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2009年02月05日
『闇に抗う自動人形(オートマタ)』(前編) part1

 はい、今日は以前予告していた通り、
いなづ様が某スレで載せたセイバーズ関係のSSを、載せていきたいと思います。
これは前編で、後編は次の予定らしいです。
今回はまた、違った雰囲気のSSを書いてくださいました。

 そして予告ですが、いなづ様から『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』の次の話の、
差分画像をいただきました。近日中にUPしますので、ぜひご期待ください。

 それではどうぞ☆





注意! この文章と画像には、官能的表現と暴力的表現が
含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断・自己責任でお願いします。)





そこは過去にビッグドームと呼ばれた野球場跡。
かつてはプロ野球を観戦に来た親子連れでごったがえしていたそこは、現在は見る影もないほどの廃墟と成り果てていた。
高く昇っていた夏の日が突然閉ざされ、光射さぬ暗闇の狭間から突然現れたダーククロスと名乗る謎の侵略集団が、この国のみならず全世界を席巻していったのは僅か一年にも満たない期間だった。
破壊と淫辱をもって人間に襲い掛かり、恐怖と感応によって心を砕かれた人類は瞬く間にダーククロスの軍門にくだり、ある者はダーククロスの尖兵となってかつての友や家族にその毒牙を向け、ある者はダーククロスに囚われその命涸れ果てるまで陵辱の限りを受けた。
今や生き残った僅かな人類は夜昼問わずどこからか突然現れるダーククロスの戦闘員や淫怪人に追われ、逃げ惑う日々を送っていた。

しかし、ここビッグドームでは想像も出来ない事態が起こっていた。
「うぎゃあああぁっ!!」
大きく跳ね飛ばされた戦闘員の腕が派手に吹き飛び、青黒い血を派手に噴き出している。激しい痛みに顔をゆがめる戦闘員が蹲った直後、その頭がずるり、と首から離れ人工芝の上にぼとりと落ちた。
いくら屈強な戦闘員といえども、これは完全に絶命している。
しかも戦闘員の死体はこの一体ではない。
この広いビッグドームの内外野に、なんと十数体の戦闘員の死骸が転がっているのだ。
人間の数倍の戦闘力を持つ戦闘員がこれほどなすすべなく殺戮されることなど、どう考えてもありえることではない。
そして、累々たる屍が横たわる球場のピッチャーマウンドに佇む二人の少女。
どうやら双子だろうか、その姿は驚くほど酷似している。
丈の長いコート、生脚が覗く短いスカート、頭にちょこんと乗っかる帽子。
腰まで伸ばした長い髪。眼鏡の奥に煌く金銀妖瞳。感情がないかのような無機質な表情。
そのどれもが瓜二つである。
が、決定的に異なるところがあった。
片割れは白磁器のような抜けるような白い肌で服装もすべて白で統一していたのに対し、
もう片割れの一人は逆に色黒の肌に黒の服装を着込んでいたのだ。


「…戦闘員、殲滅完了」
白いほうが手に持ったやたらと巨大な刀についた戦闘員の血糊をぶん、と振り払った。
「視界内敵残存戦力、淫怪人一体。これより殲滅します」
黒いほうも自分の身長ほどもある刀を片手で軽々と持ち、バッターボックスにいる淫怪人に切っ先を向けている。
「バ、バカな……、私たちダーククロスの戦闘員がこんなにも簡単に……」
目の前に広がる光景をダーククロスの淫怪人、淫妖花ノゾミは信じることが出来なかった。
ダーククロスの淫怪人として新たな生を得て、初めて臨んだ人間狩り。
人間を追いかけ追い詰め、自慢の触手で性の虜にする面白さを求め、瓦礫の中をのこのこと歩いていた二匹の人間を見つけた時は悦びで小躍りしたものだ。


その後、部下の戦闘員を使って鬼ごっこに興じ、こうして二匹をビッグドーム内まで追い込んだのだ。
こうすれば彼女達は袋のネズミ。後はゆっくりと嬲って犯して堕落させ、魔因子を注ぎ込んでダーククロスの下僕にする算段だったのだ。

ところが、それは罠だった。袋のネズミにされていたのはノゾミたちのほうだったのだ。
ビッグドームの中に入った彼女達は、それまで逃げ惑っていた姿から態度を豹変させノゾミたちに襲い掛かってきたのだ。
それも恐るべき強さで。
普通、人間では淫怪人はおろか戦闘員にも抗し得ない。身体能力の基本が違うのみならず、ダーククロスの構成員は淫怪人、戦闘員、淫隷人を問わず体から人間を発情させ無力化する淫力を発している。
これにより、どのような人間であろうとダーククロスの構成員に向かい合ったが最期戦闘意欲を喪失させ、容易くダーククロスの手に堕ちてしまうのだ。
が、目の前の二人は淫に囚われるどころかたちまちのうちに襲い掛かった戦闘員2体を見たこともない刀で切り伏せ、ノゾミたちがあっけにとられている暇もなくたちまちのうちに5体の戦闘員をただの肉の塊に変えてしまったのだ。
ノゾミは焦りながらも全身から強烈な淫香と淫力を放ち、二人の戦闘力を奪おうと試みた。戦闘員の淫力が効果がなくとも、まさか淫怪人である自分の力まではレジスト出来ないだろうと考えたのである。







(生意気な人間め!私の魔の香りに当てられて全身の穴という穴から体液を噴出させて悶え狂うがいい!!)








ノゾミの噴出する香りと淫力は屋根で閉ざされたビッグドーム全体をたちまち包み込み、そのあまりに濃厚な淫気は二人を取り囲む戦闘員にまで効果が及び、戦闘員が顔を赤く染めて片手を股間に這わせてしまうほどの威力だった。
が、肝心の二人はそれほどの濃密な淫気に包まれているにも拘らず全く表情を変えず、先ほどと全く変わらない速さで動きの鈍った戦闘員を一人、また一人とバラバラにしていった。
そして、今残った最後の一人の首が飛んでいったところである。
「な、なんなの……、お前達、なんなのよぉ……」
ノゾミはじりじりと迫って来る二人の少女に完全に気圧され、一歩、また一歩と後ずさっていった。
あの日々逃げ惑う苦痛と恐怖から開放され、それまで狩られる立場だったのを狩る立場へと転換し、犯される側だったのを犯す側へとスタンスを変え、ようやっとあの鬱屈した日々から開放されると思ったのに。
自分は素質があるからとダークサタン様直々に魔精を戴き、ダーククロスのエリートである淫怪人へと生まれ変わったというのに。
なんで、なんでまた自分は狩られる側に立たされていなければいけないんだろうか。

2009年02月05日
『闇に抗う自動人形(オートマタ)』(前編) part2
「く、来るな……。来るなぁーーっ!!」
恐怖から来るあまりの重圧に耐えかねたのか、ノゾミは全身の蔓状の触手をいっぱいに広げ、二人の少女目掛けて伸ばしていった。タングステンで出来たワイヤーよりも強力なノゾミの蔓は、一旦絡めば人間の手では引きちぎることも出来ず
力を込めて突き刺せば3cmの鋼板すら容易く貫通させることが出来る強力なものだ。
そんなものが10本近く唸りを上げて二人を包み込むように突っ込んできた。勿論、下手に受けようものならその体はたちまちのうちに串刺しにされてしまうだろう。
だが、蔓が少女達の体を貫こうとしたその瞬間、少女達は残像すら残さずその場からシュン!と掻き消えた。
まるで、最初からそこにはいなかったかのように。
「?!バカな!どこに……」
慌てたノゾミが消えた二人を捉えようと体を捩ったその時、

ズルリ

ノゾミが捩った腰がそのまま胴体から真っ二つに離れた。
「え」
突然下半身の踏ん張りを失ったノゾミは、真横になった視界のまま人工芝の上にどさりと崩れ落ちた。





「あれ?なんで?なんで私倒れているの……」




何が起こったのかよくわからないノゾミの目に飛び込んできたのは、青い血を盛大に吹き上げて立っている、自分の『下半身』だった。
その後ろには、剣を横に薙ぎいている黒い少女の姿が見える。
その手に持つ刀には、ノゾミの返り血が刃一杯にこびり付いていた。





「え?私、なんで、私の腰と足が私の前に……?!
やだなぁ、私の足はちゃんと私に……」




ない。
ノゾミの体は腰から下がきれいさっぱりなくなっており、血をだくだくと噴きこぼしていたのだ。
このとき初めてノゾミは、自分が黒い少女に真っ二つにされたことを自覚した。
「……っ!?や、やだ……。いやぁぁぁっ!!」
その時ノゾミは淫怪人としての誇りも矜持も忘れ、ただの弱々しい普通の少女『希美』として悲鳴を上げた。
希美はつい最近、これと同じ悲鳴をあげた事がある。
あれは瓦礫の中ダーククロスの人間狩りに遭遇し、逃げ惑い、追い詰められた時。


