、すいぶん気が楽になりました」とハルキさんは振り返る。
要領のいいほうではないし、人付き合いも不得手だという自覚はある。それでも悪いのは法律を守らない会社のほうではないか。「自己責任ではなかった」と思えたことが、悪質な会社に立ち向かうエネルギーになったという。
■京アニの事件はひとごとではない
ハルキさんは現在、障害者枠で働いている。一度病んでしまったメンタルは簡単には回復しない。月収は約15万円。ただここ1年ほどは障害年金も受給している。実家暮らしでもあり、最近は趣味の1つであるアニメ観賞にお金をかける余裕もあるという。
取材で会った日も、夕方から好きなアニメのイベントに参加すると話していた。「響け! ユーフォニアム」という吹奏楽に打ち込む高校生を描いた作品だという。アニメ制作会社「京都アニメーション」が手がけた代表作の1つである。
私たちの会話は自然と、京都アニメーションのスタジオが放火され、社員36人が亡くなった事件のことに及んだ。殺人罪などで起訴された青葉真司被告はハルキさんとほぼ同世代。裁判はまだ始まっておらず、事件の詳細はわかっていない。ただハルキさんは「大勢の人が亡くなった事件は絶対に許されないことだけど、(犯人のことは)ひとごとじゃない」と考えてしまうことがあるという。
マンション管理会社の社長から罵倒され、明日から来るなと吐き捨てられたあの日。ハルキさんの頭をよぎったのは、発電機用に倉庫に保管されていたガソリンタンクのことだったという。ハルキさんは声を潜めてこう打ち明けた。
「一歩間違えれば……、彼は僕だったかもしれない」
ブラック企業が1日も早く撲滅する事を願う。
「お前は勤務態度が悪いからダメ」くら寿司で従業員の有休取得“拒絶”が横行の疑い
大手回転寿司チェーン「無添くら寿司」に勤務する従業員が、有給休暇の取得を店長から“拒絶”されるなど、取得しづらい環境に置かれていたことがわかった。労働基準法に抵触する疑いがある。
有休は法律で定められた労働者の権利だ。「半年間継続して雇われている」「全労働日の8割以上を出勤している」という2つの要件を満たしていれば、正社員・パートタイム労働者などの区分に関係なく、すべての労働者に付与される。
ところが、2017年4月から2020年10月まで宮崎県などの店舗で勤務した元社員は「くら寿司は、まともに従業員に有給休暇を取らせる気がありません」と憤る。
「2018年、副店長だった時にアルバイトに有休の存在を教えてあげたんです。すると店長に『なぜ会社の不利益になるようなことをする。要らんことを言うな!』と叱責された。そのアルバイトは有休取得を希望しましたが、店長に『お前は勤務態度が悪いからダメ』と“拒絶”されました」(同前)
有休を巡っては労働基準法が改正され、2019年4月から使用者(会社)は年次有給休暇が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日間、有給を取得させることが義務化された。
しかし、2018年4月から2021年6月まで都内の店舗などで勤務した別の元社員はこう明かす。
「在職中、退職時の消化も含めて一度も有休を取得できなかった。取りたい気持ちはありましたが……」
さらに別の元社員は「会社に勝手に有休を使われた」と証言する。
「2018年1月にノロウイルスに感染して1週間休んだのですが、上司に『有休使っておいたから』と言われました」(同前)
この3名以外にも、有休を満足に取得できなかった元従業員は複数確認できた。
本社の回答〈法令に基づいて労務管理を実施〉
くら寿司本社に“有休拒絶”について聞くと、以下の回答があった。
〈今般ご照会の事項につきましては、4年から5年も前のものであり、個別の事項に関するご回答には調査を要するところですが、これまでにご照会のような事項に関する当社への情報提供や通報等はございません。なお、当社は、当然のことながら、法令に基づいて労務管理を実施しており、管理者にもそのように指導しております。
貴誌に情報提供があったとされる事項に関して、当社が対応困難な短期間での回答を求められ、貴誌に提供されたとされる断片的な情報がさも真実であるかのように報じられることに対しては、繰り返し申し上げておりますが、当社としては遺憾に堪えないところです〉
くら寿司を巡っては、山梨県甲府市の店舗の店長がパワハラを苦に焼身自殺していたこと、複数の店舗で店長が自腹でアルバイトの給与を支払う“自爆雇用”が行われていたことなどを小誌が5週にわたって報じている。
有休は法律で定められた労働者の権利だ。「半年間継続して雇われている」「全労働日の8割以上を出勤している」という2つの要件を満たしていれば、正社員・パートタイム労働者などの区分に関係なく、すべての労働者に付与される。
ところが、2017年4月から2020年10月まで宮崎県などの店舗で勤務した元社員は「くら寿司は、まともに従業員に有給休暇を取らせる気がありません」と憤る。
「2018年、副店長だった時にアルバイトに有休の存在を教えてあげたんです。すると店長に『なぜ会社の不利益になるようなことをする。要らんことを言うな!』と叱責された。そのアルバイトは有休取得を希望しましたが、店長に『お前は勤務態度が悪いからダメ』と“拒絶”されました」(同前)
有休を巡っては労働基準法が改正され、2019年4月から使用者(会社)は年次有給休暇が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日間、有給を取得させることが義務化された。
しかし、2018年4月から2021年6月まで都内の店舗などで勤務した別の元社員はこう明かす。
「在職中、退職時の消化も含めて一度も有休を取得できなかった。取りたい気持ちはありましたが……」
さらに別の元社員は「会社に勝手に有休を使われた」と証言する。
