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2022年11月04日

巨大怪人の倒し方

「平成・令和生まれに捧げる特撮学」追加データ)

 第二次怪獣ブーム(1971〜1974年)の頃の変身ヒーロー(等身大ヒーロー)ものには、必ずと言っていいほど、巨人タイプの敵キャラが登場した。それは、時には、悪の組織の首領であったり、大幹部であったり、あるいは、イベント回の目玉の敵役だったりもした。
 やはり、等身大のヒーローものの場合は、巨大な敵キャラと言うのは、それだけでインパクトがあるし、見た目だけで十分に手強そうにも感じられるからなのであろう。仮面ライダー・シリーズでも、「仮面ライダーX」(1974年)では大幹部のキングダーク(身長26メートル)、「仮面ライダーストロンガー」(1975年)でも最後の敵として岩石大首領(身長不明)と、二度も巨大ラスボスが登場している。
 この巨大怪人と言うシチュエーションであるが、その歴史はなかなか古く、元祖ヒーローである「月光仮面」(1958年)の時点で、早くもマンモスコング(身長15メートル)と言う巨大怪獣が出てきた。言うまでもなく、これはキングコングのパクリだったのだが、本来が「悪い人間」と戦う設定だった月光仮面が、こんな巨大な怪物へと、バイクに乗って立ち向かう姿は、いささかシュールなのでもあった。
 その後も、「ナショナルキッド」(1961年)には怪獣ギャプラ(身長不明)が、「ジャングルプリンス」(1970年/制作は1965年ごろ)にはアリの魔神(身長不明)と言った巨大キャラが登場して、等身大のヒーローと対峙するのだが、これが、やがて、「ウルトラQ」(1966年)を経由して、「ウルトラマン」(1966年)を筆頭とする巨大ヒーローものへと、バトルの構図そのものが変わってゆく訳である。
 さて、第二次怪獣ブームの頃の巨大怪人の倒し方には、なんとなくパターンがあった。それが、一言で紹介すると、「等身大ヒーローは、巨大怪人の体内へと潜り込んで、これを撃退する」と言うものなのである。
 およその巨大怪人の正体は、大型ロボットであった。だから、そのような戦い方が可能だし、巨大ロボットの中に潜む操縦者さえ倒せば、この巨大ロボット自体も撃破できる、と言う理屈なのである。
 前述した「仮面ライダー」の巨大キャラ、キングダーク岩石大首領も、この方法で倒された。「電人ザボーガー」(1974年)のジャンボメカ(身長120メートル)も然りである。「キカイダー01」(1973年)のジャイアントデビル(完全体の身長不明)は頭部だけの状態のうちに破壊されたが、完成していたら、やはり同種の方法で倒されていたのかもしれない。(原作マンガでは、ほぼ内部から壊されたとも言えそうな最期だった)同じ石ノ森章太郎マンガ繋がりだと、マンガ版の「サイボーグ009」ブラックゴースト団の総統(魔神像)も、ヒーロー(サイボーグ009)に体内へ侵入された後で倒されている。
「超人バロム・1」(1972年)の巨大化する敵ボス・ドルゲ(最大身長20メートル)は、生き物(?)なので、さすがに、体内に潜り込まれて退治されるような事はなかったが、しかし、「快傑ライオン丸」(1973年)では、大魔王ゴースン(身長24メートル)は、人間が変身した巨大怪人でありながらも、最後は、体の中に無理やり飛び込んだヒーロー(ライオン丸)によって、心臓を貫かれて、破滅していた。それまでのストーリーでは、さんざん、ゴースンの弱点は象牙であるかのようなフラグが立てられていたにも関わらず!
 実は、この「巨大怪人の体内に入って倒す」と言うパターンは、第二次怪獣ブームから始まったものでもなかった。特撮ヒーローもので、最初に、この手法が用いられたのは、恐らく、「悪魔くん」(1966年)のペロリゴン(身長50メートル、もしくは80メートル)であろう。ペロリゴンも怪獣型妖怪だったのだが、食いしん坊で、ヒーロー(悪魔メフィスト)まで食べてしまったばかりに、最後は、内側から体に穴を開けられて、滅びてしまうのだ。同じ東映作品である「仮面の忍者 赤影」(1967年)でも、甲賀幻妖斎の動かす巨大ロボット・金目像(身長45メートル)は、ヒーロー(赤影)の内部浸入を許したばかりに破壊されていた。「キャプテンウルトラ」(1967年)の、星獣バンデラー(身長40メートル)やバンデル巨人(身長30メートル)の退治法も、実質上、この「内部からの攻撃」の変形であった。
 そして、東映作品では、この「巨大な敵を内部から倒す」と言う戦略がエスカレートするあまり、アニメ映画「グレートマジンガー対ゲッターロボ」(1975年)では、ついに巨大ロボット(グレートマジンガーゲッターロボ)までもが超巨大怪獣ギルギルガン(身長70メートル)の体内に飛び込んで、その巨体をぶっ潰す事となるのだ。
 これら東映作品に対して、円谷プロの特撮ものでは、「快獣ブースカ」(1967年)の怪獣イモラ(身長30メートル)にせよ、「緊急指令10-4・10-10」(1972年)の地底怪獣アルフォン(体長70メートル)にせよ、さすがに、動物である怪獣の体内に潜って、やっつけるような手荒なマネはしていなかった。ただし、「戦え!マイティジャック」(1968年)のビッグQ(身長55メートル)の場合はロボットだったから、やはり、しっかりと内部から爆破しているのだ。
 なぜ、巨大な敵の倒し方は、このように、いつも、内側に入って攻撃する形になってしまうのであろうか。
 思えば、我々日本人は、幼き頃、童話を聞かされていた時期から、「大きな敵は、中から倒せ」と言う戦法を知っていた。すなわち、「一寸法師」だ。豆粒のような一寸法師は、鬼(等身大)に飲み込まれ、その中に入って、これを撃退した。実は、この「敵を内側からやっつける」と言うアイディアは、私たちにとっては、ずっと古くから心に染み付いていたものなのであった。そう言えば、日本人の大好きな中国の物語「西遊記」でも、孫悟空は、よく、悪い妖怪の体の中に入って暴れて、その妖怪を降参させる、と言う戦術を用いていた。
 この特撮ヒーローもので頻繁に目にした「巨大な敵の倒し方」は、そもそもが、もっと、いにしえの時代から引き継がれていた伝統だった訳だ。
 第二次怪獣ブームは終焉したが、その後も多くの等身大ヒーローものは作られ続けた。それらの新しい作品の中でも、たびたび、巨大な敵は登場したのだが、さすがに、「敵の内側に入って倒す」のはマンネリと考えられるようになったみたいである。近年では、このような巨大怪人の倒し方は、まるで見かけなくなったのでもあった。

posted by anu at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ番組
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