目の前でいやらしい笑みを浮かべる『霞』と名乗った植物の淫怪人の触手が自分に向って延びてきたときだ。
あの時は絶望と恐怖の後に蕩けるような快感に包まれ、ダーククロスの一員になれたというご褒美がついてきた。
しかし、今希美の絶望と恐怖の先にあるものは、『死』という一切の『無』しか選択の余地は残っていない。
「敵淫怪人の戦闘能力喪失を確認。これより、抹殺する」
黒い少女が刀を構え、とことこと近づいてくる。その一歩一歩が、まるで脚のない希美が死への十三階段を昇るのを肩代わりしているようにも感じられる。
「い…いやっ!!助けて!死にたくない!死にたくない!!」
希美は辛うじて自由に動く両手を必死に動かし、黒い死神の手から逃れようともがく。
が、黒い死神はそれすら許さないのか希美の手をグシャリと踏み潰した。
「いやぁーーっ!!助けて!お父さん、お母さぁ〜〜〜んっ!!」
希美はもうこの世にはいない父と母に向って泣き叫びながら助けを求めた。
「お父さん!お母さん!お母さん!!おかあさぁーん!!」
だが、勿論いくら叫んでも父と母は助けにはこない。
ぎゃんぎゃんと泣き叫ぶ希美の頭上で、黒い少女が刀を高々と振り上げた。
「抹殺する」

「いやっ!いやあぁっ!いやいやいやいやいやい



次の瞬間、希美の首は胴体から離れ飛んでいた。
希美は結局、淫怪人としての悦びを味わうことはなかった。
「抹殺終了」
自分の体にかかる凄まじい返り血を気にすることなく、黒い少女は刀を転送させると白い少女の方へととことこと走っていった。
「ハク、敵残存兵力を確認」
黒い少女にハクと呼ばれた白い少女は、少しの間目を閉じて意識を耳に集中させ辺りの気配を確かめると再び目を開いた。
「コク、敵戦力の殲滅を確認。戦闘行動を終了します」
「了解。戦闘行動の終了を確認」
ハクの言葉にコクと呼ばれた黒い少女はこっくりと頷き、ビッグドームの外へ通じる道をてくてくと進み始めた。
その後にハクも続き、球場内にはバラバラになったダーククロスの構成員の死体だけが残されていた。

この後、暫くの間ダーククロスの間で『煉獄の白い悪魔』『踊る黒い死神』と呼称され恐れられたハクとコクが初めて実戦の舞台にたった瞬間であった。

2009年02月05日
『闇に抗う自動人形(オートマタ)』(前編) part3

に抗う自動(オートマタ)』(前編)

いなづまこと様作


かつて副都心と呼ばれた瓦礫の山。ダーククロスが来る前までは数々のうず高い高層ビルが列をなしていたそこは、今は見る影も無く荒れ果てかつてあった文明の残滓をそこに刻んでいた。
目立つ所だっただけに真っ先にダーククロスの淫略に狙われ壊滅したそこは、当然人間など住めるはずがないほどに荒れ果て、他の生物の侵入すらかたくなに拒み続けていた。
が、そんな不毛の空間を歩く二つの影があった。
全く同じ背格好、色こそ違え全く同じ服装を纏ったその姿はあのハクとコクである。
二人は歩く歩幅も全く変わることなく、一定の距離を開けながら瓦礫の山をすたすたと進んでいた。
もはや狩るべき人間がいないこの副都心跡にダーククロスの構成員はまず現れない。
いや、現れたとしてもこの二人を見た瞬間ダーククロス側が逃げ出すだろう。もっとも、二人を目の当たりにして逃げられた淫怪人など、それこそ片手で数えるほどもないのだが。
それほどまでに、この世界でのハクとコクは恐れられていた。
何しろ、自分たちの自慢の淫力が全く通用せず、淫怪人すらはるかに凌駕する戦闘能力で確実に葬ってくるのだ。
そのあまりに無慈悲な殺戮の様にハクは『煉獄の白い悪魔』。
そのまるで舞踊のような流麗な殺しの技にコクは『踊る黒い死神』と称され、目撃イコール死という認識をこの世界の淫略を任されている淫怪人や戦闘員に与えていた。
もちろん、ダーククロスの側もただ逃げていただけではなかった。
いくら強いといっても、ベースは人間のはずなのでどこか拠点があるのは確かなのだ。ならば、そこを抑えてしまえばある程度は戦闘力をこそぎ落とすことは出来ると考えていた。
だからダーククロスも、以前は二人の後を付けまわしたり上空からアジトを探したりしてみた。
だが、結論から言えばそれはすべて失敗に終わった。
どんなに気配を消して後を追っても絶対に気づかれて抹殺され、どんなに高空を飛んでいようと正確無比な射撃で一匹残らず撃墜されてしまうのだ。
そして、追跡の根が絶ったと同時に二人はいずこへと素早く消え去ってしまうのだ。
はっきり言って、ハクとコクがどれほど抵抗しようがすでにこの世界の9割以上を支配下に置いたダーククロス側からしてみたら痛くも痒くもないのだ。ハクとコクに連動して人間のレジスタンス活動が起こるわけでもなく、被害地域が副都心跡を中心に環状線の内側に限定されているので、そこに近づきさえしなければハクとコクに襲われることは無いのだ。
だが、ダーククロス側からしてみたらこれほど癪なことはない。
これまで色々な次元に魔の手を伸ばし、その徒然で数え切れないほどの世界と勇者をその手に堕としてきたのだ。それもただ一つの例外もなく。
それが、たった二人の小娘相手にまるで歯が立たないどころかいいように蹂躙されてしまっている。
そして、それに対抗する術を淫怪人たちは持ちえてないのだ。

そのあまりの部下の不甲斐なさに、とうとうダークサタンの堪忍袋の尾が切れて自ら参戦してきたことがあった。
『小娘ども!よくもいいように我が下僕どもを葬ってきたものよ。その力、賞賛に値する!
よって、貴様らに我が淫怪人となる栄誉を授けることにする。これからその力、我が役に立てるがよい!!』
道を進む二人の前に突如地面を割って現れたダークサタンの触手が、ハクとコクに向けて淫怪人とは比較にもならないくらいの濃度と密度の淫力をぶつけてきた。
かつてこれに抗えた人間はおらず、どんなに貞淑な人間も、どれほど力を持った勇者と言えどダークサタンの前に淫蕩に支配された笑みを浮かべて肉体を捧げてきたのだ。
「………」
「………」
だが、空気すら遮断するほどの淫力をぶつけられてもハクの顔色は相変わらず白いままでコクの瞳には冷たい光が宿り続けていた。
これはダークサタンにとってはまさに予想の範囲外だった。
『バ、バカな!!淫怪人ならいざ知らず、わ、我が淫力までも利かないというのか?!』
おそらく、こんなにダークサタンを狼狽させたのは数多くの次元でダークサタンに相対してきた勇者の中でハクとコクだけだろう。
淫力に酔ったハクとコクに襲い掛かろうと揺らめいていた触手がきっかけをなくしてまごまごしていたその時、白いきらめきと共にすっぱりと空へと吹き飛んだ。
『ギ、ギャアアァッ!!』
ハクの持つ刀により根元から切断された触手は暫くビチビチと跳ね回っていたが、やがて黒い煙を上げてジュウジュウと溶けて消えてしまった。


「適性生物、ダーククロスと確認。排除します」
ハクが持った刀が、周囲を取り巻いた触手をズパズパと切断する。
「ダーククロスは、排除する」
コクが持った銃が、逃げ惑う触手を正確に撃ち貫く。
『お、おのれえぇぇっ!!小娘どもがぁ!!』
あたり一面に腐臭と汚液を撒き散らした後、敵わぬと見たのかダークサタンの分身は来たときと同じく地面へと引っ込んで消えていった。
「…ダーククロス、認識を消失。戦闘行動を停止します」
「了解。戦闘行動を停止」
ダークサタンの分身が完全に消え去ったのを見て、ハクとコクは得物を懐に収め何事も無かったかのように歩き始めた。

この結果は、ダーククロスの構成員をさらに震え上がらせた。自分たちの主であるダークサタンの淫力すら、それがたとえ本体より数段劣る分身のものでったにせよ通用しないなどとは思いもしなかったからだ。
なにしろ、自分たちはその分身の力に屈して淫怪人として生まれ変わったのだ。
それすら利かないとなったら、自分たちに勝てるはずがない!
それ以降、ハクとコクはダーククロスにとってまさに死神として写るようになった。ダークサタンや幹部たちがどんなに叱咤しようが淫怪人も戦闘員も絶対に二人に近づこうとしなくなった。
じゃあ幹部たち自らが手を出したのかというとそれもない。
ダークサタン分身すら退けた二人に手を出して、無事にすむ道理がないことは火を見るより明らかだからだ。
これにより環状線内側の一帯は、殆どダーククロスの活動がない空白地と化してしまった。それほど、ハクとコクの存在はダークサタンに恐れられていたのだ。
環状線の内側に入らなくなったことにより、悪魔と死神に会うことがなくなった淫怪人たちはようやっと胸を撫で下ろした。
と、言うわけにはいかなかった。
なんと最近、環状線の外側で二人に遭遇した淫怪人がいる可能性があるらしいのだ。
何で疑問形なのかは言うまでもない。
二人に遭遇して、生きて帰ってきた戦闘員も淫怪人もいないからだ。



