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2020年07月20日
エブリデイ俺様58
エブリデイ俺様58
先導した町長のあとについていった俺様達が辿り着いたのは、本殿の真裏であった。
数人が地面に這いつくばり、ダンゴ虫のようにそこかしこで丸まっている。
町長が一番手前のダンゴ虫に問いかけた。
「丸井さんはどこかな」
そのダンゴ虫は顔を見上げた後、一際大きいダンゴ虫をそっと指で示した。
どうやら口も利けない程、憔悴しているようだ。
連日の高温に加え目に見えない湿気の固まりがこの場所に鎮座しているかのように、ただ居るだけでも、じとっとした汗が浮き上がってくる所で草との戦いを強いられているのだから無理もない。
大きいダンゴ虫、もとい丸井氏の傍にいくと俺様達に気付いたのか体を大きく揺さぶりながら立ち上がった。
「どうも町長。和代ちゃんから聞いたわよ。手伝ってくれるのはそこの三人ね。ほら、いつもなら数名で足りるのだけど今年は手伝いが増えたからっていうんで、手付かずだった裏も掃除することになったでしょう? そしたら草むしりの人員の補充をすっかり忘れていたわけじゃない? だもんで、全然進まなくてねぇ。まさか増えた手伝いが全員表側をやるとは思わなかったわけよ。あっはっは。
もーじめじめしていて嫌になっちゃうわ。道田さんなんて数時間前から一言も話さなくなったのよ。だもんで、和代ちゃんに補充のお願いをしてもらいにいったのよ。
三人も来てくれて助かっちゃうわ。あらぁ?よく見たら御曹司様ではございませんか。お暑いですからね、水分補給はしっかり摂って無理のない範囲で作業してくださいね。
でないと、熱中症で倒れちゃいますから。あっはっは」
丸井というおばさんは、歯を剥き出しにして豪快に笑った。
町長は丸井氏の勢いに押されたのか首を上げ下げしており、まるで福岡の「赤べこ」のようにヘコヘコとしていた。
町長は竹田に軍手とポリ袋を手渡し、「それでは」と言い表側へと歩いていった。
「御曹司様たちはこちら側をお願いします」丸井氏が示した場所には、生い茂る雑草と散らばる小石とポニーテールに髪を結った和代ちゃんがいた。
~続く~




クイズ番組ばかりでつまらないなぁ~
おわり

先導した町長のあとについていった俺様達が辿り着いたのは、本殿の真裏であった。
数人が地面に這いつくばり、ダンゴ虫のようにそこかしこで丸まっている。
町長が一番手前のダンゴ虫に問いかけた。
「丸井さんはどこかな」
そのダンゴ虫は顔を見上げた後、一際大きいダンゴ虫をそっと指で示した。
どうやら口も利けない程、憔悴しているようだ。
連日の高温に加え目に見えない湿気の固まりがこの場所に鎮座しているかのように、ただ居るだけでも、じとっとした汗が浮き上がってくる所で草との戦いを強いられているのだから無理もない。
大きいダンゴ虫、もとい丸井氏の傍にいくと俺様達に気付いたのか体を大きく揺さぶりながら立ち上がった。
「どうも町長。和代ちゃんから聞いたわよ。手伝ってくれるのはそこの三人ね。ほら、いつもなら数名で足りるのだけど今年は手伝いが増えたからっていうんで、手付かずだった裏も掃除することになったでしょう? そしたら草むしりの人員の補充をすっかり忘れていたわけじゃない? だもんで、全然進まなくてねぇ。まさか増えた手伝いが全員表側をやるとは思わなかったわけよ。あっはっは。
もーじめじめしていて嫌になっちゃうわ。道田さんなんて数時間前から一言も話さなくなったのよ。だもんで、和代ちゃんに補充のお願いをしてもらいにいったのよ。
三人も来てくれて助かっちゃうわ。あらぁ?よく見たら御曹司様ではございませんか。お暑いですからね、水分補給はしっかり摂って無理のない範囲で作業してくださいね。
でないと、熱中症で倒れちゃいますから。あっはっは」
丸井というおばさんは、歯を剥き出しにして豪快に笑った。
町長は丸井氏の勢いに押されたのか首を上げ下げしており、まるで福岡の「赤べこ」のようにヘコヘコとしていた。
町長は竹田に軍手とポリ袋を手渡し、「それでは」と言い表側へと歩いていった。
「御曹司様たちはこちら側をお願いします」丸井氏が示した場所には、生い茂る雑草と散らばる小石とポニーテールに髪を結った和代ちゃんがいた。
~続く~


クイズ番組ばかりでつまらないなぁ~
おわり