「2018年1月にノロウイルスに感染して1週間休んだのですが、上司に『有休使っておいたから』と言われました」(同前)
この3名以外にも、有休を満足に取得できなかった元従業員は複数確認できた。
本社の回答〈法令に基づいて労務管理を実施〉
くら寿司本社に“有休拒絶”について聞くと、以下の回答があった。
〈今般ご照会の事項につきましては、4年から5年も前のものであり、個別の事項に関するご回答には調査を要するところですが、これまでにご照会のような事項に関する当社への情報提供や通報等はございません。なお、当社は、当然のことながら、法令に基づいて労務管理を実施しており、管理者にもそのように指導しております。
貴誌に情報提供があったとされる事項に関して、当社が対応困難な短期間での回答を求められ、貴誌に提供されたとされる断片的な情報がさも真実であるかのように報じられることに対しては、繰り返し申し上げておりますが、当社としては遺憾に堪えないところです〉
くら寿司を巡っては、山梨県甲府市の店舗の店長がパワハラを苦に焼身自殺していたこと、複数の店舗で店長が自腹でアルバイトの給与を支払う“自爆雇用”が行われていたことなどを小誌が5週にわたって報じている。
2022年05月23日
「人里離れた研修所に10日間も缶詰にされました」会社員の精神を蝕む“ブラック研修”が横行する理由、「リストラ手段として必要」との声も
研修というと、近年「ブラック研修」という言葉をよく耳にするようになりました。ブラック研修とは、参加者の人格を否定したり、不可能・不可解なことを強要したりする研修です。とくに新人研修では、ブラック研修が多いと言われます。
ダメ出しの連続、毎朝10キロのマラソン…
まず、ブラック研修の実態について、中堅・大手企業の社員に訊ねました。新人研修については、新入社員のマインドの変革を促すタイプのブラック研修がありました。
「わが社の新人研修には、街に出かけて興味深い通行人を10人探してインタビューするという訓練があります。私は初日、スーツ姿で慌てて走っている男性を見つけてインタビューしたのですが、報告を受けた講師は『会社員が約束に遅れないよう走るのは当たり前。興味深くない』とダメ出し。次の日は、半裸で踊っている男性を見つけてインタビューしたら、今度は『陽気も良いし、半裸で踊っていても別に珍しくない』とまたダメ出し。これを5日間繰り返していたら、最後は気が狂いそうになりました」(小売業・販売担当)
「人里離れた研修所に10日間も缶詰にされました。携帯の利用も禁止。それだけでも十分ブラックですが、研修内容は、毎朝10キロのマラソン、大声での自己紹介、会社の理念の唱和など、仕事と関係ないものばかり。しかもOKが出るまで講師から罵倒され、何度も繰り返し。私は何とか乗り切りましたが、同期の1人は途中で脱走し、そのまま退職してしまいました」(電機・製造担当)
SNS上でよく話題になるのは新人研修。しかし、新人以外の社員にもブラック研修が行われています。この場合、マインドを変革するというよりマインドを破壊するような研修が行われているようです。
「ブラック研修の実態が社員からSNSで拡散し、採用で不利になるという懸念があります。厳しい研修で新人をしっかり育てたいという気持ちは山々ですが、大っぴらにやるのは難しいでしょう」(不動産・人事担当)
一方、新人以外については、ブラック研修を利用したリストラが「なくならない」「むしろ増える」という予想が聞かれました。
「将来、解雇の金銭解決制度が導入されたら話は別ですが、そうでない限りリストラの手段としてブラック研修は必要です。ただ、訴訟リスクや風評リスクもあるので、あからさまなブラック研修は減り、巧妙なやり方に変わっていくと予想します」(サービス・人事担当)
ダメ出しの連続、毎朝10キロのマラソン…
まず、ブラック研修の実態について、中堅・大手企業の社員に訊ねました。新人研修については、新入社員のマインドの変革を促すタイプのブラック研修がありました。
「わが社の新人研修には、街に出かけて興味深い通行人を10人探してインタビューするという訓練があります。私は初日、スーツ姿で慌てて走っている男性を見つけてインタビューしたのですが、報告を受けた講師は『会社員が約束に遅れないよう走るのは当たり前。興味深くない』とダメ出し。次の日は、半裸で踊っている男性を見つけてインタビューしたら、今度は『陽気も良いし、半裸で踊っていても別に珍しくない』とまたダメ出し。これを5日間繰り返していたら、最後は気が狂いそうになりました」(小売業・販売担当)
「人里離れた研修所に10日間も缶詰にされました。携帯の利用も禁止。それだけでも十分ブラックですが、研修内容は、毎朝10キロのマラソン、大声での自己紹介、会社の理念の唱和など、仕事と関係ないものばかり。しかもOKが出るまで講師から罵倒され、何度も繰り返し。私は何とか乗り切りましたが、同期の1人は途中で脱走し、そのまま退職してしまいました」(電機・製造担当)
SNS上でよく話題になるのは新人研修。しかし、新人以外の社員にもブラック研修が行われています。この場合、マインドを変革するというよりマインドを破壊するような研修が行われているようです。
「ブラック研修の実態が社員からSNSで拡散し、採用で不利になるという懸念があります。厳しい研修で新人をしっかり育てたいという気持ちは山々ですが、大っぴらにやるのは難しいでしょう」(不動産・人事担当)
一方、新人以外については、ブラック研修を利用したリストラが「なくならない」「むしろ増える」という予想が聞かれました。
「将来、解雇の金銭解決制度が導入されたら話は別ですが、そうでない限りリストラの手段としてブラック研修は必要です。ただ、訴訟リスクや風評リスクもあるので、あからさまなブラック研修は減り、巧妙なやり方に変わっていくと予想します」(サービス・人事担当)