瓦礫がうず高く積みあがる廃墟。二つの塔が立っていた跡があるそれはかつては都庁と呼ばれていた建築物だが、現在は自慢の塔もぽっきりと折れかつての威容は見る影もない。
外から見るとまったく人の気配が感じられないそこに、ハクとコクは小さな体を折り曲げて中へと入っていった。殆ど日も射さない真っ暗な空間を、二人はまるで日中の外のように軽やかな足取りで先へと進んでいく。
すると、奥のほうにぽつんと灯る一条の明かりが目に入ってきた。どうやらそこが、二人の目的地のようだ。
もはや廃屋と化した都庁の部屋で、唯一電気が生きている部屋。
意外なほどの広さをもつその部屋の中には、都庁には似つかわしい理系の大学の研究室のような設備がごっそりと備え付けられていた。
いや、それはそんな生易しい代物ではない。
正体不明の液体が並々と蓄えられている強化ガラス製の筒。不気味な点滅を繰り返している正体不明の機器。
都庁にあったものをそのまま流用しているスーパーコンピューター。所々に転がっている、用途の不明な物体。
それは大学の研究室というようなものを明らかに超越している、どう見ても映画や小説に出てくる頭の螺子が飛んでいるマッドな科学者の一室だった。
そしてその中心には、そこにいるのが相応しいと断言できるよれよれの白衣を羽織った、目に異常な光を宿した科学者が一心不乱にキーボードになにかを入力し続けていた。

「「ただいま帰りました。創造主」」

2009年02月05日
『闇に抗う自動人形(オートマタ)』(前編) part4
ハクとコクは自分たちに背を向け振り向こうともしない科学者に帰還の報告をした。
「………、帰ってきたか」
ハクとコクの声を聞き、科学者はキーボードを打つ手を止めてくるりと椅子をまわして二人のほうを向いた。
髪の毛や髭は伸び放題、頬はげっそりと痩せこけて肌の色は日に当っていないからなのか病的なまでに青白い。
その容姿からは年齢は想像も出来ないが、40を越えているということはなさそうだ。
「創造主、食料を調達してまいりました」
ハクが手に持った鞄からどさどさと缶詰を床に落とした。中にはドッグフードとかとんでもないものも混じっていたりするが科学者のほうは特に気にすることも無く、よりによってドッグフードの缶詰を掴むと待ちきれないかのようにわしわしと食い始めた。
「…まったく、ちゃんと人間の食い物を持ってこい。この不良品め」
とか言いながらも科学者はたちまちドッグフードを食べ尽くし、次にパイン缶を開けてぐびぐびと汁を飲みはじめた。
「申し訳あリません。創造主からは食料を探して来いとしか言われていませんでしたので」
ハクは科学者に向けて深々と頭を下げた。が、その表情は全然変わっていない。
科学者はそんなハクに目をくれることなく、用意された缶詰を瞬く間に食べ尽くし、空の缶詰を部屋の隅へと投げ捨てた。
「ハク、ちゃんと片付けておけよ」
「承知いたしました、創造主」
まるで嫌がらせのように遠くへ投げられた缶詰をハクは嫌がることなく拾い上げ、部屋の片隅にガラガラとほうり捨てた。
それを見て、科学者は微動だにせず突っ立っているコクへと向き直った。
「…で、コク。今日は何人殺した」
「今日は戦闘員三体。淫怪人一体を抹殺しました。創造主」
その数を聞き、科学者の顔がみるみる不機嫌になっていく。
「チッ!最初の頃に比べると随分効率が悪くなったな。この能無しが!!」

バァン!

科学者は手に持った錆びたパイプでコクの頬を強かにぶっ叩いた。傍目から見ても相当に痛いはずなのだが、コクは顔色一つ変えないで科学者へと向き直った。
「申し訳ありません。最近、ダーククロスとの遭遇率も相当に低下しており……」
「言い訳するなーっ!このボケーッ!!」

バキィッ!!

再び科学者のパイプがコクの頬を直撃する。普通これだけ強烈な一撃を喰らえば歯を折るか肌を傷つけるのだろうがコクの体には生傷一つ生まれはしない。
「お前らがこの世に生まれた理由を忘れるな!
お前らが生きる意味はただ一つ!一体でも多くのダーククロスの屑どもを殺し、俺の復讐を果たすことなんだぞ!!そもそも…」
「………」
科学者の上ずった怒声を、コクはただ静かに聞いていた。


ハクとコク。
彼女達は純粋な意味で普通の人間とは違っていた。
彼女達が生まれた経緯は、この世界にダークサタンの魔の手が伸びてきた時まで遡る。
さる生物施設の一研究員だった鎧健三は、ダーククロスの淫略によりそれまでの人生を全く狂わされてしまった。


まわりの人間は次から次にダーククロスに囚われ、ある友人は他人を犯すことしか考えられなくなり、ある先輩は全身に鱗を生やして後輩を咥え込んでいた。
阿鼻叫喚と化した施設から命からがら逃げ出した健三だったが、家に帰ったときに目に入ったものは完全に燃え落ちてガラクタになった自宅と、どこを探しても見つからない妻と娘という現実だった。

「おのれ……おのれ!ダーククロスめ!!」

この瞬間、鎧健三は温厚な研究員から狂気の復讐者と化した。
健三は己の持てる知識のすべてを使い、遺伝子操作、薬物投与、生体改造などのありとあらゆる手段を使ってダーククロスに対抗しえる生物兵器を創り上げんとした。
が、そううまく都合よいものが作れるはずが無く、最初の数年はどうしようもない出来損ないや全くの失敗作が軒を連ねる結果になった。
中にはより良いサンプルを得るために子供を拉致同然に連れ去って強化改造を施したこともあるが、成功したためしはなかった。
だが健三はめげることなく、次から次へと生体改造に手を出し…、数え切れないほどの犠牲者を作り出した。
そして、その夥しいほどの犠牲の果てに創られたのが…、ハクとコクだった。

今まで生体改造に失敗したのは、出来上がった個体を無理に改造しようとしたのが原因と悟った健三は、今度は受精卵の状態から生物兵器を作り上げようと試みた。
それまでに手に入れたサンプルからめぼしい卵子を取り出し、自分の精子と受精させて作り出した受精卵にそれまでに得たノウハウの全てを詰め込み、改造に継ぐ改造の果てに遂に実用に足る対ダーククロス用生物兵器、ハクとコクが誕生したのは実にダーククロスへの復讐を誓ってから5年後のことだった。
ハクとコクの製造に関して健三が一番考慮したのは、いかにしてダーククロスの淫力に対抗するかだった。
どんなに意思の強い人間ですら容易く堕落させてしまう淫力。それに抗するために健三が考え付いたのは、ハクとコクに快楽を感じる感覚を全く取っ払ってしまうことだった。
いかに淫力が強力であったとしても、快楽を感じられないのであれば全く意味をなさない。
健三はそのためにプラント内で受精卵状態のときからハクとコクの身体から快楽を感じる器官、神経を徹底的に取っ払っていった。
それがいかに非人道的なことであったとしても、健三にとっては関係の無いことだった。
彼の脳内あったのはただ一つ。ダーククロスを滅ぼせる兵器を作り上げることだけだった。
そして、彼の結果は実を結び、ダーククロスの淫力を全く寄せ付けない脅威の身体能力を持ったハクとコクは誕生した。
しかし、その代償としてハクとコクには快楽を感じなくなっただけでなく、人間の感情というものを全く持ち合わせなかった。
しかし、これは健三の望んでいた通りになったといえる。
彼が欲しかったのは前述の通り、友人を、妻を、娘を奪ったダーククロスを滅ぼせる力を持った兵器だ。
決して彼を癒す心温まる家族を作ったわけではないのだから。


「ハク!!コク!!貴様らはこの世にいるダーククロスの連中を一匹残らず滅ぼすために生まれたんだ!
ダーククロスには決して容赦するな!淫怪人も戦闘員も、淫隷人も容赦なく抹殺しろ!ただ一人の例外もなくだ!
もしダーククロスの連中を殺せる機会があるなら、俺の身がどうなっても構いはしない。
どんな手を使おうが、どんな犠牲を払おうが、絶対絶対にダーククロスを抹殺しろ!いいな!!」
明らかに狂気が宿っている狂乱の科学者であり、自分たちの創造主であり、ある意味血の繋がった父親ともいえる鎧健三の檄に、哀しい生物兵器であるハクとコクは何も言わずこっくりと頷いた。
彼女達に疑問を提起する思考は無い。創造主である健三の命令こそが絶対のものだからだ。
「…まあいい。今日はもう狩りにいかなくてもいいぞ。
その代わり、今から調整層の中に入るんだ。さっき、とても面白い強化プランを思いついたんでな。早速改造してやろう」
健三は二人に対し、後ろの妖しい液体を湛えたプラントを指差して中に入るように命令した。
「「はい」」


もちろん逆らう意思など無い二人は纏っている服を脱ぎ捨てると、そのままとぷんとプラントの中へと入っていった。
青白く貧弱な光に黒と白の裸体が映し出される様はなんとも蟲惑的だが、復讐の鬼と化している健三にそんなものを愉しむ心はない。
「待っていろよダーククロスめ……、俺の全てを奪った忌まわしい屑どもめ!!
この俺の最高傑作が、いつか必ず貴様ら全員地獄へと送ってくれる!その日を楽しみに待っていろ!!」
何かに取り付かれたかのようにキーボードを打ち続ける健三を、ハクとコクはガラス越しにその金銀妖瞳で見つめていた。
二人に感情は無いはずだが、健三を見る二人の瞳は何故か酷く悲しそうな色を湛えていた。





文責 いなづまこと


後編へ続く!



