2022年05月26日
「まともな会社で働いた事ない」45歳男性の闘争、深夜残業に一方的な減給、パワハラ、即日解雇
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。
■「正直、もう働きたくありません」
就職氷河期世代のハルキさん(仮名、45歳)は今まで「まともな働き口」に出合ったことがない。深夜までのサービス残業に一方的な減給、パワハラ、即日解雇──。10社以上の会社で働いたが、手取り20万円に届かない非正規雇用がほとんどだった。採用時の条件が実態とかけ離れた“求人詐欺”に遭ったこともある。いわゆる“ブラック企業”を転々とするなかでメンタルを病んだ。
「正直、もう働きたくありません」
ハルキさんはそう本音をこぼす。そして怒りを抑えるように続けた。「社長や経営者には、専門の資格や免許を取得させるとか、定期的に講習を受けることを義務づけるとかすべきです」。人を雇うからには、まずは労働関連法やハラスメント防止を学べというわけだ。
ハルキさんが渡り歩いてきた悪質企業の中でも、昨年クビになった会社は特にひどかったという。ハローワークで見つけたマンション管理の仕事。求人票の雇用形態に正社員とあったので迷わず応募した。
ところが、働き始めて数カ月が過ぎたとき、社長から作業着を貸してほしいと頼まれたので、自身が着ていた服を手渡したところ、袖口の汚れを指摘された。さらには「なんでそんなに汚いんだ!」「こんなもん人間が着るもんじゃねえ!」と激怒されたのだ。
作業着はたしかに袖口が黒ずんでいたという。ただ3日に一度は自宅で洗濯をし、襟元や袖口には部分汚れ用の洗剤も使っていた。黒ずみは、清掃や設備点検をしていれば普通にできる程度のもので、怒鳴られるような汚れではなかったと、ハルキさんは主張する。
一方的な罵倒にハルキさんが反論すると、今度は「生意気なことを言うなら、明日から来なくていい」と告げられた。即日解雇もショックだったが、その後、ハルキさんの就業形態は請負なので即日解雇には当たらないと開き直られ、二重にショックを受けた。
■正社員ではなかった
正社員ではなかったのか──。ただ振り返ってみると、思い当たることはあった。採用時、社長から「最初の3カ月は外注という形になる」と言われたのだ。雇用契約書も社会保険もなし。さらに給与支給の前にはなぜか請求書を書かされた。
おかしいとは思ったが、上司から「ほかの人もやってるから」と言われ、従った。何よりハローワークの求人票には「派遣・請負ではない」とも明記されていたので、正社員として採用されたものと信じていたのだ。
「明日から来るななんて、(労働者にとっては)死刑宣告みたいなもんですよ」。このとき、ハルキさんは人目もはばからず、泣いて抵抗した。しかし、クビは覆らなかった。
典型的な就職氷河期世代であるハルキさんは「今までまともな会社なんてなかった」と繰り返す。求人を探し、履歴書を書き、面接を受け、違法な働き方を強いられ、使い捨てにされ、また仕事を探す──。いったいいつまでこんなことを続ければいいのか。ハルキさんが再び繰り返す。「もう働きたくありません」。
実家は、首都圏にある共働き家庭。家計は裕福とはいえなかった。高校卒業後、大学ではなく専門学校を選んだ理由は「勉強が嫌いだったことと、お金の問題と、半々くらい」。
多くの新卒者と同じく就職活動には苦労した。なんとか採用されたのは、専門学校の専攻とはまったく関係ない全国チェーンの飲食店。しかし、「朝から晩までぶっ通しで働き、サービス残業もあった」。休憩どころかトイレに行く時間も取れない日々に耐えきれず、1カ月で辞めた。
その後、数年間のフリーター時代を経て正規雇用の事務職に就いたが、ここも定時には終わらないほどの業務を任された。当然のように残業手当はなし。帰宅は連日深夜となり、1年もたなかった。
