2016年02月20日
ルシー的タイムマシンその3
「ルシーの明日」では、のっけからアインシュタインの名前が出てきますが、実はこれも伏線みたいなものでして、この「ルシーの明日」の内容がアインシュタインの相対性理論ともきちんと共存している事を伝えていたのであります。
たとえば、特殊相対性理論では、光より速いスピードで動けるものの可能性を疑問視しています。だから、「ルシーの明日」の宇宙シリコニーも、その範囲内の存在として、せいぜい光の速さでしか動けない存在として描かれているのです。
ワープとか超光速飛行なんてものは、そもそも相対性理論とはうまく噛み合ってませんので、「ルシーの明日」では言及すらしていません。
しかし、他方で、特殊相対性理論においては、重力によって時空が歪む可能性が示唆されておりまして、近年、アメリカの研究チームが重力波の観測に成功した事で、ほぼ真実である事が立証されました。
しかし、それが「ルシーの明日」のタイムトラベル理論とも大いに関わってくるのであります。
「ルシーの明日」では、全ての平行次元の時間の流れる速さが異なっていると仮定しています。本来ならば、時間の速度の違うような世界の間をまたぎ渡る事は不可能みたいにも思えるのですが、特殊相対性理論は、我々の宇宙の中だけでも、重力を利用する事で時間の速さを変えられる事を提唱してくれました。つまり、時間の速度の違う他次元への移動や、それを経由する事によるタイムトラベルも実現できそうな兆しが見えてきたのです。
一見、荒唐無稽に思われる「ルシーの明日」の平行次元とタイムトラベル理論ですが、実は、リアルの最先端物理学とも決して相反していないアイディアだったのであります。
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