今回も編集のため、今まで頂いた画像を追加しました。
何か変更点があれば、コメントにどうぞお書きください。
できれば作者様にご感想があれば、コメントにお書きください。
作者様も、ご感想のお返事をだしてもらってもかまいません。

by ホロ

2009年01月18日
『闇の輩(ともがら)の肉宴〜淫水魔ファリス』 part1
いなづまこと様の第6作目です。毎週、本当にお疲れ様です。 
どうしてこんなに凄いSSを書けるのかと思ったら、
いなづ様は、いろいろな悪堕ちSS作品を書いている方でした。
そこで、いなづ様から許可をいただいたので、いなづ様が最近書かれたSS
「翔儀天使アユミ」も近々載せていきます。こうご期待!

いなづ様からひとこと 
「どうもこんばんはです。今回は前回眠落ちしそうなところでリクのあった
(実は勘違い)ファリス×レナです。 話の進行上堕ちなしエロ特化ですが」

それではどうぞ!


注意! この文章と画像には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断でお願いします。)






左(3Dあき様が作った淫水魔・ファリス) 右(Mizuha様が作った淫水魔・ファリス)
3Dあき様・Mizuha様いつもありがとうございます。



「ぷぅ……。じゃあレナ、早速他の国をダークサタン様に捧げに行こうじゃないか。どうせこの世界に俺たちに立ち向かえる人間なんてバッツとクルルぐらいしかいないんだ。
そして、バッツが俺たちの肉人形になっている現在、クルルのいるバル城さえ堕してしまえば、あとは簡単に全世界を淫に染めることが出来るさ!」
ああしようこうしようと勢いづくファリスだが、逆にレナは少し浮かない顔をしていた。
「そうね。でも……」
そう言って、レナはある館をちらっと見た。
それは、さっきセイバーとモンタが入っていった館である。
「一応、淫略は軍団長の指揮のもとに行われることになっていて…
で、今セイバー様はあの中に引き篭もって出てこないから……。今はちょっと……」
「なんだ、そりゃ」
時折ぎしぎしと軋む館を、ファリスとレナは呆れた顔で眺めていた。








『闇の輩(ともがら)の肉宴〜淫水魔ファリス


「じゃあ、俺たちは何をしていればいいんだ…?」
せっかく素晴らしい力と体を手に入れたのに、それを今すぐにも人間相手に奮いたいのにそれが叶わないなんて。
(ああちくしょう!早く人間を襲いてぇ!泣き喚く人間をたっぷりと犯し抜きてぇ!!)
そう考えただけでファリスの心は異常に昂ぶり、体の各部位が快楽を求めてうずうずと疼いてくる。
つい今さっき新しい体を手に入れたばかりのファリスだが、心に上書きされた淫怪人の本能が自分の体の新しい活用法を教えてくれている。
両手両足に伸びた爪にはクラゲの毒を何万倍にも強烈にした神経毒が常に分泌され、傷をつけた人間の動きをたちまちのうちに封じ込めてしまう。
首に形成されたえらは水に入った時に瞬時に呼吸器官を肺呼吸からえら呼吸に変更して、何時間だろうと水の中に入っていることが出来る。
その全てが鮫のような鋭い牙に生え変わった歯は、硬いものでも噛み千切るだけでなく噛んだ相手に淫毒を注入して淫の虜にすることも出来る。
両耳と肩に生えたひれは、水の中での姿勢制御もさることながらその鋭さから武器にも使え、さらには先端からは牙と同様の淫毒を出すことも可能だ。
体中に生えた鱗は半端な武器など通さないほどの硬度を持ち、常にぬめぬめと人間を発情させる粘液を滴らせている。
勿論淫怪人となったことでその体力、瞬発力などは人間の時の数倍にもなり、性欲、性感に至っては比べることもバカバカしいようなほど高まっている。
これほどの素晴らしいポテンシャルを秘めた体をもちながら、こんな狭い洞窟の中でじっと待たなければならないなんて、到底ファリスには堪えられないことであった。
「ちっ、なにが勝手に出来ないだ。たかだか人間を襲って犯し潰すだけじゃないか。もうこの周りには人間なんていやしないんだから、とっとと出ちまえばいいのによ…」
このタイクーン城がある一帯は、人々が集まって暮らしているところはタイクーン城あたりしかなく、そこは先日レナの契約によって攻め込んできた淫魔竜軍団によって犯しぬかれ殺され尽くしている。
つまり、このへんにはもう淫略が出来るほどの人間は残ってはいないのだ。
だからこそ、さっきファリスはレナにバッツを連れて自分たちだけで他の地域を淫略しようと提言してみたのだが、暗黒火竜になっても根が真面目なレナはあくまでも軍団長であるセイバーの許可を得ないとダメだと言って聞かなかった。
そして今館の中にいるセイバーは、自分が出てくるまで誰も声をかけてはいけないと厳命している。
だからレナは正直にも、セイバーが出てくるまでじっと待つつもりのようなのだ。
厳密に言えば、淫水魔であるファリスは淫水魔軍団長であるアティの傘下に入るのでセイバーの命令に従う義務はない。
だが、自分ひとりでいくというのも何か味気ないものである。せっかくいつも一緒になって行動してきたのだ。やっぱり三人一緒になって人間を犯し、グチャグチャになって愉しみたい。
「まったく、レナの奴もバカ真面目なんだから……」
ファリスは館の周辺でうろうろとしているレナを呆れた目で見た。あまりにも長く館から出てこないセイバーに、レナのほうもどうやらやきもきしているようだ。
「………レナ……」
そんなレナを見ているうちに、ファリスの淫怪人としての本能がちくりと刺激されてきた。
(あれ?レナってあんなおいしそうな体していたっけ……?)
いや、人間の時だってレナは十分魅力的な体をしていた。がさつな自分と違って女性的な魅力に溢れたレナを、時折ファリスは羨望の眼差しで見ていたものだ。
だけれどそれは性的なものではない。あくまでも羨ましさ、悪く言えば妬ましさから来るものであった。
が、淫怪人となったファリスの目に映るレナはそれはもう妖しいくらい蟲惑的な香りを纏っている。
なんでこんな極上の肉を目の前にしながら、今の今まで黙って見過ごしてきたのだろうか。
「あぁ……レナァ……」
レナを見るファリスの金色の瞳は激しい欲情から爛々と輝き、上の口からも下の口からも粘り気のある涎をダラダラと垂らしはじめている。
そうだ、こんな時間をただ無為に過ごしているのは勿体無い。せっかく淫怪人になったこの体、一通り試してみないと気が済みそうにない。
「へ、へへへ…。レナ、お前が悪いんだぜ…
そんないやらしい身体を俺の前にぶら下げているから、俺が我慢できなくなっちまうんだ…」
ファリスは着ている邪魔な服を鋭い爪でビリビリと引き裂くと、熱く疼く股間を指で慰めながらふらふらとレナに近づいていった。