続いて物流関係の会社に転職。契約社員として仕事はそつなくこなしたが、何年働いても正社員にはなれそうになかった。当時は5年を超えて契約更新を繰り返せば無期雇用転換できる法制度もなく、勤続6年を機に退職。「同じような仕事をしている正社員から威張られることにも嫌気がさした」とハルキさんは振り返る。
■正社員の仕事を求めて地方都市へ
正社員の仕事を求めて地方都市に移り住んだこともある。路線バスの運行を手がける会社の事務職だったが、ここではパワハラ被害に遭ったという。
ハルキさんの仕事の1つにアルコールの呼気検査があり、規定値を超えたドライバーを乗務から外そうとしたところ、なぜかハルキさんのほうが社長から叱責されたのだ。どうやらそのドライバーは社長による縁故採用だったらしい。以来、何かにつけて目を付けられるようになり、ついには基本給が大幅に下がる関連会社への出向を命じられてしまう。
ハルキさんによると、この会社では、一部のドライバーが呼気検査をクリアしないままハンドルを握ることがたびたびあった。車両の定期点検もおざなりなうえ、乗降者数を水増しして自治体からの補助金も不正に受給していたという。
「働き手をないがしろにする会社は安全管理もずさんなんです」とハルキさん。このころには、断続的に心療内科を受診する状態で適応障害などの診断を受けていた。
出向先の会社は宿泊施設。気持ちを切り替えて臨んだものの、40歳を過ぎて初めて経験するホテルの接客業務にはなかなかなじめなかった。長年働いている派遣社員から「正社員のくせに覚えが悪い」と嫌味を言われ、メンタル不調が悪化してしまう。結局休職の末、退職を余儀なくされた。
ハルキさんの話を聞きながら、非正規雇用の増大は働き手の身分を不安定化させるだけでなく、順法精神に欠けた経営者や、働き手同士の不毛な対立を生み出すことにつながっていると感じた。実際、非正規労働者を「雇用の調整弁」という趣旨を逸脱し、「使い捨ててもいい労働力」と勘違いしている経営者は少なくない。また、同じ職場で同じような業務を担う正社員や契約社員、派遣労働者らが、身分や賃金水準の違いゆえにギクシャクする場面があることも事実だ。
「日本では解雇が難しい」などと言う人もいるが、取材をする限り、そんな実態はない。持論になるが、業務が継続して存在する場合、働き手は原則無期雇用契約とするべきだ。そのほうが働き手は安心できるし、企業の利益や業務の効率化にもつながるのではないか。
■「今度ばかりは泣き寝入りしたくない」
ハルキさんのことに話を戻そう。地方都市で働くことに見切りをつけたハルキさんは実家に戻る。そしてようやく見つけたのはマンション管理の仕事だった。
また泣き寝入りするしかないのか──。クビになった日は、どうやって帰宅したかもよく覚えていないほど落ち込んだ。一方で「今度ばかりは泣き寝入りしたくない」という思いも湧いてきたという。
ハルキさんはまず個人加入できる地域ユニオンに相談した。団体交渉を重ねたものの、解雇予告手当などの支払いを求める話し合いは難航。ユニオン側の担当者から「『外注』と言われた経緯がある以上、(業務請負でも)仕方がないのでは」などと弱気なことを言われたため、労働組合を通した話し合いに見切りをつける。
続いて弁護士に相談するとともに、労働基準監督署に申告。会社では上司の指揮命令に従って仕事をし、出退勤時にはタイムカードを打刻するなど「労働者」として働いていたことを示す詳細なメモを作成して提出した。これにより、行政側が「請負業者ではなく、労働者」というハルキさんの主張を全面的に支持してくれたという。
交渉は1年近くかかったものの、最終的には未払い賃金などに相当する約200万円を勝ち取ることができた。ハルキさんが初めて悪質企業に反撃し、一矢報いた瞬間だった。
ハルキさんはずっと「働き続けることができない自分」を後ろめたく思ってきたという。とくに最初に正社員として就職した飲食店を1カ月で辞めたことがコンプレックスだった。「なんで自分はいつもダメなんだろうと思い続けてきました」。
