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ν賢狼ホロν
「嫌なことなんて、楽しいことでぶっ飛ばそう♪」がもっとうのホロです。
ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド2
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2009年02月05日
『闇に抗う自動人形(オートマタ)』(前編) part1

 はい、今日は以前予告していた通り、
いなづ様が某スレで載せたセイバーズ関係のSSを、載せていきたいと思います。
これは前編で、後編は次の予定らしいです。
今回はまた、違った雰囲気のSSを書いてくださいました。

 そして予告ですが、いなづ様から『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』の次の話の、
差分画像をいただきました。近日中にUPしますので、ぜひご期待ください。

 それではどうぞ☆





注意! この文章と画像には、官能的表現と暴力的表現が
含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断・自己責任でお願いします。)





そこは過去にビッグドームと呼ばれた野球場跡。
かつてはプロ野球を観戦に来た親子連れでごったがえしていたそこは、現在は見る影もないほどの廃墟と成り果てていた。
高く昇っていた夏の日が突然閉ざされ、光射さぬ暗闇の狭間から突然現れたダーククロスと名乗る謎の侵略集団が、この国のみならず全世界を席巻していったのは僅か一年にも満たない期間だった。
破壊と淫辱をもって人間に襲い掛かり、恐怖と感応によって心を砕かれた人類は瞬く間にダーククロスの軍門にくだり、ある者はダーククロスの尖兵となってかつての友や家族にその毒牙を向け、ある者はダーククロスに囚われその命涸れ果てるまで陵辱の限りを受けた。
今や生き残った僅かな人類は夜昼問わずどこからか突然現れるダーククロスの戦闘員や淫怪人に追われ、逃げ惑う日々を送っていた。

しかし、ここビッグドームでは想像も出来ない事態が起こっていた。
「うぎゃあああぁっ!!」
大きく跳ね飛ばされた戦闘員の腕が派手に吹き飛び、青黒い血を派手に噴き出している。激しい痛みに顔をゆがめる戦闘員が蹲った直後、その頭がずるり、と首から離れ人工芝の上にぼとりと落ちた。
いくら屈強な戦闘員といえども、これは完全に絶命している。
しかも戦闘員の死体はこの一体ではない。
この広いビッグドームの内外野に、なんと十数体の戦闘員の死骸が転がっているのだ。
人間の数倍の戦闘力を持つ戦闘員がこれほどなすすべなく殺戮されることなど、どう考えてもありえることではない。
そして、累々たる屍が横たわる球場のピッチャーマウンドに佇む二人の少女。
どうやら双子だろうか、その姿は驚くほど酷似している。
丈の長いコート、生脚が覗く短いスカート、頭にちょこんと乗っかる帽子。
腰まで伸ばした長い髪。眼鏡の奥に煌く金銀妖瞳。感情がないかのような無機質な表情。
そのどれもが瓜二つである。
が、決定的に異なるところがあった。
片割れは白磁器のような抜けるような白い肌で服装もすべて白で統一していたのに対し、
もう片割れの一人は逆に色黒の肌に黒の服装を着込んでいたのだ。


「…戦闘員、殲滅完了」
白いほうが手に持ったやたらと巨大な刀についた戦闘員の血糊をぶん、と振り払った。
「視界内敵残存戦力、淫怪人一体。これより殲滅します」
黒いほうも自分の身長ほどもある刀を片手で軽々と持ち、バッターボックスにいる淫怪人に切っ先を向けている。
「バ、バカな……、私たちダーククロスの戦闘員がこんなにも簡単に……」
目の前に広がる光景をダーククロスの淫怪人、淫妖花ノゾミは信じることが出来なかった。
ダーククロスの淫怪人として新たな生を得て、初めて臨んだ人間狩り。
人間を追いかけ追い詰め、自慢の触手で性の虜にする面白さを求め、瓦礫の中をのこのこと歩いていた二匹の人間を見つけた時は悦びで小躍りしたものだ。


その後、部下の戦闘員を使って鬼ごっこに興じ、こうして二匹をビッグドーム内まで追い込んだのだ。
こうすれば彼女達は袋のネズミ。後はゆっくりと嬲って犯して堕落させ、魔因子を注ぎ込んでダーククロスの下僕にする算段だったのだ。

ところが、それは罠だった。袋のネズミにされていたのはノゾミたちのほうだったのだ。
ビッグドームの中に入った彼女達は、それまで逃げ惑っていた姿から態度を豹変させノゾミたちに襲い掛かってきたのだ。
それも恐るべき強さで。
普通、人間では淫怪人はおろか戦闘員にも抗し得ない。身体能力の基本が違うのみならず、ダーククロスの構成員は淫怪人、戦闘員、淫隷人を問わず体から人間を発情させ無力化する淫力を発している。
これにより、どのような人間であろうとダーククロスの構成員に向かい合ったが最期戦闘意欲を喪失させ、容易くダーククロスの手に堕ちてしまうのだ。
が、目の前の二人は淫に囚われるどころかたちまちのうちに襲い掛かった戦闘員2体を見たこともない刀で切り伏せ、ノゾミたちがあっけにとられている暇もなくたちまちのうちに5体の戦闘員をただの肉の塊に変えてしまったのだ。
ノゾミは焦りながらも全身から強烈な淫香と淫力を放ち、二人の戦闘力を奪おうと試みた。戦闘員の淫力が効果がなくとも、まさか淫怪人である自分の力まではレジスト出来ないだろうと考えたのである。







(生意気な人間め!私の魔の香りに当てられて全身の穴という穴から体液を噴出させて悶え狂うがいい!!)








ノゾミの噴出する香りと淫力は屋根で閉ざされたビッグドーム全体をたちまち包み込み、そのあまりに濃厚な淫気は二人を取り囲む戦闘員にまで効果が及び、戦闘員が顔を赤く染めて片手を股間に這わせてしまうほどの威力だった。
が、肝心の二人はそれほどの濃密な淫気に包まれているにも拘らず全く表情を変えず、先ほどと全く変わらない速さで動きの鈍った戦闘員を一人、また一人とバラバラにしていった。
そして、今残った最後の一人の首が飛んでいったところである。
「な、なんなの……、お前達、なんなのよぉ……」
ノゾミはじりじりと迫って来る二人の少女に完全に気圧され、一歩、また一歩と後ずさっていった。
あの日々逃げ惑う苦痛と恐怖から開放され、それまで狩られる立場だったのを狩る立場へと転換し、犯される側だったのを犯す側へとスタンスを変え、ようやっとあの鬱屈した日々から開放されると思ったのに。
自分は素質があるからとダークサタン様直々に魔精を戴き、ダーククロスのエリートである淫怪人へと生まれ変わったというのに。
なんで、なんでまた自分は狩られる側に立たされていなければいけないんだろうか。

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