2009年01月18日
『闇の輩(ともがら)の肉宴〜淫水魔ファリス』 part2

一方、レナは一方的に引き篭もってしまいそのまま出てこようとしないセイバーに唖然としていた。
自分が魔因子と魔精を受けて淫怪人になった時、竜に淫変化した自分を見てそれはもう小躍りしたものだ。
やはりレナにとって竜は特別な意味合いを持つ。この世界でも最強の生物の代名詞の一つだし以前に飼っており後に召還獣フェニックスに転生した飛竜という身近にいた竜もいる。
だから、この姿はレナにとって凄い誇らしいことであり、同じ竜の淫怪人である軍団長のセイバーには言葉に言い尽くせないほどの憧れと畏敬を持ったのだ。
実際セイバーは巧みな手腕でもってタイクーン城を瞬く間に淫略し、中の人間の全てを軍団総出で犯し抜きめぼしいものは淫怪人や淫隷人に、それ以外はみんなの餌へとしていった。
その手並みに、淫怪人になったばかりのレナはいたく感動したものだった。
ところが今レナの前にいたセイバーは、肝心なところは部下に投げやり。後の指示もろくにせず部下を連れてギシギシアンアン。
人の上に立つ立場を知っているレナにとって、このセイバーの振る舞いはまさにあきれるものであった。
だが、数多くのモンスターを主力にする淫魔竜軍にとってはあまり理性は関係ないものなのかもしれない。
常に本能のむくままに行動し、食いたければ食う。犯したければ犯す。殺したければ殺す。
そういう、余計な理性など挟む余地のない純粋な本能に従って行動するのが淫魔竜軍の本質なのだろう。
だが、だからといってレナも本能そのままに行動するというのは少し無理があった。
淫怪人になって思考は淫らで残忍な淫怪人のものになったが、やはり人間の時の元の心がレナにそれ以上の踏ん切りをつかせるのを躊躇わせていた。
だからこそ真面目に淫らに淫略に努めようと心していたが、肝心の軍団長がこの体たらく。



(私…、入る軍団間違えたかも…)
心が少しブルーになったレナは、そんなことすら考えるようになってしまった。
レナはいっそのこと、館にいるセイバーに許可を求めるために禁を破って入っていこうかとも考えた。
セイバーは抹殺するとかおっかないことを言っているけれど、まさかいくらなんでもそこまではしないだろう。
せっかくのお楽しみのところ悪いが、このままではこっちも手持ち無沙汰になってしまう。

考えてみれば、ここでレナもどうせ暇ならファリスみたいに肉欲を満たそうという淫怪人らしい考えに至ればよかったのだろう。だが、レナは自分の手でファリスを犯して淫怪人へと変えたことである程度満足してしまっていたので本来の真面目な部分が多く顔を出してしまっていた。
そして、そのため物事を考えることに集中し後ろから来るファリスの接近に気づかなかった。
「レェ〜〜〜〜ナァ……」
「きゃっ?!」
考え事をしながらうろうろと歩いている最中に真後ろからいきなりファリスに抱きつかれ、レナは淫怪人らしからぬ可愛い悲鳴を上げてしまった。
「な、なに姉さん?いき、 な  り……」
ファリスに抱きしめられたことで多少心がときめいたレナは、少しはにかみながら頭を後ろに向け…驚きに言葉を失った。
レナを抱きしめたファリスは衣服を何も羽織っておらず全身を淫粘液でドロドロに濡らし、暗い金色に輝かせた双眸はレナのことを明らかに性欲処理の対象として捉えていた。
「フ、フフフ…。レナ……、よく見るとお前、すっごく綺麗だな……」
「えっ!?や、やだ姉さん、何言ってるの……?」
どう見ても、今のファリスの状態は普通ではないのは見て取れるのだが、愛する姉から『綺麗』と言われ、レナは少々舞い上がってしまった。
「いっつもこんな近くにいたのに、お前がこんなに綺麗だったなんて思いもしなかったぜ…
俺ってバカだな。自分の目の前にお宝があるっていうのに、全然気づかなかったんだからな」
まるで告白のようなファリスの言葉に、レナの心臓は爆発しそうなほどに高鳴っていた。
(や、やった!姉さんが私の素晴らしさに気づいてくれた!私だけの姉さんになってくれた!)
これこそ、レナが淫怪人になってまで望んだことだった。たった一人の肉親であるファリスを誰にも捕られず誰にも奪われず、永遠に自分の傍で愛でて愉しむ。そのためにタイクーンの住人全てを捧げ、自分の手でファリスに魔因子と魔精を注ぎ込んだのだ。
その結果、ファリスは向こうでたくさんのモンスターと乳繰り合っているバッツを無視して自分のほうに来てくれた。これはファリスがバッツよりレナと採ったという間違いようのない証拠であろう。
(やった!私はバッツに勝った!!これで姉さんは私のもの!!)
背中越しに感じるファリスの冷たい身体。耳元に感じるファリスの吐息。ぎゅっと押し付けられる豊かな双乳。
これが全部自分のものになるのだ。バッツには悪いが元々この肉は自分のものだ。決して切れることのない血の鎖で繋がった肉なのだ。
さぞかしバッツは悔しがるだろうか。いや、淫隷人になったバッツは今の時点でレナやファリスの性欲処理のためだけに存在している人形だ。勿論以前の人間としての知識も記憶も性格もあるので淫機人のような単なる人形ではないが、基本自分たちに逆らったり不満を抱くようにはなっていない。
(ふふふ…、バッツ。貴方にもたまには姉さんの身体を使ってもいいわよ。もっとも、私の許しがあればだけれどね)
レナの脳内に、ペニスを膨らませたまま床に頭を付きファリスとセックスさせてくれとレナの前で懇願するバッツの姿が思い浮かぶ。
それを見たレナは脚でバッツの頭を踏みつけ、物事には順番があるでしょと罵倒しまくる。
そして、バッツが見ている前で姉さんとセックスをし、お預けを受けて泣きながらペニスを上下にしごくバッツを見て、嘲笑しながら姉さんと共にイッちゃうのだ。
長年姉を取られていたレナにとって、これほど残酷で胸のすく復讐はそうそうないだろうと考えられる。
「レナ…、すごく綺麗だ。まるで食べてしまいたいくらいにな…」
「ふふっ…姉さん、お世辞もいい加減にしてください」
「いいや、本気さ……」

ミシッ

「っ…?!」
レナを抱きしめるファリスの腕に少し力が入ってきたような感じがする。僅かに身体に走った痛みに、レナは少しだけ顔をゆがめた。
「ね、姉さん?少し、力が強いです…。大事にしてくれるのはありがたいのですが、もう少し力を抜いて…」
レナはファリスが自分をそれほど大事にしてくれているのかと思って嬉しかったが、さすがに痛みが激しくなってきたので少し力を緩めてくれと頼み込んだ。
だが、ファリスはレナの言うことを聞いていないのか、レナを抱きしめる力はどんどん強くなっていった。

バキバキバキィ!


2009年01月18日
『闇の輩(ともがら)の肉宴〜淫水魔ファリス』 part3
もうレナの身体からはそこかしこから骨と骨の悲鳴が上がっている。勿論レナも淫怪人であるからその程度で身体が壊れたりはしないが、痛みや苦しみの感じ方は普通の人間とそう変わりはしない。
「ね、姉さん…。苦しい……離して……」
あまりの痛さに、レナは声を出すのも億劫になってきた。なんとかファリスの手から逃れようと懸命に身体を揺すり、ファリスの手を緩めようとした。
そのかいがあったのか、身体をグイグイと揺するレナの腰が僅かだが周り始め、レナは体を捻ってファリスと相対することが出来るようになった。
「姉さ……?!」
が、そこでレナの見たファリスの顔は、それがファリスなのかと疑問に思うくらい満面を発情させ欲望に瞳をぎらつかせていた。
「食べてみたいんだ、レナの全てをな……
その瑞々しい肌、プリッと膨らんだ胸、丸々としたケツ…。もう辛抱できねえんだよ…」
うっすらと開いたファリスの口から、夥しい量の涎と共にぎざぎざに尖った牙が顔を覗かせている。
その中でも一際長く伸びた元犬歯からは毒々しい紫色の液体が滴り、ファリスの胸に紫の水溜りを作っている。
「レナ…全てはお前が悪いんだぜ。
俺がこんな淫らで気持ちいい淫水魔になれたのもお前のせい。俺がこんなに欲情しちまうのもおまえのせい。
だから、この体中の切ない疼き、お前に解決してもらわなきゃいけないじゃないかぁ!」
いい終わってから口元をグワッ!と開いたファリスは、そのまま牙をレナの首筋に穿ってきた。
「あっ?!あああーーーっ!!」
ファリスの思いも寄らぬ行為に、レナは全身を戦慄かせてファリスの牙に酔ってしまった。
ぶっすりと突き刺さった牙からは人を淫らに変える淫毒がドクドクと吹き出し、レナの身体に染み透っていく。
もちろんこの淫毒は人間に対して効果があるものなのだが、淫怪人に使ってもその効果の程はそう変わりはしない。
それどころか、性感が人間よりはるかに高い淫怪人にとって淫毒は場合によっては人間をも凌駕する効果を得てしまうことも往々にしてある。
今回のレナはまさにそのとおりになり、たちまちのうちに太腿からはお漏らしをしたかのように愛液がドロドロと滴り落ちてきて、二つの乳首は布越しでもはっきりと分かるくらいまで膨らんでいる。
「ふっ……、ふぅっ……」
その身にたっぷりと淫水魔の淫毒を注入されたレナは、さっきまであった人間っぽい理性の光は消え失せ淫魔竜軍の淫怪人に相応しい本能と獣欲が暴走した一匹の牝へと変貌していた。
「ふふふ…、いいぞレナ。体中から淫らな匂いが立ちこめて来ているぞ。
これならさぞかし…、身体もいい味がするだろうよ!」
ファリスはその鋭い爪で、レナの衣服を引き裂いてしまった。ファリスの前に、発情しきって全身をドロドロに濡らしたレナの全身が露わになる。
(あぁ…私の裸、姉さんに見られている……)
僅かに残っているレナの理性が、自分の裸をファリスにまじまじと見られていることに激しい羞恥心を与えていた。
ファリスがレナの仕草にコンプレックスを持っていたように、レナもファリスの女らしい肢体に激しいコンプレックスを持っていた。
なんで姉妹なのに、こうも身体の組成に差が出てしまうのかと。何を食べたらそんな姿になれるのかと。