しかし、最近は「悪いのはちゃんとした雇用がないことではないか」と考えるようになった。きっかけは、3年ほど前に政府が就職氷河期世代向けの支援策を本格化させたこと。支援の恩恵を直接受ける機会はなかったが、「自分は就職氷河期世代なんだと知ることで、すいぶん気が楽になりました」とハルキさんは振り返る。
要領のいいほうではないし、人付き合いも不得手だという自覚はある。それでも悪いのは法律を守らない会社のほうではないか。「自己責任ではなかった」と思えたことが、悪質な会社に立ち向かうエネルギーになったという。
■京アニの事件はひとごとではない
ハルキさんは現在、障害者枠で働いている。一度病んでしまったメンタルは簡単には回復しない。月収は約15万円。ただここ1年ほどは障害年金も受給している。実家暮らしでもあり、最近は趣味の1つであるアニメ観賞にお金をかける余裕もあるという。
取材で会った日も、夕方から好きなアニメのイベントに参加すると話していた。「響け! ユーフォニアム」という吹奏楽に打ち込む高校生を描いた作品だという。アニメ制作会社「京都アニメーション」が手がけた代表作の1つである。
私たちの会話は自然と、京都アニメーションのスタジオが放火され、社員36人が亡くなった事件のことに及んだ。殺人罪などで起訴された青葉真司被告はハルキさんとほぼ同世代。裁判はまだ始まっておらず、事件の詳細はわかっていない。ただハルキさんは「大勢の人が亡くなった事件は絶対に許されないことだけど、(犯人のことは)ひとごとじゃない」と考えてしまうことがあるという。
マンション管理会社の社長から罵倒され、明日から来るなと吐き捨てられたあの日。ハルキさんの頭をよぎったのは、発電機用に倉庫に保管されていたガソリンタンクのことだったという。ハルキさんは声を潜めてこう打ち明けた。
「一歩間違えれば……、彼は僕だったかもしれない」
ブラック企業が1日も早く撲滅する事を願う。
■「正直、もう働きたくありません」
就職氷河期世代のハルキさん(仮名、45歳)は今まで「まともな働き口」に出合ったことがない。深夜までのサービス残業に一方的な減給、パワハラ、即日解雇──。10社以上の会社で働いたが、手取り20万円に届かない非正規雇用がほとんどだった。採用時の条件が実態とかけ離れた“求人詐欺”に遭ったこともある。いわゆる“ブラック企業”を転々とするなかでメンタルを病んだ。
「正直、もう働きたくありません」
ハルキさんはそう本音をこぼす。そして怒りを抑えるように続けた。「社長や経営者には、専門の資格や免許を取得させるとか、定期的に講習を受けることを義務づけるとかすべきです」。人を雇うからには、まずは労働関連法やハラスメント防止を学べというわけだ。
ハルキさんが渡り歩いてきた悪質企業の中でも、昨年クビになった会社は特にひどかったという。ハローワークで見つけたマンション管理の仕事。求人票の雇用形態に正社員とあったので迷わず応募した。
ところが、働き始めて数カ月が過ぎたとき、社長から作業着を貸してほしいと頼まれたので、自身が着ていた服を手渡したところ、袖口の汚れを指摘された。さらには「なんでそんなに汚いんだ!」「こんなもん人間が着るもんじゃねえ!」と激怒されたのだ。
作業着はたしかに袖口が黒ずんでいたという。ただ3日に一度は自宅で洗濯をし、襟元や袖口には部分汚れ用の洗剤も使っていた。黒ずみは、清掃や設備点検をしていれば普通にできる程度のもので、怒鳴られるような汚れではなかったと、ハルキさんは主張する。
一方的な罵倒にハルキさんが反論すると、今度は「生意気なことを言うなら、明日から来なくていい」と告げられた。即日解雇もショックだったが、その後、ハルキさんの就業形態は請負なので即日解雇には当たらないと開き直られ、二重にショックを受けた。
■正社員ではなかった
正社員ではなかったのか──。ただ振り返ってみると、思い当たることはあった。採用時、社長から「最初の3カ月は外注という形になる」と言われたのだ。雇用契約書も社会保険もなし。さらに給与支給の前にはなぜか請求書を書かされた。
おかしいとは思ったが、上司から「ほかの人もやってるから」と言われ、従った。何よりハローワークの求人票には「派遣・請負ではない」とも明記されていたので、正社員として採用されたものと信じていたのだ。
「明日から来るななんて、(労働者にとっては)死刑宣告みたいなもんですよ」。このとき、ハルキさんは人目もはばからず、泣いて抵抗した。しかし、クビは覆らなかった。
典型的な就職氷河期世代であるハルキさんは「今までまともな会社なんてなかった」と繰り返す。求人を探し、履歴書を書き、面接を受け、違法な働き方を強いられ、使い捨てにされ、また仕事を探す──。いったいいつまでこんなことを続ければいいのか。ハルキさんが再び繰り返す。「もう働きたくありません」。
実家は、首都圏にある共働き家庭。家計は裕福とはいえなかった。高校卒業後、大学ではなく専門学校を選んだ理由は「勉強が嫌いだったことと、お金の問題と、半々くらい」。
多くの新卒者と同じく就職活動には苦労した。なんとか採用されたのは、専門学校の専攻とはまったく関係ない全国チェーンの飲食店。しかし、「朝から晩までぶっ通しで働き、サービス残業もあった」。休憩どころかトイレに行く時間も取れない日々に耐えきれず、1カ月で辞めた。
その後、数年間のフリーター時代を経て正規雇用の事務職に就いたが、ここも定時には終わらないほどの業務を任された。当然のように残業手当はなし。帰宅は連日深夜となり、1年もたなかった。
続いて物流関係の会社に転職。契約社員として仕事はそつなくこなしたが、何年働いても正社員にはなれそうになかった。当時は5年を超えて契約更新を繰り返せば無期雇用転換できる法制度もなく、勤続6年を機に退職。「同じような仕事をしている正社員から威張られることにも嫌気がさした」とハルキさんは振り返る。
■正社員の仕事を求めて地方都市へ
正社員の仕事を求めて地方都市に移り住んだこともある。路線バスの運行を手がける会社の事務職だったが、ここではパワハラ被害に遭ったという。
ハルキさんの仕事の1つにアルコールの呼気検査があり、規定値を超えたドライバーを乗務から外そうとしたところ、なぜかハルキさんのほうが社長から叱責されたのだ。どうやらそのドライバーは社長による縁故採用だったらしい。以来、何かにつけて目を付けられるようになり、ついには基本給が大幅に下がる関連会社への出向を命じられてしまう。
ハルキさんによると、この会社では、一部のドライバーが呼気検査をクリアしないままハンドルを握ることがたびたびあった。車両の定期点検もおざなりなうえ、乗降者数を水増しして自治体からの補助金も不正に受給していたという。
「働き手をないがしろにする会社は安全管理もずさんなんです」とハルキさん。このころには、断続的に心療内科を受診する状態で適応障害などの診断を受けていた。
出向先の会社は宿泊施設。気持ちを切り替えて臨んだものの、40歳を過ぎて初めて経験するホテルの接客業務にはなかなかなじめなかった。長年働いている派遣社員から「正社員のくせに覚えが悪い」と嫌味を言われ、メンタル不調が悪化してしまう。結局休職の末、退職を余儀なくされた。
ハルキさんの話を聞きながら、非正規雇用の増大は働き手の身分を不安定化させるだけでなく、順法精神に欠けた経営者や、働き手同士の不毛な対立を生み出すことにつながっていると感じた。実際、非正規労働者を「雇用の調整弁」という趣旨を逸脱し、「使い捨ててもいい労働力」と勘違いしている経営者は少なくない。また、同じ職場で同じような業務を担う正社員や契約社員、派遣労働者らが、身分や賃金水準の違いゆえにギクシャクする場面があることも事実だ。