だから、さっきファリスを犯したとき、レナは激しい征服感を隠しきれなかった。
(あの逞しく優しく頼りになっていた姉さんが、いまは私の下で悩ましく腰を振って、ダークサタン様の魔因子と魔精を今か今かと待っている!)
そう考えただけですぐに達し、ファリスの膣内に精液をぶちまけそうにそうになったくらいだ。

ところがが今は立場が完全に入れ替わっている。
犯そうとしている側はファリスであり、レナはファリスに手をつけられるのを今か今かと待ち受けている側だ。
「へへっ…。その顔、ますますそそるじゃねえか……
じゃあレナ、早速だがまず俺の身体に奉仕して貰おうか?ほら、こっちに来いよ」
ファリスはボーットしているレナの頭をきゅっと掴むと、そのまま自分の胸にぼふん!と押し付けた。
「なぁ…、レナ。俺の乳首……吸ってくれよ……。バッツも、俺の胸大好きなんだぜ?
バッツと抱き合う時、あいつは大抵最初に俺の胸を弄るんだ。両手でおっぱいをぐにぐにと捏ね、そのまま乳首をちゅうちゅうって吸い出すんだ。まるで赤ちゃんみたいによ…
あいつ、ガキの頃にお袋さんと死に別れてるから、お袋さんおっぱいが恋しいのかもしれないよな…」
おそらく普段バッツと肌を合わせているときにはいつも乳首を責められていたのだろう。ファリスの乳首はそれ自体が生き物のようにピクリピクリと細かく蠢いている。今すぐに誰かに弄られたい吸われたいと主張しているみたいだ。
「これが…、姉さんの…」
間近にある乳首を見て、ファリスにいわれるまでもなくレナは無性にその乳首を咥えてみたくなった。
別にバッツへの対抗心というわけではない。ファリスが発する淫力がレナの心を酔わせ、ファリスの肉体を欲して止まなくなっているのだ。
「ほら…。もう俺、辛抱たまらねえよ…」
ファリスの声に切なさが混じり始めている。そんな姉の声を聞いてしまったら、もうレナには辛抱できない。
「…あむっ!」
レナはそのままファリスの乳首をくわえ込み、ちゅうちゅうと音を立てて吸い始めた。柔らかいが弾力のある乳房の張りと、こりこりとした乳首の感触がレナの口内粘膜を刺激してくる。
「んっ…ちゅう、ちゅう…」
レナは慈しむようにファリスの胸を舐め、吸い、しゃぶって転がす。いつもバッツにされているのとは違う舌使いは、ファリスにとってとても新鮮だった。
「ああっ!いい!!いいぜレナ!!レナの口、すっげぇ気持ちいいぜ!
レナ、レナ!だからお前も、もっと気持ちよくしてやるぅ!!」
ファリスは胸を吸われる快感に顔を緩ませながら、二つの胸に体内の媚毒を集め乳腺へと流していった。
そして、レナが今ひとたび乳首を吸い上げた時、

ブシュッ!

2009年01月18日
『闇の輩(ともがら)の肉宴〜淫水魔ファリス』 part4

「んんっ?!」
レナの口の中に、ファリスの乳首からドバッと媚乳が噴出してきた。甘く暖かい味がレナの舌と喉を包み込んでいく。
(えっ?!こ、これおっぱい?!)
考えてみればファリスは淫水魔なので体内の体液を操るなど造作もないことなのだが、あまりに不意をついたことなのでレナはファリスから母乳が出たことに一瞬呆けてしまった。
「………んぶっ!げほっ!!」
しかもその量が半端ではなく、一気にレナの気管まで乳液が流れ込んでしまい、レナは派手にむせて思わず乳首から口を離そうとしてしまった。が、
「ダメだ。全部飲むんだ!」
ファリスがレナの頭をがっしりと抑えて離さず、片手で乳房をぎゅっぎゅっと扱いてレナの口の中にさらに媚乳をどぼどぼと送り流した。
「んっ!んんんっ!んぶぶぅ〜〜〜っ!」
止め処なく口の中に流れてくる母乳を、レナは息が詰まらないように必死に飲み込んだ。それでも全てを飲みきれず、口から溢れた母乳がブシュッと噴出していた。
「あははっ!どうだレナ、俺のミルクの味は!やめられなくなるぐらいうまいだろ!
俺のミルクをこれだけ飲めば、もう身体が辛抱たまらないはずだ。今すぐにでも犯されたいだろ。そうだろ?!」
ファリスがようやっと乳首をレナの口から離したとき、レナの瞳はすっかり曇り、口からは溢れた母乳と共に切ない溜息が漏れていた。
「うぁっ……、ね、姉さぁん……。私……うっ!うはぁーーっ!!」
体内に流し込まれた媚毒が一気に活性化したのか、レナは背中の翼をバサッと広げ腰をガクンと落とした。
ファリスに支えて貰わなければ立っていられないほど体中からグニャグニャと力が抜け、下腹部からはまるで間に合わなくて漏らしたように大量の愛液が零れ落ちていた。
「ふふふ、もう体中が疼いて疼いて我慢できないだろ…。ここもまるで湧き水のようになっているぜ」
ファリスはレナを抱えたまま、もう片方の手で熱く濡れそぼったレナの秘部に指を突っ込んだ。
そこは何の抵抗もなくファリスの指を受け入れ、くちゅくちゅといやらしい水音を立てている。
「ひいぃっ!……っかはっ……」
そして、ただそれだけのことでレナは軽く達してしまい、ファリスの手を噴出した潮でべとべとに濡らしてしまった。
「ん?触っただけでイッちまったのか?そうだろそうだろ。
俺の淫液をあれだけ飲めば、普通の人間ならとっくに廃人だ。セックスのことしか考えられないケダモノになっちまう。
まあ、レナは淫怪人だからそこまではなりはしないが、どうだ?したいか?」
「あっ!!ああっ!!姉さん、私、体中が熱い!燃え狂いそう!!したい、したい!したい!!
思いっきり挿されて、擦り切れるまでハメたいぃ〜〜〜〜!!」
淫毒に全身を冒されたレナは、ファリスの問いかけに痛々しいまでに血走った瞳をぎらつかせ、自分の秘部をまさぐるファリスの腕をがっしりと掴みながら恥も外聞もなく喚き散らした。
もうレナの頭にはどろどろに蕩けた子宮に肉棒を突き刺してもらうことしか考えられない。
「して!姉さんセックスして!!私の体メチャメチャにして!!
胸の奥のドロドロしてつっかえているものを、全部外に吐き出させてぇ〜〜っ!!」
ファリスとしても、ここまで乱れ狂い泣きを入れてくるレナを見るのは初めてで、人間だったレナの
時からは想像も出来ない有様に非常に興奮していた。
(う…レナかわいすぎるぜ…!お、俺もレナの中に入れてみてぇ…)
ファリスの心にレナを征服してみたいという気持ちが湧きあがるのも、ごく自然の成り行きだろう。
だが、淫水魔であるファリスは牡の器官は持っていない。淫怪人の中には自分でペニスを作り出したりあるいは元々持っている者もいるらしいが、ファリスにはそういったものは実装されなかった。
だが、今のファリスはレナを犯したくて犯したくてたまらなくなっている。
(じゃあいっそのこと、この舌で嘗め回して……うっ?!)
何か代替案はないかと頭を巡らしていたファリスだったが、そのとき不意に、子宮の奥に激しい疼きを感じた。
「な、なんだ!なんだこれぇ?!」
それはファリスの子宮の肉が突然こんもりと盛り上がり、ぶくぶくと太くなりながら子宮口を伝って外へと飛び出ようとぐいぐいファリスの中を進んでいる。
「あっ!あっ!!何か、何か出てくる!くるうわあぁーっ!!」
腰に走る強烈な快感にがくがくと腰を揺らし、ブチュッと愛液が吹いた後に出てきたものは、さっきレナがファリスを犯したのと同じ、ダークサタンの触手だった。
「ひ、ひあぁ……。お、俺にダークサタン様の触手がぁ……」
所々に太い血管が走り、淫液で妖しく濡れた触手をファリスは呆然と見ていた。
ダークサタンの触手は、現場で淫怪人が仲間を作るとき淫怪人に生やされるものだとされている。
だから、人間を犯す時にしか出てこないはずだ。
だが今、ダークサタンの触手はこうしてファリスの腰から生え伸びている。
(もしかしたら、ダークサタン様が俺の願いを叶えてくれたのかもしれない……
あ、ありがとうございますダークサタン様!俺は、俺は今一度ダークサタン様に永遠の忠誠を誓います!)
そういう考えに至り、ファリスはまだ見たこともない主のダークサタンにいたく感謝した。
「ふ、ふふふ…。レナ、見てみろよ……」
ファリスは悶えるレナの顔を強引に下に向かせ、自分の腰でうねうねと蠢いている触手を見せ付けた。
「あぁ…っ!姉さん……すごぃっ!」
それを見たレナの眼が燃えるような獣欲に彩られる。
「これでお前を、ガンガンに犯してやるぜ……。気持ちよすぎて、気絶するなよ?」
「う…うん、うん!!」
期待に胸を弾ませるレナは、こくこくと頷くとその場にぺたりと座り、太腿を大きく開いた。
「ね、姉さん!早く…早くちょうだい!!もう私のココ、挿れてもらいたくてウズウズしているの!!」
レナは指で膣口をぱっくりと開け、ファリスの触手を促していた。そこは淫毒に冒されたことで火傷しそうなほどに熱く潤んでいる。
「…だめだ、レナ。そんな格好じゃ挿れてやらねぇ…
四つん這いになって後ろを向き、ケツを高々と掲げてみな…。そうしたら、挿れてやるよ…」
だがファリスはせがむレナに対し、非常に恥ずかしい要求をしてきた。
当然のことながら、ファリスはペニスを使って女を抱くのは初めての経験だ。
なら、いっそのこと今まで自分がバッツに与えられた一番恥ずかしい経験をレナに与えてやろうと考えたのだ。
それが、人を淫らに堕落させる淫怪人としての初めてのセックスに相応しいと考えたからだ。
「こ、こうですか?!姉さん!!」
もう一刻も早くファリスに挿れて欲しいレナはファリスの言うことに反論もせず、くるっと後ろを向くとこしを高々と掲げ、ファリスの方へ挿入口をまじまじと見せ付けた。
「そうだ。そしてそのままケツの穴を弄り、腰を振りながら俺に挿れてくれってせがんでみな。
そうしたら、レナの気が済むまで犯してやるよ…」
おいバッツ、お前今まで一体どんなエロプレイしてきたんだ。羨ましい奴め。
「?!そ、それは…」
ファリスのあまりな要求に、流石にレナも一瞬躊躇った。だが、
「いやならいいんだぜ?そのまま誰にも相手にされずよがり狂ってな」
といってその場を立ち去ろうとしたファリスを背中越しに感じ、レナの僅かに残っていた羞恥心も全て吹っ飛んだ。
「あっ…、や、やる!私やる!!見て、姉さん!私のいやらしい姿、じっくりと見て!!」
レナは背中越しに腕を尻へと導き、中指を使って菊門をずぷずぷと弄り始めた。自分で弄っているはずなのだが異常な状況と淫毒の効果からかまるで別の触手が自分の尻を責めているように感じる。
「ひ…ひぃっ!!気持ちいい!お尻気持ちいい!!
姉さん、姉さん!!お願い!挿れて、犯して!!その太い触手ちんぽでガンガンに犯してぇ!」
しりから湧き上がる妖しい陶酔感に顔をうっとりと崩しながら、レナは言われたとおり腰をふりふりと振ってファリスにせがんできた。
そのあまりに淫靡な様に、ファリスは一瞬気が遠くなった。
(こ、こりゃあきつい…。バッツめ、俺にこんなことさせてやがったのか……)
確かにこんなことを目の前でされたら、気も昂ぶるというものだろう。実際今のファリスがそうなのだから。
「よぉ〜〜し、よくやった…。じゃあ約束どおりたっぷりと犯してやる!」
ふるふると動くレナの尻を両手で掴んだファリスはそのまま腰を落とし、触手ペニスをずぶずぶとレナの腰に沈めていった。
「ああぁーぅっ!姉さん!!姉さんが入ってくるぅぅっ!!」
待ちに待った貫かれる感触に、レナは歓喜の悲鳴を上げた。
だが、悲鳴を上げたのはレナだけではなかった。