「日本では解雇が難しい」などと言う人もいるが、取材をする限り、そんな実態はない。持論になるが、業務が継続して存在する場合、働き手は原則無期雇用契約とするべきだ。そのほうが働き手は安心できるし、企業の利益や業務の効率化にもつながるのではないか。
■「今度ばかりは泣き寝入りしたくない」
ハルキさんのことに話を戻そう。地方都市で働くことに見切りをつけたハルキさんは実家に戻る。そしてようやく見つけたのはマンション管理の仕事だった。
また泣き寝入りするしかないのか──。クビになった日は、どうやって帰宅したかもよく覚えていないほど落ち込んだ。一方で「今度ばかりは泣き寝入りしたくない」という思いも湧いてきたという。
ハルキさんはまず個人加入できる地域ユニオンに相談した。団体交渉を重ねたものの、解雇予告手当などの支払いを求める話し合いは難航。ユニオン側の担当者から「『外注』と言われた経緯がある以上、(業務請負でも)仕方がないのでは」などと弱気なことを言われたため、労働組合を通した話し合いに見切りをつける。
続いて弁護士に相談するとともに、労働基準監督署に申告。会社では上司の指揮命令に従って仕事をし、出退勤時にはタイムカードを打刻するなど「労働者」として働いていたことを示す詳細なメモを作成して提出した。これにより、行政側が「請負業者ではなく、労働者」というハルキさんの主張を全面的に支持してくれたという。
交渉は1年近くかかったものの、最終的には未払い賃金などに相当する約200万円を勝ち取ることができた。ハルキさんが初めて悪質企業に反撃し、一矢報いた瞬間だった。
ハルキさんはずっと「働き続けることができない自分」を後ろめたく思ってきたという。とくに最初に正社員として就職した飲食店を1カ月で辞めたことがコンプレックスだった。「なんで自分はいつもダメなんだろうと思い続けてきました」。
しかし、最近は「悪いのはちゃんとした雇用がないことではないか」と考えるようになった。きっかけは、3年ほど前に政府が就職氷河期世代向けの支援策を本格化させたこと。支援の恩恵を直接受ける機会はなかったが、「自分は就職氷河期世代なんだと知ることで、すいぶん気が楽になりました」とハルキさんは振り返る。
要領のいいほうではないし、人付き合いも不得手だという自覚はある。それでも悪いのは法律を守らない会社のほうではないか。「自己責任ではなかった」と思えたことが、悪質な会社に立ち向かうエネルギーになったという。
■京アニの事件はひとごとではない
ハルキさんは現在、障害者枠で働いている。一度病んでしまったメンタルは簡単には回復しない。月収は約15万円。ただここ1年ほどは障害年金も受給している。実家暮らしでもあり、最近は趣味の1つであるアニメ観賞にお金をかける余裕もあるという。
取材で会った日も、夕方から好きなアニメのイベントに参加すると話していた。「響け! ユーフォニアム」という吹奏楽に打ち込む高校生を描いた作品だという。アニメ制作会社「京都アニメーション」が手がけた代表作の1つである。
私たちの会話は自然と、京都アニメーションのスタジオが放火され、社員36人が亡くなった事件のことに及んだ。殺人罪などで起訴された青葉真司被告はハルキさんとほぼ同世代。裁判はまだ始まっておらず、事件の詳細はわかっていない。ただハルキさんは「大勢の人が亡くなった事件は絶対に許されないことだけど、(犯人のことは)ひとごとじゃない」と考えてしまうことがあるという。
マンション管理会社の社長から罵倒され、明日から来るなと吐き捨てられたあの日。ハルキさんの頭をよぎったのは、発電機用に倉庫に保管されていたガソリンタンクのことだったという。ハルキさんは声を潜めてこう打ち明けた。
「一歩間違えれば……、彼は僕だったかもしれない」
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