2009年01月18日
『闇の輩(ともがら)の肉宴〜淫水魔ファリス』 part5

「うおぉっ!!す、すげぇ!!これが女の中なのかよ!気持ちよすぎるじゃねえかぁ!!」
ファリスもまた、触手から送られるレナの中の心地よさに夢心地になっていた。
触手自体は確かにダークサタンのものなのだが、ファリスの体の中を通し、ファリスの肉を使って顕現した触手は紛れもなくファリスの体の一器官だった。
粘膜が擦れあう感触、肉が肉に包まれる感触。片方は散々経験してきたことなのだが、立場が変わるだけでこれほど新鮮な悦楽が得られるとは思いもしなかった。
「うあぁ、すげぇ!女を犯すのが、こんなに気持ちいいなんてよぉ!」
これなら度々バッツが自分の体を要求してきたのも分かる。挿されるのも勿論気持ちよかったのだが挿すのがこれほどまで凄まじい快感をもたらしてくれるとは。
「へへっ…、こんな体験人間のままだったらとてもできねえよ。やっぱ俺、淫怪人になってよかったぜ!」
レナの腰を掴んだまま、ガッツンガッツンと腰を揺すり、ファリスは触手がもたらす快感にずぶずぶと浸っていた。
「ああぁ姉さん!もっと、もっと突いて!私の全てを吐き出せて、うわぁぁ〜〜っ!!」
一方レナのほうも、愛する姉に犯される背徳の気持ちが快感をより大きく増幅させ、腰から湧き上がる快楽に溺れていた。
淫毒で敏感になったレナの神経は、普通に犯されるときの何十倍もの快楽を脳内に送り届けている。普通の人間なら悶絶死しかねないほどの強烈なものだが、淫怪人であるレナはその全てを受け止めさらに貪ろうとしていた。
「姉さん!もっと奥も!子宮も卵巣も全て犯してぇ!!」
「ああ!そんなこといわず子宮ぶち破って、内臓を外から犯し抜いてやるよ!!おらおら!!」
レナはより深い快感をファリスに求め、ファリスもレナのより深いところを犯そうと触手を抜き差ししていた。
「へへっ、たまらねえなぁ!こりゃ癖になる……うっ?!」
調子に乗ってレナを犯し続けていたファリスに異変が生じたのはそのときだった。リズム良く動かしていた腰がぴたりと止まり、体そのものがカチンと凍りつく。
「ああ〜〜っ!姉さん気持ちいいの!奥で、奥で触手が動いているのぉ〜〜!」
だが、レナのほうは相変わらず顔をとろんと蕩けさせて触手がもたらす悦楽に酔っている。
でも、いまファリスは腰を動かしていないはずなのだが。
「お…おい、ちょっと待てよ。な、何で勝手に……」
ファリスが動揺したのは、触手ペニスが自分の意思とは関係なく勝手に動き始めたからだった。触手は自分で意思を持つかのようにレナの子宮を責め、蹂躙していく。
そしてそれは、ファリスにも予想のつかない快感を与えていた。
「う、うわっ!!触手が、触手が勝手に動くーっ!!すげぇーっ!!きもちいいーっ!!」
自分がレナを犯しているはずなのに、まるでレナに自分が犯されているような相反した思い。
それによりファリスの体は急速に高みへと昇っていった。
女であるファリスには当然感じるはずのない、体の奥から何かが込み上げてくるような感覚。
(もしかして…これが射精?!)
自分は今まで射精を受け止める側だったが、射精をするというのはどれほど気持ちのよいものだろうか。
今までの牡の快楽を考えたら、それは絶対に物凄いものの筈だ。
「ああっ!レ、レナ!俺もう出ちまう!出ちゃう!!」
「い、いいよ姉さん!私も、私ももう全部出ちゃいそうなのよぉ!!」
レナのほうも、もう限界に達しようとしていた。それまで胸の奥でつかえていたなにかが、全て外に出てしまいそうな強烈な開放感がすぐそこまで込み上げていた。
「ひいぃっ!!もう、もうダメだ俺、俺はぁ!!」
触手の中心にある管を、熱くどろどろしたものが抜けていく感触が伝わる。
「私も、私も!ひゃあぁぁっ!!」
体の奥にある熱いものが、食道を伝ってきているのが分かる。
「ああっ!出るでるぅぅーーっ!!」
一際ファリスがレナに深く突き入れたとき、遂にファリスの触手の先端が決壊した。



ドピュウウウゥゥゥッ!!

まるでマグマのように熱い淫液が、レナの体内いっぱいにぶち撒けられた。
そして、それを受け止めたレナも同時に達する。
「ふわっ!あ、熱いいいいぃぃっ!!」
レナは膣に受け止められた淫液の熱さに喉の奥から嬌声を張り上げ…

ドゴオオォォォーーーッ!!!

一緒に摂氏5000度に達する灼熱の炎、アトミックレイを吹き上げた。
「ああぁ…射精、すっげぇ気持ちいい……い?!」
「アハァ…、や、やっと胸のつかえが取れ……あ」
同時に快楽の余韻に浸った二人の顔は、まさに同時に凍りついた。
なんとレナの放ったアトミックレイはそのままセイバーのいる館を直撃し、たちまちのうちにメラメラと燃え上がったのだ。
それまで快楽の炎に炙られていた二人の心が、熱い炎を見て一気に醒めてくる。
「あ、あぁ…姉さん……」
レナが繋がったままファリスの顔を不安げに見る。
「や、やべえんじゃねえのかこれは……」
ファリスのほうも、轟々と燃える館を呆然と眺めていた。
「姉さん、姉さん淫水魔なんでしょ?なんかたくさん水を出す技ないの?!」
「あぁ…俺、そういった技は持っていないみたいなんだ…。体の中で毒液を作り出すことはできるんだけれど…」
そういってひれからピュッと出した毒液の量は、館どころかそこいらの焚き火を消すことすら出来ないものだった。
「それじゃ役に立たない〜〜」
そんなことをしている間にも、館の火は手におえないほど激しくなっている。いや、元から手遅れなのだが。
「お、おいおまえら!!バケツでもなんでも使ってあの火を消すんだ!!」
ファリスは周りでまごまごしているモンスターたちに慌てて命令した。さいわい、ここは海に通じる地底湖がありアジト跡だけあって樽やバケツも豊富にある。
だが、モンスターがそれらを実行するより早く、館はガラガラと焼け落ちてしまった……
「ね、姉さん……」
「に、逃げちまうか……いっそ」
二人は完全に瓦礫になった館を見て、ようやっと体を離すとこそこそとその場を離れていった。


その後、館が焼け落ちた跡から真っ黒焦げになったセイバーとモンタは発見された。
勿論セイバーはレナをこっぴどくお仕置きしたものの、仕事をサボっていたことがダークサタンにばれ
後日ダークサタンからよりこっぴどくお仕置きを受けたことは、改めて語るまでもない。



文責 いなづまこと







2009年01月14日
『闇の狭間の淫略〜淫魔竜レナ』 part1 

いなづまこと様の第5作目です。毎週ありがとうございます!!
今回はレナ(FFX)と誰かが悪堕ちしていきます。
いなづまこと様の作品はいつも違ったパターンの悪落ちなので、
本当に素晴らしいです。
それではどうぞ!

注意! この文章には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断でお願いします。)





ここはタイクーン城の北西の、かつて海賊のアジトがあった洞窟。現在では海賊団は解散し、奥には小動物以外誰もいないただの洞窟になっている。
が、その洞窟の入り口に今、二人の若者が姿を現していた。
そのうち一人の女性はボロボロの衣服を纏ったまま気を失っており、男の腕に抱かれている。
そしてもう一人の男…もとい、元海賊の頭目でありこの洞窟をアジトにしていたファリスは、遠くに見えるタイクーン城を見て悔しげに顔を歪ませた。
「畜生……。一体何が起こっちまったんだ!!」
ファリスの目に見えるタイクーン城は、周囲を真っ黒い霧で朦々と覆われていた



『闇の狭間の淫略〜淫魔竜レナ

いなづまこと様作



自らの野望を成就するため二つに別れた世界を一つに戻し、手に入れた『無』の力で全てをゼロに帰そうとした暗黒魔導士エクスデスをバッツ、ファリス、レナ、クルルの4戦士が倒してから約1年後、レナと共にタイクーン城にいたファリスは城を出ていく決意を固めた。
三歳の頃海難事故で両親と離れ離れになって海賊に拾われ、先代の養女になったあげくに後に海賊の親分となってしまったファリスにとって、タイクーン城は確かに生まれ故郷ではあったものの自由気ままな海の人間として振舞えない城内は決して住み易い環境ではなかった。
やれ礼儀作法だ、やれ勉強だ、やれ花嫁修業だと堅苦しい毎日に、ファリスの顔から次第に笑顔が消えていっていたことはレナも気がついていた。自分にとってはかつての日常でありさして苦にもならないことが、姉ファリスにとっては想像を絶する苦行だと思い至った。
だからファリスが一旦城から出て行きたいと言ってきた時、レナは最初応えに逡巡した。



レナとしては、ようやっと姉妹一緒に暮らせるようになったこの日常をそう簡単に手放したくはない。
しかし、そのレナの望みはファリスを心身ともに縛りつけ、ファリスの人生に暗い影を落としている。
自分のエゴにより、姉に苦痛を与えるのはレナとしても本意ではない。なにしろ、ここ数ヶ月、ファリスの公式な場での笑顔をレナは見た覚えがないのだ。そして、レナはファリスから笑いが消えた本当の理由がわかっていた。が、あえてそのことをファリスに問うことはしなかった。
熟慮の末、レナは最終的に自分のエゴより姉の幸せを選択した。これが永遠の別れになるわけではない。
心の健康を取り戻した姉さんは、また自分の前に戻ってきてくれる。
そう思ったからこそ、レナはファリスを快く送り出したのだ。
タイクーン城の裏口から人目をはばかるように出て行くファリスを、レナは姿が見えなくなるまで笑顔で見送っていた。
だが、その心の内は決して笑顔のままではなかった。
ファリスが足取り軽く駆けて行く様を見て、レナの心に少しだけ浮かんだファリスへの疑念。
(もしかしたら、姉さんはもう帰って来ないかもしれない)
(姉さんは、私を捨てて出て行った)
もちろんそんなことありはしない。あってたまるはずがない。レナはその黒い想いをさっと打ち消して城の中に戻っていった。ファリスが出て行ったことをどうやって爺に納得させるかを考えながら。
だが、レナがファリスに向けて思い浮かんだ疑念はこの後もレナ自身も気づくことないままずっとレナの心の中に燻り続けていた。
そして、その小さくも強烈な黒い意思が結果として招かれざる客をこの世界に導く結果となってしまったのだ。




一方城を出たファリスは、真っ先にリックスの町へと向っていった。そこはもちろんあのバッツの生まれ故郷である。
ファリスにとってバッツはエクスデスと闘い世界を救った仲間という以上に、自分が初めて異性として意識した男である。それまで海賊の荒くれ連中の中で頭領として振舞うために女としての自分を消さなければならなかったファリスが、本来の『女』としてのファリスを引き出させてくれたきっかけを与えてくれたのがバッツだった。
長い旅の間に、ファリスは自分より強くしかも心優しいバッツに惹かれ、バッツのほうもファリスを仲間ではなく『女』として見るようになっていった。
だが、エクスデスが滅び世界が平穏を取り戻すと、バッツはファリスの前から去っていってしまった。
本来が風来坊気質であるバッツは、こじんまりした城の中の世界で生きることはできなかったのだ。
ファリスに断りを入れて城を去っていくバッツに、ファリスは自分もついていこうと一瞬だけ考えた。
が、それは叶わぬことだった。
自分は今、海賊の親分ファリスではなくタイクーン王家第一王女サリサとしてこの城にいる。王家の人間である自分が勝手に城を抜け出て、男と一緒に当てもない旅についていくなんて真似をできようはずもなかったのだ。
いや、それでも以前の自分ならそうしたかもしれない。どうせ記憶の隅っこにしか残っていなかっ
た王族の身分など、うっちゃっても全然未練はないものだからだ。
しかし、今のファリスには妹のレナがいる。妹をほっぽって自分だけが逃げるなんてことができるわけない。
だからこそ、ファリスはバッツを黙って見送った。それしか、ファリスの選択肢はなかったのだ。
が、バッツが自分の手から離れた時から、ファリスの見る世界は色を失ってしまった。ファリスにとってバッツは、もはや欠くことのできないほど重要な位置を占める存在になってしまっていた。
(バッツに会いたい!とにかく会いたい!!会いたい!会いたい!)
ファリスはただそのことを悶々と考えながら日々をすごし、果てには体調すら崩しかねない状態になってきていた。
そしてその想いが限界を超えた時、ファリスはレナに頼み込んでタイクーン城を後にしていた。
目的はただ一つ。とにかく少しの間だけでもバッツと一緒にいたい。ただそれだけ。
ただ、そう簡単に会えるとは思っていなかった。相変わらず世界中を旅して周っていると聞くバッツに、リックスに行ったからといって会える保障は全くない。
むしろ空振りにあう確率のほうが高いだろう。
だが、それでもファリスの足はリックスへと向けられていた。どうせいつも根無し草のようにフラフラとしてどこにいるか分からないのだ。それなら、居る可能性が僅かでもあるところに脚が向くのは当然のことである。

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